話が止まらない高齢者の原因は？対応方法や対応時の注意点を徹底解説！

「話が止まらない高齢者はどうやって対応するべき？」

「何が原因で高齢者の話が止まらなくなるの？」

話がずっと続いたり、何度も同じ話をしたりする高齢者に悩んでいる方も多いでしょう。

話が止まらない高齢者は、認知症・せん妄・自信のなさ・聴力の低下などが原因になっている場合があります。

本記事では、話が止まらない高齢者の原因や対応方法について詳しく解説していきます。

また、話が止まらない高齢者に対応する際の注意点も紹介しているので、良好な関係を築けるように活用してください。

話が止まらない高齢者は何が原因？

「話が止まらない高齢者は、なぜ喋り続けているのか」と気になっている方も多いでしょう。

話が止まらない高齢者の原因として、以下の4つが考えられます。

• 認知症
• せん妄
• 自分に自信がない
• 聴力の低下

それぞれの原因を詳しく解説していくので、参考にしてください。

認知症

話が止まらない高齢者は、認知症が原因の可能性が考えられます。

認知症の数多くある症状の中でも、記憶障害が起きている場合は、高齢者が何度も同じ話を繰り返してしまいます。

加齢による単なる物忘れとは異なり、認知症の記憶障害では、昔の記憶が残っているのにもかかわらず、直近の記憶が抜け落ちているケースが多いです。

認知症が原因で、一度話をした内容を忘れてしまうと、同じことを繰り返し発言するなど、高齢者の話が止まらなくなります。

せん妄

話が止まらない高齢者は、せん妄が原因になっているケースもあります。

せん妄は、一過性の意識障害で「薬物治療や身体への大きな負担によって発生する」と言われています。

思考力が低下してしまうため、意味の分からない話を喋り続ける症状が現れる場合もあります。

認知症のように段階的に進行するわけではなく、せん妄は急に症状が現れる点が特徴的です。

話が止まらない高齢者の原因がせん妄の場合は、医師や薬剤師などに相談してみるのがおすすめです。

せん妄は、原因となる薬物や身体への負担を取り除くことで改善できます。

自分に自信がない

話が止まらない高齢者は、自分に自信がないことが原因の場合もあります。

加齢により身体・認知機能が低下すると、一人でできることが少なくなり、自信を失ってしまう高齢者も少なくありません。

そのような状態になった高齢者は、「自分を認めてほしい」という承認欲求から、過去の成功体験や苦労した体験などを話し続けてしまう場合があります。

聴力の低下

話が止まらない高齢者は、聴力の低下が原因になっているケースも少なくありません。

聴力が低下した状態では、相手の声を聞き取れないため、うまく会話が成立しない場合があります。

また、相手の発言を聞き流して自分の話ばかりをしてしまうことで、高齢者の話が止まらないように見える場合があります。

大きめの声で話をしたり、耳に近い場所から声をかけてあげたりした場合に、会話が成り立っていれば聴力の低下が原因の可能性が高いです。

難聴の高齢者に対するコミュニケーションの取り方については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。

