「高齢者が水分を取らない理由は？」
「高齢者が水分を取らないとどうなるの？」
上記のように、高齢者が水分を取らないことについて気になっている方も多いでしょう。
高齢者が水分を取らない理由として、生理的な原因・服用薬・持病などさまざまな原因が考えられます。
また、水分を取らない状態が続くことで、便秘や腎機能の低下などにつながるリスクもあるため、注意が必要です。
本記事では、高齢者が水分を取らない理由について詳しく解説していきます。
また、高齢者が水分を取らないとどうなるのかという疑問にも答えているので、ぜひ最後までご覧ください。
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高齢者が水分を取らない理由として、以下の5つが挙げられます。
- 生理的な原因
- 服用薬の影響
- 持病の影響
- 身体機能の低下
- 高齢者の習慣
それぞれの理由について詳しく解説していくので、高齢者が水分を取らない理由が気になっている方は参考にしてください。
生理的な原因
高齢者が水分を取らない理由の1つ目は、生理的な原因です。
まず、年齢を重ねると「喉が乾いた」と感じ取る機能が衰えていきます。
身体が水分を欲している場合でも、脳の神経回路がうまく働かないことが原因で、高齢者が水分を取らないようになります。
また、満腹感を感じやすくなる点も高齢者が水分を取らない理由です。
加齢によって胃の容量が小さくなったり、消化機能が低下したりすると、すぐに満腹になってしまいます。
満腹の状態で水分を摂取する気にはなれないことが理由で、水分を取らない可能性も考えられます。
また、高齢者がご飯を食べない理由が気になる方は、以下の記事も参考にしてください。
服用薬の影響
高齢者が水分を取らない理由の2つ目は、服用薬による影響です。
高齢者は高血圧や心臓病などに罹患しやすく、利尿薬を服用しているケースが多いです。
利尿薬は、尿の排泄を促す薬であるため、頻繁にトイレに行く必要が出てきます。
この利尿薬の作用が原因で、「失禁が心配だから水分摂取を控えよう」「夜にトイレのために起きるのが大変」のように考えて、水分を取らない高齢者も少なくありません。
持病の影響
高齢者が水分を取らない理由の3つ目は、持病による影響です。
高齢者は、糖尿病・心臓病・認知症などの病気を患っている可能性が高く、これらの疾患が原因で水分を取らないケースも少なくありません。
例えば、糖尿病の症状として、頻尿があります。
糖尿病になるとトイレに行く頻度が増加するため、トイレの回数を減らそうと考えて高齢者が水分を取らない場合も多いです。
特に外出先などの場合は、トイレを探す手間もかかるため、高齢者がより水分を取らなくなってしまうこともあります。
また、認知症が原因で記憶力が低下して、水分を取ること自体を忘れてしまう場合も少なくありません。
このように、高齢者の持病が水分を取らない理由につながっている可能性が高いため、気になる場合はかかりつけ医に相談することをおすすめします。
身体機能の低下
高齢者が水分を取らない理由の4つ目は、身体機能の低下です。
関節が痛んだり足腰が弱くなったりすると、キッチンや冷蔵庫まで水を取りに行くのが大変になります。
加齢による筋肉量の低下が原因で、水を取りに行けないという高齢者も多いため、手の届く範囲に飲料を置いておくのがおすすめです。
また、握力が低下した高齢者は、ペットボトルが開けられなくなるケースも多いです。
60～64歳の握力は「男性42.85kg・女性26.31kg」ですが、75～79歳になると「男性35.07kg・女性22.49kg」まで低下します。
ペットボトルだけに限らず、水筒の蓋を開けられないことが理由で高齢者が水分を取らない場合もあります。
高齢者に水分を取ってもらうためには、蓋のないものに変えるなどの工夫が必要です。
高齢者の習慣
高齢者が水分を取らない理由の5つ目は、習慣によるものです。
配偶者を亡くしたり、子供が独立したりすることで、一人暮らしをしている高齢者が多いです。
「自分だけだから適当で良い」という気持ちから、食事や水分摂取を怠りがちになり、結果的に日々の生活で水分を取らなくなってしまいます。
