高齢者の買い物が難しいと感じたら?買い物のハードルを下げるポイントも解説

「親がだいぶ高齢になってきて買い物が大変そうで心配…」

「難しく感じないようにするにはどうしたらいい?」

高齢になると足腰が弱くなりがちで出かけるのが億劫になるため、上記のように悩んでいる方もいるでしょう。

高齢者の買い物が難しいと感じるのには、いくつかの原因があります。

この記事では、高齢者の買い物が難しいと感じる原因と、買い物が難しいと感じることで起こりうるリスクを解説します。

高齢者の買い物のハードルを下げるポイントも合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

高齢者の買い物を取り巻く現状

日本では世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、買い物に苦労する高齢者が増えている傾向にあります。

例えば、都市部に住む高齢者が徒歩圏内にスーパーがなく、日常品の購入が困難になるケースが報告されています。

また、地方では過疎化によって買い物の場所そのものが消滅しつつあるのです。

このように地方の人口減少や商店の閉鎖、公共交通サービスの縮小などの影響で、簡単に食料品や日用品を購入できない状況に陥っている人のことを、一般的に「買い物難民」と呼んでいます。

高齢者が買い物難民になっている原因

ここからは、高齢者が買い物難民になっている原因を、以下の項目に分けて紹介します。

  • 食品販売の業者が減少している
  • 買い物した荷物を運びづらい
  • 病気や怪我で外出が難しい

それぞれの原因が深掘りできるように、詳しくチェックしていきましょう。

食料品販売の業者が減少している

近年、食品販売業者が減少している傾向にあります。

郊外型の大型スーパーとの競争に押され、中小規模の店舗が次々と姿を消している現状が顕著です。

八百屋や魚屋、肉屋といった食料品専門店は、その数が大幅に減少しています。

こうした店舗を頼りにしていた高齢者にとっては、大きな打撃となるでしょう。

一方、大型スーパーも競争激化や採算の問題から経営の維持が難しくなる場合があり、地域で利益が見込めないと判断されると、突然撤退するケースも少なくありません。

その結果、買い物をする場所がなくなってしまう地域も存在しているのです。

参考:「食品アクセス問題」に関する 全国市町村アンケート調査結果

買い物した荷物を運びづらい

高齢者は、買い物した荷物を運びづらい傾向にあります。

少量の買い物を頻繁にすることが難しい場合、一度に多くの商品を購入する必要があるでしょう。

しかし、実際にはまとめ買いをしたくても、体力的な問題でできないことがあります。

高齢者の多くは筋力が衰えており、複数の買い物袋を運ぶのが難しい場合があるためです。

車の運転が可能な場合は重い荷物を運べますが、運転できなかったり免許証を返納したりしている場合は、買い物が困難になる傾向にあるでしょう。

病気やケガで外出が難しい

買い物難民になっている原因に、病気やケガによる外出の難しさもあります。

年齢を重ねるにつれ、脳卒中やパーキンソン病、認知症などのさまざまな病気を発症するリスクが高まります。

これらの病気によっては、車の運転が困難になったり、外出した際に帰り道が分からなくなったりする症状が現れるケースがあるため、注意が必要です。

また、転倒による骨折や、筋力の低下で足腰が弱くなることで、徒歩や自転車で近所の店舗に行くことさえ厳しくなる可能性があります。

高齢者の認知症については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

高齢者の買い物が難しいと起こりうるリスク

高齢者の買い物が難しいと、以下のようなリスクが引き起こされることがあります。

  • 買い物の途中で転倒・事故にあう恐れがある
  • 外出頻度が低下して生きがいを失いがちになる
  • 食事の質が落ちて低栄養化する恐れがある

それぞれのリスクを詳しく解説します。

買い物の途中で転倒・事故にあう恐れがある

高齢者は、転倒や事故のリスクが増える恐れがあります。

2023年に発生した交通死亡事故の中で、歩行中の事故が最も多いことが明らかになっています。

東京都内のデータでは、歩行中に発生した死亡事故を年代別に見ると、高齢者の歩行中の死亡率では、高齢者(60代~)になると55%に達しているのです。

高齢化の影響があるとはいえ、この割合の高さはやはり多く感じられるでしょう。

参考:歩行者の交通事故防止

さらに、交通事故だけでなく、転倒による骨折などのリスクも増加します。

