高齢者がわがままを言うのはなぜ？理由や適切な対応方法を解説！

「高齢者のわがままが多くて困っている」

「高齢者のわがままの対応方法が知りたい！」

高齢者のわがままに関して、上記のような悩みを抱えている方も多いでしょう。

高齢者は、認知症のような病気や生活環境の変化などが原因でわがままを言っている可能性があります。

高齢者の気持ちを理解して、適切な対応を行うのが大切です。

本記事では、高齢者がわがままを言う理由や適切な対応方法を紹介します。

わがままが原因で起きる問題点や、わがままな高齢者に対して取るべきではない行動についても解説しているので、参考にしてください。

高齢者がわがままを言うのはなぜ？

高齢者がわがままを言うのは、以下のような理由が考えられます。

• 認知症などの病気や障害によるもの
• 高齢者の元々の性格によるもの
• 環境の変化による寂しさや不安によるもの

それぞれの理由を解説していくので、高齢者の気持ちを理解してあげる際の手助けにしてください。

認知症などの病気や障害によるもの

高齢者がわがままを言う場合、認知症などの病気または障害が原因になっている可能性があります。

認知症以外の病気としては、うつ病やパーキンソン病なども高齢者のわがままの原因です。

たとえば、認知症になると、記憶力の低下・問題解決能力の低下・感情コントロールができないなどの状態に陥る可能性があります。

認知症の高齢者は、自分一人で解決できる問題が少なくなるため、他人に頼る機会が増加しやすくなり、わがままも増えていきます。

また、感情のコントロールができない高齢者は、不安やストレスなどを感じやすいため、わがままになりがちです。

以下の記事では、認知症とうつの違いについて解説しているので、参考にしてください。

高齢者の元々の性格によるもの

高齢者がわがままな理由として、元々の性格が原因の場合もあります。

歳を重ねても性格は変わりづらいため、わがままな性格が残ったまま高齢者になるケースも少なくありません。

具体的には、自己主張が強い性格であったり、完璧主義であったりする場合は、高齢者のわがままの原因になりやすいです。

完璧主義の高齢者は、細かい部分まで気になってしまう方が多く、少しの意見の相違を受け入れられないため、わがままに感じられる場合もあります。

また、高齢者は長年の間、自立して生活してきたという方も多く、他人に頼りたくないと考えている可能性もあります。

自分の考えを強く持っており、他人の意見を聞き入れないケースも多いです。

このような行動は、高齢者自身の考えを押し通そうとしているようにも見受けられるため、わがままと感じる原因の1つです。

環境の変化による寂しさや不安によるもの

高齢者のわがままは、環境の変化による寂しさや不安が原因の可能性も考えられます。

歳を経るごとに、環境が変化する機会が増えがちです。

例えば、パートナーが亡くなった・介護のために居住環境が変わった・子供が自立して同居人がいなくなったなどがあります。

ただ高齢者の性格がわがままだという訳ではなく、居住環境・人間関係などさまざまな要因が絡み合っています。

また、高齢者が認知症ではない場合でも、記憶力や身体機能の低下でできない物事を隠すために自己防衛を目的としてわがままを言っているケースもあります。

可能な限り高齢者の背景を理解して、寄り添ってあげると改善がみられる場合もあるでしょう。

高齢者のわがままが原因で起きる問題点

高齢者のわがままなが原因で起きる問題点として、以下の2つがあります。

• 暴力や暴言などに発展する可能性がある
• 家族や介護者がうつになるリスクがある

わがままがエスカレートすると、周囲の人に悪影響を与えてしまう可能性もある点を理解しておきましょう。

それぞれの問題点を詳しく解説していきます。

暴力や暴言などに発展する可能性がある

高齢者のわがままを放置していると、暴力や暴言などの大きな問題に発展する可能性が考えられます。

高齢者のわがままは、本人に自覚がない場合が多くあります。

高齢者本人の意見が通らないという事実が受け入れられず、暴力や暴言で解決しようと考えてしまうケースも少なくありません。