また、「水は喉が渇いてから飲めば十分」という考えが定着して、習慣になっている高齢者も多くいます。
しかし高齢者は喉の乾きを感じづらくなっているため、喉が渇いてからの水分摂取では間に合わず、脱水症状に陥る可能性も少なくありません。
そのほか、コーヒーや紅茶などカフェインが多い飲み物をよく飲む高齢者も、水分を取らないケースが多いです。
「コーヒーや紅茶で水分補給をしたから大丈夫」と考えているためです。
しかしコーヒーや紅茶は、カフェインによる利尿作用ですぐに排出されてしまうため、水分補給としてあまりおすすめできません。
高齢者が水分を取らないとどうなる？
「高齢者が水分を取らないとどうなるのか」と気になっている方も多いでしょう。
ここからは、高齢者が水分を取らないことで起こり得る問題点として、以下の4つを解説していきます。
- 便秘になる
- 腎機能が低下する
- 発汗機能が低下する
- 痰が絡みやすくなる
それぞれの問題点を詳しく解説していくので、高齢者が水分を取らないことに不安を感じている方は確認しておきましょう。
便秘になる
高齢者が水分を取らないと、便秘になる可能性が高まる点に注意が必要です。
腸に入ってきた食べ物は、水分を吸収されながら便になっていきます。
しかし、体内の水分量が少ないと、腸が必要以上に水分を吸収してしまい、便が硬くなり便秘になります。
また、便秘が持続することで食欲不振や腹痛が起きるケースも少なくありません。
上記の症状により、高齢者の食事や水分の摂取量がさらに減少して、便秘が悪化するという悪循環につながります。
高齢者の便秘の危険性については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
腎機能が低下する
高齢者が水分を取らないと、腎機能の低下につながる恐れがあります。
腎臓は、血液をろ過して、体内の老廃物を尿として排泄する働きを持っています。
しかし、体内の水分量が少ない場合は、十分な血液量が腎臓に送られません。
血液の水分量が減って、濃度が高くなると腎臓がろ過する際の負担が大きくなり、腎機能の低下につながります。
また、高齢者の腎機能はどんどん低下していき、80代になる頃には30代の半分くらいの腎機能になると言われています。
水分を取らないことで、より早く腎機能が低下してしまい、急性腎不全などに発展するリスクが高まるため、注意が必要です。
発汗機能が低下する
高齢者が水分を取らないと、発汗機能が低下する可能性があります。
体内に水分が不足していると、汗の材料がなくなるため、発汗量が減っていきます。
汗は、体温調節に必要な機能です。そのため、汗が出ないと高齢者は体温の調整ができなくなり、どんどん体温が上昇してしまいます。
特に夏などの暑い時期は、体温を調整できないことで熱中症につながるリスクもあります。
しっかりと汗をかいて体温調節するためにも、高齢者は水分を多めに取ることが大切です。
痰が絡みやすくなる
高齢者が水分を取らない場合、痰が絡みやすくなるリスクがあります。
通常は気道の表面が適度な水分で潤っており、細菌やほこりなどの異物を痰として排出しやすい状態になっています。
しかし、高齢者の体内に水分が少ない場合、痰の粘り気が増加して喉にへばりついてしまう可能性が高いです。
喉に粘り気の強い痰が付いた状態では、呼吸をしづらくなったり、肺炎に罹患しやすくなったりするリスクが高まります。
高齢者が水分を取らない理由を理解して適切に対処しよう
本記事では、高齢者が水分を取らない理由について詳しく解説しました。
生理的な要因・服用薬・持病・身体機能の低下・習慣など、さまざまな理由を紹介しました。
高齢者が水分を取らない状態が続いてしまうと、便秘・腎機能低下・発汗機能低下などの問題に発展するリスクが高まるため、早めに対策することが重要です。
高齢者が水分を取らない理由を把握して、適切な対応を取りましょう。
持病や服用薬が原因の可能性も高いため、かかりつけ医などにも相談してみることをおすすめします。
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