店舗までの距離が遠くなるほど、こうした事故に巻き込まれる可能性も高まるといえるでしょう。

外出頻度が低下して生きがいを失いがちになる

外出頻度が低下すると、生きがいを失いがちになる傾向にあります。

高齢者と一緒に暮らしていたり、介護を経験したりした人なら理解しやすいですが、買い物は多くの高齢者にとって日々の楽しみのひとつです。

買い物に行けなくなることは、単に必要な食料を手に入れられなくなるという問題にとどまらず、精神的な健康にも大きな影響を及ぼします。

この点は見過ごしてはいけない重要な課題といえるでしょう。

高齢者の生きがいに関しては、以下の記事も参考にしてください。

食事の質が落ちて低栄養化する恐れがある

買い物が難しくなると、食事内容の多様性が乏しくなることで低栄養に陥りがちです。

低栄養のリスクは買い物環境だけが原因ではありませんが、特に一人暮らしの高齢者は食生活が偏りがちになる傾向があります。

食材を購入するところから調理に至るまでの作業には、多くの労力が伴います。

活動量が少ない高齢者にとって、バランスの取れた食生活を維持することは非常に難しい課題となっています。

以下の記事では、高齢者の栄養について解説しているので、ぜひご覧ください。

高齢者の買い物のハードルを下げるポイント

ここまで解説したとおり、高齢者は食品業者の減少や、高齢による体の不自由さによって買い物を億劫に感じることがあります。

そうならないためには、以下のような高齢者の買い物のハードルを下げるポイントを実践してみましょう。

  • 歩行用具を活用する
  • 買い物する時は天候に注意する
  • 買い物が難しいときは宅配サービスを利用する

それぞれのポイントを詳しく解説します。

歩行用具を活用する

高齢者の買い物に、歩行用具を活用することで、買い物に対してのハードルを下げることが可能です。

高齢者が使用する歩行用具は、その人の歩行能力に応じて選ぶ必要があります。

高齢者におすすめの歩行用具は、以下の3種類です。

  • 歩行者
  • シルバーカー 

杖にはさまざまな種類があり、伸縮機能で長さを調整できるものや、握力が弱い方でも扱いやすいクラッチタイプなどがあります。それぞれ異なる特徴を持つため、自分の運動機能や用途に合ったタイプを選ぶことが重要です。

歩行車は、体をしっかり支える構造が特徴で、歩行時の安定感をサポートする補助用具です。体重を歩行車に預けながら移動できるため、転倒のリスクが軽減できるでしょう。

シルバーカーは乳母車に似た形状をしており、「高齢者用手押し車」とも呼ばれます。自立歩行が可能な方に適しており、買い物時に荷物をカゴに入れて運べます。

さらに、疲れた際にはカゴ部分を椅子として利用し、休憩をとることも可能です。

以下の記事では歩行器について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

買い物するときは天候に注意する

高齢者が買い物をする際は、天候にも注意しましょう。

天候が悪い日には、地面が濡れて滑りやすくなり、杖や歩行補助具を使用している場合でも転倒のリスクが高まります。

また屋外だけでなく、買い物先の店内でも床が濡れていることがあり、室内だからといって安心はできません。

雨や雪の日、強風の日など、天候が悪い日は無理に外出せず、天気の良い日に買い物を済ませるようにしましょう。

買い物が難しいときは宅配サービスを利用する

最初のほうで解説したとおり、買い物に行けなくなると、精神的な健康にも大きな影響を及ぼします。

ただし、体調不良や悪天候にも関わらず無理をして外出すると、転倒や事故へのリスクが高まってしまいます。

「今回は買い物に行くのは危険…」と感じたら無理をせず、宅配サービスを利用するのもおすすめです。

近年、宅配弁当に加えて掃除用品や洗剤、キッチン用品やティッシュなどの生活用品の宅配サービスがあります。

宅配弁当について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

高齢者の買い物は無理のない範囲で続けよう

日本の高齢化が進む中、買い物が困難な高齢者が増加しています。

食品販売業者の減少や過疎化、交通手段の縮小により、買い物難民になっている傾向にあります。

さらに、高齢者自身の身体的な衰えや病気、ケガも買い物の障害となり、外出頻度の減少や食事内容の偏りが健康リスクを招く恐れがあるため、注意が必要です。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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