話が止まらない高齢者の対応方法

話が止まらない高齢者の対応方法として、以下の4つがあります。

• うまく話題を切り替える
• 同じ言葉を繰り返す
• 大きめにリアクションを取る
• 会話以外に興味を移らせる

それぞれの対応方法を実践しやすい使い方を交えつつ詳しく解説していくので、高齢者の話が止まらないことに悩んでいる方は参考にしてください。

うまく話題を切り替える

話が止まらない高齢者の対応方法1つ目は、うまく話題を切り替えることです。

突然話を切り替えてしまうと、高齢者の話を遮ったように見えてしまうため、自然に話題を変えることが重要です。

「そういえば」「〇〇さんの話で思い出したんだけど」などの発言を付け加えれば、違和感なく自然に話題を切り替えられます。

また、話が止まらない高齢者の対応をする際には、関連のある話に切り替えることも意識しましょう。

例えば、高齢者が昔の旅行の話をしていたら、「私は最近〇〇に行きました」と自分の話を挟むことで少し話題を転換できます。

少しずつ話題を切り替えていき、高齢者の関心を別の方向に変えていきましょう。

同じ言葉を繰り返す

話が止まらない高齢者の対応方法2つ目は、同じ言葉を繰り返すことです。

発言した内容をそのまま繰り返す「バックトラッキング（オウム返し）」をすることで、高齢者は自分の話を聞いてもらえていると感じます。

例えば、「昔は大阪に住んでいたんだ」と言われた場合に「大阪に住んでいたんですね」と繰り返します。

しかし、あまりにも同じ言葉を頻繁に繰り返していると不快感を与える可能性も否定できません。

そのような場合は、「若いころは仕事が忙しくて、毎日終電で帰っていたよ」と言われたら、少し要約して「毎日仕事が忙しかったんですね」と伝えるのもおすすめです。

大きめにリアクションを取る

話が止まらない高齢者の対応方法3つ目は、大きめにリアクションを取ることです。

自分の話を聞いてもらえているかを気にする高齢者は多くいます。

そのため、小さなリアクションを取っていると、「ちゃんと話を聞いてもらわないと」と思い、さらに高齢者の話が止まらなくなる可能性があります。

しっかり話を聞いているとアピールするためにも、表情や声のトーンに変化を加えたり、身振り手振りを組み合わせたりしてみましょう。

「えー！すごい！そんなことがあったんですね！」のように、感嘆詞を入れると、リアクションを大きく見せられるのでおすすめです。

話が止まらない高齢者が「満足できる反応をもらえた」と感じると、話を短くしてもらえる可能性も高まります。

会話以外に興味を移らせる

話が止まらない高齢者の対応方法4つ目は、会話以外に興味を移らせることです。

会話に集中してしまうと、高齢者の話が止まらなくなるため、他の物事に注意を向けさせるのがおすすめです。

例えば、「お茶を淹れるから一緒に飲みませんか？」と、別のことを提案する方法があります。

そのほか、テレビが好きな高齢者であれば「この前好きって言っていた番組が始まるよ！」と、趣味や好きなことに興味を移らせるのも効果的です。

また好きなことや趣味がなく、何もすることがないと悩んでいる場合は、以下の記事を参考にしてください。

話が止まらない高齢者に接する際の注意点

話が止まらない高齢者に接する際の注意点として、以下の3つがあります。

• 高齢者の話を否定しない
• 大きな声で話す
• 強制的に話を終わらせない

話が止まらない高齢者の対応方法を実践する前に、しっかりと確認しておきましょう。

それぞれの注意点を詳しく解説していくので、参考にしてください。

また、以下の記事では、高齢者のコミュニケーションについて詳しくまとめているので、良好な関係を築きたい方はチェックしておくのがおすすめです。

高齢者の話を否定しない

話が止まらない高齢者に接する際の注意点1つ目は、話を否定しないことです。

高齢者が同じ話を繰り返している場合でも、指摘をしたり否定をしたりしないのが重要です。

発言を否定されてしまうと、信頼関係を失ってしまったり、心を閉ざしてひきこもりがちになったりするリスクがあります。

しかし、毎回同じ話をされると、対応している方にストレスが溜まってしまう場合もあります。

ストレスを軽減するためにも、軽く相槌をしながら聞き流したり、他の話題に変えたりするのがおすすめです。

また、高齢者がひきこもりになる問題点や対策方法については、以下の記事で詳しく紹介しているので、気になる方は参考にしてください。

大きな声で話す

話が止まらない高齢者に接する際の注意点2つ目は、大きな声で話すことです。

加齢によって聴力が低下しており、小さな音や高い音が聞き取りづらくなっているケースも少なくありません。

発言が聞き取れないと会話が成り立たないため、高齢者が一方的に話し続ける原因になる恐れがあります。

少し声を大きめにして話すことで、しっかりと会話が成立して、高齢者に満足してもらいやすいです。

しかし、声が大きいだけでは怒鳴られているように感じてしまうリスクがあるため、ゆっくり優しい声掛けを心がけましょう。

また口の動きを大きくすれば、動きから発言を理解しやすくなるため、意識して口を動かしてみるのがおすすめです。

強制的に話を終わらせない

話が止まらない高齢者に接する際の注意点3つ目は、強制的に話を終わらせないことです。

同じ話をしたり、話が止まらなくなったりしていると、「もう終わりましょう」と強制的に終わらせたくなる場合もあるでしょう。

しかし、話を強制的に終わらせると、高齢者が不満や寂しさを感じてしまうリスクがあります。

不満や寂しさが溜まると、うまくコミュニケーションを取れなくなり、信頼関係を失う可能性があります。

反対に、自分の話をどうしても聞いてほしいと、わがままを言うようになることも考えられます。

高齢者のわがままについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

話が止まらない高齢者とうまく付き合っていこう

本記事では、話が止まらない高齢者の原因や対応方法について詳しく解説しました。

また、話が止まらない高齢者に対応する際の注意点も紹介したので、対応方法を実践する際の参考にしてください。

高齢者は、認知症・せん妄・自信のなさ・聴力の低下などが原因で、話が止まらなくなっている可能性があります。

しかし、否定的な発言をしたり、強制的に話を終わらせたりすると、信頼関係を壊してしまうリスクも否定できません。

一度壊れた信頼関係を再構築するのは難しいため、本記事で紹介した内容を参考にしながら、話が止まらない高齢者とうまく付き合っていきましょう。