高齢者の暑がりの原因は？6つの原因と暑がりの問題点を紹介

「高齢者が暑がりな原因は？」

「冬でも高齢者が暑がりな理由が知りたい！」

「高齢者が暑さを感じないのはなぜ？」

上記のように、高齢者の暑がりについて疑問を抱いている方も多いでしょう。

高齢者は体温調節機能の変化や生活習慣、個人差などが原因で暑がりな可能性があります。

本記事では、高齢者が暑がりな原因6選を紹介していきます。

また、高齢者が暑がりであることの問題点も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

高齢者が暑がりな原因6選！暑さを感じないのはなぜ？

高齢者が暑がりな原因として、以下の6つが挙げられます。

• 体温調節機能の変化
• 体感温度の個人差
• 疾患や服用薬による影響
• 加齢による身体組成の変化
• 生活習慣による影響
• 冬から春などの季節の変わり目

それぞれの原因を詳しく解説していくので、高齢者が暑がりな理由が気になる方はぜひ参考にしてください。

体温調節機能の変化

高齢者が暑がりな原因の1つ目は、体温調節機能の変化です。

体温調節機能の変化には、さまざまな要因が絡んでいます。

例えば、汗腺の働きが低下すると、汗をかけなくなり、身体の温度を適切に下げられなくなります。

また、血管を拡張させて、身体の表面から熱を放出する能力が衰えることで熱がこもりやすくなってしまうことも、暑さを感じない原因の1つです。

さらに、脳の視床下部にある体温調節中枢という部分の働きが悪化すると、体温の変化への反応が遅れてしまいます。

上記のように、さまざまな理由によって、高齢者は暑がりになっているケースがあります。

体感温度の個人差

高齢者が暑がりな原因の2つ目は、体感温度の個人差によるものです。

同じ温度の室内でも、人によって感じる暑さに違いがあるため、暑さを感じる方もいれば、暑さを感じない高齢者もいます。

特に高齢者の場合、長年の生活環境や体質などが体感温度に影響を与えるため、体感温度の個人差による影響が大きいです。

例えば、幼いころから暑い地域で過ごしていた高齢者と、涼しい地域で過ごしてきた高齢者では、温度の感じ方が異なります。

また、皮膚にある感覚需要期の感度にも個人差があります。

そのため、わずかな温度変化に気付く暑がりな高齢者もいれば、温度変化に鈍感で暑さを感じない高齢者もいるのです。

疾患や服用薬による影響

高齢者が暑がりな原因の3つ目は、疾患や服用薬による影響です。

例えば、甲状腺機能亢進症を患っている高齢者の場合は、新陳代謝が活発になるため、体温が上がりやすくなります。

更年期障害が原因となるホットフラッシュでは、急に体温が上昇するため、高齢者が冬でも暑がりな原因の1つとなります。

疾患が原因で高齢者が暑がりになっている場合は、病院で医師などに相談してみることがおすすめです。

加齢による身体組成の変化

高齢者が暑がりな原因の4つ目は、加齢による身体組成の変化です。

年齢を重ねると筋肉量が減少して、体脂肪の割合が増加しやすいです。

体脂肪は、熱が伝わりづらいという性質を持っているため、断熱材としての役割を果たしています。

体脂肪が増えると、体内の熱が逃げづらくなり、結果として高齢者が暑がりになります。

さらに、加齢によって体内の水分量が減少していく点も、高齢者が暑がりな原因の1つです。

体内の水分量が減少すると、体温調節に必要な血液量や汗をかく量が減り、総合的な体温調節機能が低下します。

このように、高齢者に特徴的な身体組成の変化によって、暑がりになりやすいです。

参考：高齢者における栄養の特性と 課題、フレイルと栄養の関係

生活習慣による影響

高齢者が暑がりな原因の5つ目は、生活習慣による影響です。

高齢者は外出する機会が減少して、運動不足になっているケースも少なくありません。

運動不足の高齢者は、筋肉量が低下して血液循環の効率も悪くなるため、体温調節がうまくできなくなります。

また、暑いからといって、冷房の効いた部屋にばかりいると、外気温に合わせるための体温調節機能が衰えてしまいます。

しかし、高齢者は熱中症になるリスクが高いため、冷房の使用頻度などに注意しておくことも重要です。

そのほか、睡眠不足も高齢者が暑がりな原因の1つです。

高齢者は頻尿などが原因で、夜に目が覚めて睡眠時間が不足するケースも多くあります。

睡眠不足は、自律神経のバランスを崩す原因となり、体温調節機能を低下させてしまいます。

冬から春などの季節の変わり目

高齢者が暑がりな原因の6つ目は、季節の変わり目に順応できないことです。

高齢者に関わらず、若い方でも季節の変わり目に風邪をひく方も少なくありません。

