「高齢者が寝てばかりいるとどうなるの?」
「高齢者が寝てばかりいる場合の原因や対策方法を知りたい」
年を取ると、寝てばかりいる時間が増えて、心配に感じている方も多いでしょう。
寝てばかりいると、誤嚥や転倒・転落、食事量の減少など、高齢者の生活に悪影響を及ぼす可能性があるため、対策をすることが重要です。
本記事では、高齢者が寝てばかりいる原因や対策方法などを詳しく解説していきます。
紹介する内容の中から実践できそうな対策方法を選び、日常生活に少しずつ取り入れていきましょう。
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高齢者が寝てばかりいる原因とは?
高齢者が寝てばかりいる原因は、以下のようにさまざまなものがあります。
- 認知症
- 脱水症状
- 体力の低下
- 病気
- 薬の副作用
- 食後の低血圧
原因によっては、早急に対処が必要なものもあるため、高齢者が寝てばかりいる原因を理解しておくことが大切です。
それぞれの原因を詳しく解説していくので、参考にしてください。
認知症
高齢者が寝てばかりいる原因として、認知症の可能性があげられます。
高齢者の方が認知症になると、以下の2つの症状が原因で寝てばかりになる場合があります。
- 昼夜逆転
- 無気力状態
健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると、認知症の方は、連続して眠ることが難しくなるとされています。
そして、夜に活動量が増加して、昼間に眠気を感じる患者さんが多い傾向にあります。
また、認知症による無気力状態が原因となり、高齢者の方が寝てばかりいるケースも少なくありません。
何もする気にならず、ひたすら寝てばかりの状態になります。
高齢者の認知症で受けられるサービスもあるため、気になる方は以下の記事も参考にしてください。
脱水症状
高齢者が寝てばかりいる原因として、脱水症状があげられます。
年をとるにつれて、体内の水分量が減少していくため、高齢者は脱水症状になりやすくなります。
また、身体の機能が低下するため、高齢者は口の渇きを感じづらくなり、水分を摂取する回数が減少します。
体内の水分量が減少することにより、身体のだるさや眠気などの症状が現れがちです。
脱水の初期症状として、高齢者が寝てばかりいる可能性が高いため、注意しておく必要があります。
特に夏の暑い日などは脱水症状になりやすく、こまめな水分補給をしないと熱中症になるケースも少なくありません。
体力の低下
高齢者が寝てばかりいる場合は、体力の低下が原因の可能性があります。
高齢者になると、体力や筋力の低下、食事量の減少などにより、疲れやすくなります。
日中の活動量が減ると、ちょっとした運動だけでも息切れをするなど、体力低下が顕著に現れます。
少しの運動で疲れてしまうため、日中に眠気を感じやすく、高齢者が寝てばかりいる原因になりがちです。
また、高齢者の方は睡眠時間が短くなるため、疲れが溜まりやすくなり、日中も寝ているケースが多いです。
病気
高齢者が寝てばかりいる場合、病気が原因になっているケースも少なくありません。
眠気が生じやすい病気として、以下のようなものが挙げられます。
- 慢性硬膜下血腫
- 過眠症
- 内科的疾患
慢性硬膜下血腫は、頭をぶつけた際に脳と硬膜の間に、血の塊ができるものです。
徐々に脳を圧迫して、正常な機能が働かなくなっていきます。
早期の治療が大切なため、頭をぶつけてから寝てばかりいる高齢者には気を付けましょう。
薬の副作用
高齢者が寝てばかりいる場合は、普段から服用している薬の副作用が原因の可能性も考えられます。
なにかしらの病気を治療するために薬を服用している場合、副作用で高齢者が寝てばかりになっている場合があります。
たとえば、以下のような薬を服用していると、傾眠傾向が現れるリスクがあるため、注意が必要です。
- 抗てんかん薬
- 花粉症やアレルギーの薬
- 抗精神病薬
- 睡眠薬
薬の副作用による眠気は個人差があり、腎臓や肝臓の機能は、薬の代謝にも影響を及ぼします。
特に、高齢者の方は代謝機能が低下しているケースが多く、より薬の副作用として眠気を感じやすいとされています。
食後の低血圧
高齢者が寝てばかりいる原因として、食後の低血圧が挙げられます。
食事をした後は、消化をするために血流が胃に集中します。
そのため、全身の血圧が下がってしまい、眠気やめまい、ふらつきなどを引き起こす場合があります。
また、高齢者は水分摂取が不足していることが原因で、より低血圧になりやすいため注意しておきましょう。
高齢者が寝てばかりいるとどうなるの?
「高齢者が寝てばかりいるとどうなるのか」と気になっている方も多いでしょう。
高齢者が寝てばかりいることが原因で起こり得るリスクとして、以下の3つを紹介します。
- 誤嚥をする可能性がある
- 転倒・転落などのトラブルが起きる
- 食事の摂取量が減少する
それぞれ詳しく解説していくので、高齢者が寝てばかりいることのリスクを理解しておきましょう。
誤嚥をする可能性がある
高齢者が寝てばかりいることで、誤嚥をする可能性があります。
誤嚥とは、飲み込んだ食べ物や唾液などが食道ではなく、気管に入ってしまうことを指します。
通常の場合はむせるなどして、気管に入ることを防ぐことが可能です。
しかし、高齢者になるとものを飲み込む力が弱まるため、誤嚥が増えます。
さらに、寝てばかりいる高齢者は、誤って飲み込むリスクが高くなります。
本来は肺に入るべきではないものが入ってしまうことで、誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
転倒・転落などのトラブルが起きる
高齢者が寝てばかりいると、転倒・転落などのトラブルが増加する恐れがあります。
寝てばかりいる傾眠傾向の高齢者は、意識がはっきりとしていません。
そのため、階段を踏み外したり、少しの段差でつまづいたりするなど、転倒や転落リスクが増加します。
高齢者は身体機能が低下しているため、ちょっとした転倒や転落でも、重大な事態に発展する可能性が高いため、注意しておきましょう。
食事の摂取量が減少する
寝てばかりの高齢者は、食事の摂取量が減少するケースが多くあります。
寝ている時間が長くなると、エネルギーの消費量が減少するため、お腹が空きづらく食事量の減少につながります。
食事の摂取量が減ることで、栄養素が不足して身体機能の低下が促進される流れが多いです。
身体機能が低下すると、さらに活動量が減り、食事の摂取量が減少するという悪循環に陥りがちです。
高齢者が寝てばかりいる場合の対策
高齢者が寝てばかりいる場合の対策方法として、以下の5つがあります。
- 水分を少し多めにとる
- 薬の見直し
- 病院を受診する
- 日々の生活に運動を取り入れる
- 昼寝をする
それぞれの対策方法を詳しく解説していくので、できるものから実践していきましょう。
水分を少し多めにとる
高齢者が寝てばかりいる場合の対策として、水分を少し多めにとることがおすすめです。
高齢者は、喉の渇きを感じづらく、水分の摂取量が減少しがちです。
体内の水分量が減少すると、低血圧や眠気、身体のだるさを感じやすくなります。
そのため、時間を決めるなどして、定期的に水分を補給するように意識しましょう。
薬の見直し
高齢者が寝てばかりいる場合、現在服用している薬の見直しをして対策することがおすすめです。
「新しい薬を追加してから寝ている頻度が増えた」「以前と同じ薬だけど用量が増えてから眠たそう」など、今までと異なる点がある場合は、薬の見直しを行ってみましょう。
薬の見直しに関して相談する場合は、医師や薬剤師に質問することがおすすめです。
病院を受診する
病院を受診することで、高齢者が寝てばかりいる状態の対策ができます。
年を取るにつれて、身体機能が低下して、さまざまな病気にかかりやすくなります。
高齢者が寝てばかりいる原因が病気であるケースも少なくありません。
早期発見・早期治療で改善できる可能性もあるため、異変を感じたら病院を受診することもおすすめです。
日々の生活に運動を取り入れる
日々の生活に運動を取り入れることで、高齢者が寝てばかりになる傾眠傾向を対策できる可能性があります。
運動の習慣があることで、身体機能の低下を抑制して、食欲を増進させられます。
寝てばかりの状態では、筋力や食欲の低下が抑制できませんが、運動をすることで改善できるケースも少なくありません。
いきなり強度の高い運動をすると、身体を壊すリスクもあるため、低強度の運動から取り入れてみましょう。
昼寝をする
高齢者が寝てばかりいる場合は、昼寝で対策ができます。
昼間にがっつりと寝てしまうと、夜の睡眠時間が減少して、傾眠傾向が悪化する恐れがあります。
そのため、昼寝を15分~30分程度取り入れることで、夜への睡眠に影響を与えずに眠気の解消が可能です。
また、日光を浴びる時間を増やすことも効果的です。
朝日を浴びることによって生活リズムが整うため、朝は外に出たり、窓の近くで陽の光を浴びてみましょう。
朝日を浴びながら軽く運動をするなど、他の対策方法と組み合わせてみるのもおすすめです。
まとめ:高齢者が寝てばかりいる場合の対策を実践してみよう
本記事では、高齢者が寝てばかりいる原因や対策を詳しく紹介しました。
高齢者が寝てばかりいると、誤嚥・転倒・転落・食事量の減少など、さまざまな問題が発生します。
薬や病気が原因で傾眠傾向にある場合は、病院を受診する必要があります。
しかし、それ以外の原因であれば、日常生活のちょっとした工夫で、高齢者が寝てばかりいる状態を改善できます。
本記事で紹介した対策方法の中から、実践しやすいものを選択して、少しずつ日常生活に取り入れてみましょう。
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