高齢者は若い方に比べて、季節の変わり目に適応するまでに時間がかかるため、暑がりになる可能性が高いです。

冬の間は身体が寒さに対応するモードになっており、春になって気温が上昇しても、すぐには暑さに対応するモードに切り替わりません。

そのため、気温がそれほど高くない時期でも、高齢者が暑いと感じる可能性があります。

反対に暑い季節でも高齢者が寒がりなケースについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

高齢者が暑がりであることの問題点

高齢者が暑がりであることの問題点として、以下の4つが挙げられます。

• イライラしやすくなる
• 外出の頻度が減少する
• 喉が乾きやすくなる
• 睡眠の質が低下する

それぞれの問題点について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

イライラしやすくなる

高齢者が暑がりであることの問題点の1つ目は、イライラしやすくなることです。

暑さによる不快感によって、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンなどのバランスが崩れて不安定になります。

神経伝達物質の乱れによって、感情のコントロールが難しくなり、高齢者がイライラしてしまう原因につながります。

また、暑さで身体的ストレスが持続してしまうと、ストレスホルモンである「コルチゾール」が増加する点も問題です。

コルチゾールが増えると、不安や焦燥感が高まり、心理的不安につながります。

高齢者がイライラした状態では、家庭環境が悪くなる可能性も考えられるため、大きな問題の1つであると言えます。

暑さ以外に高齢者がイライラする原因については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

外出の頻度が減少する

高齢者が暑がりであることの問題点の2つ目は、外出の頻度が減少する点です。

「暑いから外に出たくない」と感じるのは、高齢者に限らず若い方も同様です。

しかし、高齢者は身体機能の低下などが原因で外出するまでの障害が多く、引きこもりがちになります。

特に暑い時期は、暑さが障壁になり、さらに外出頻度が減少してしまいます。

周囲の人との関わりも減ってしまい、孤独を感じる原因にもつながりかねません。

高齢者が暑がりであることが原因で、身体的にも精神的にも負担が増えるため、注意が必要です。

高齢者が外出しないとどうなるかについて、より詳しい内容が気になる方は、以下の記事もご覧ください。

喉が乾きやすくなる

高齢者が暑がりであることの問題点の3つ目は、喉が乾きやすくなる点です。

加齢によって口の中が乾きやすくなる高齢者ですが、暑さでさらに喉が乾きやすくなります。

汗をかいたり、暑さが原因で口呼吸になったりすると、喉の乾きが助長されます。

しかし、実際には水分量が減っていても、高齢者は喉の乾きを感じづらいため、気付かないケースも少なくありません。

口の中が乾いた状態が続くと、食べ物が喉を通りづらくなったり、細菌が増えやすくなったりします。

そのため、喉の乾きを感じる前に、早めの水分補給を心がけることがおすすめです。

水分を取らない理由は暑がり以外にもさまざまな原因が考えられるため、気になる方は以下の記事も参考にしてください。

睡眠の質が低下する

高齢者が暑がりであることの問題点の4つ目は、睡眠の質が低下することです。

年齢とともに眠りが浅くなりがちな高齢者ですが、暑さを感じるとさらに寝苦しくなり、夜中に何度も目が覚める原因になりかねません。

睡眠がしっかりと取れていないと、日中に疲れを感じたり、昼寝を長くとってしまったりする原因になります。

昼寝を長くとりすぎて、夜に眠れなくなるという悪循環に陥る可能性も少なくありません。

高齢者が寝てばかりいると、さまざまな問題に発展する可能性があります。

以下の記事では、高齢者が寝てばかりいることの問題点について紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

高齢者が暑がりな原因を知って対策しよう！

本記事では、高齢者が暑がりな原因を6つ紹介しました。

体温調節機能の変化・体感温度の個人差・身体組成の変化など、高齢者の暑がりにはさまざまな原因があります。

また、暑がりであることによってイライラしやすくなったり、外出の頻度が減ったりするなどの問題に発展する可能性がある点も理解しておく必要があります。

高齢者が暑がりな原因は、疾患や服用薬が原因のケースも多いため、気になる方はかかりつけ医などに相談してみることをおすすめします。