特に、認知症の高齢者の方は、自分の感情を上手く調整できずに、思いのままに行動してしまう場合があります。

他人へ暴言や暴力を振るうと、事件になってしまう恐れもあるため、高齢者のわがままにしっかりと対処するのが大切です。

家族や介護者がうつになるリスクがある

高齢者のわがままによって、家族や介護者がうつになるリスクが高まる点にも気を付けておく必要があります。

高齢者の介護をする家族・介護者は、頻繁にわがままを言われると、肉体的にだけではなく、精神的にも負担が大きくなってしまいます。

例えば、高齢者のわがままに応じ続けていると、わがままがエスカレートしかねません。

また、高齢者のわがままをスルーする場合でも、精神的なストレスを感じてしまう方も多くいます。

このように家族や介護者の負担が大きくなれば、うつ病を発症するリスクも高まるため、高齢者のわがままに気を付ける必要があります。

さらに、家族や介護者がうつ病になると、高齢者への介護の質が低下する原因にもなるため、双方がデメリットを被るリスクも否定できません。

高齢者のわがままへの対応方法

高齢者のわがままによって、家族や介護者がうつ病になったり、暴言や暴力に発展したりする可能性があります。

これらの問題への発展を防ぐためにも、高齢者のわがままの対応方法として以下の3つを知っておくのが大切です。

• 高齢者の性格特性を理解する
• 信頼関係を築く
• わがままの理由を聞いてあげる

それぞれの対応方法を詳しく解説していくので、高齢者のわがままに困っている方は参考にしてください。

高齢者の性格特性を理解する

高齢者の性格や特性を理解すれば、気持ちを落ち着かせた状態でわがままに対応できます。

例えば、認知症などの病気や育ってきた環境がわがままの原因であるとわかっていれば、高齢者の背景を理解して適切な対応をすることができるようになるでしょう。

高齢者の行動を見て、認知症かもしれないと感じた場合は、優しく接してあげるのが大切です。

高齢者の認知症を早期発見するポイントについては、以下の記事で解説しているので参考にしてください。

信頼関係を築く

高齢者のわがままが改善できない場合は、信頼関係が構築できていない可能性が考えられます。

高齢者としっかりとコミュニケーションを取り、信頼関係を築いていくことから始めるのがおすすめです。

具体的には、「傾聴」を意識して高齢者と関わる方法があります。

「またわがままを言っている」など、高齢者の話を適当にあしらってしまいがちですが、丁寧に話を聞くのが重要なポイントです。

信頼関係は、短期間で築けるものではないため、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。

わがままの理由を聞いてあげる

「高齢者のわがまま」と一括りにせずに、わがままを言う理由を訪ねてみる方法もおすすめです。

高齢者のわがままの理由には、不安や孤独感などが原因の場合もあります。

根本的な問題を解決すれば、高齢者のわがままを改善できる可能性もあります。

たとえば、「なんでそれをして欲しいの？」など、高齢者に優しく声をかけてあげるのがおすすめです。

話を聞いてくれる人だと認識してもらえれば、高齢者との信頼関係を築くきっかけにもなります。

高齢者のわがままをすべて否定するのではなく、理由を尋ねるのを意識してみましょう。

介護サービスを利用する

高齢者のわがままは、すぐに解決できる場合もあれば、改善までに時間がかかるケースもあります。

長期的に改善を試みる場合は、家族や介護者の負担が大きくなりがちです。

精神的な負担が大きくなり、うつ病になってしまうリスクもあるため、高齢者のわがままで疲れを感じている方は、介護サービスを利用するのもおすすめです。

デイサービス・ショートステイ・訪問介護・訪問看護などの利用を検討してみましょう。

高齢者を対象としたサービスを専門にしているため、ニーズに合わせた対応を受けられます。

そのため、高齢者もわがままを言わずに快適に過ごせます。

さらに、家族の負担を大幅に軽減できるので、介護サービスの利用を検討するのがおすすめです。

高齢者のわがままに対して取るべきではない行動

高齢者のわがままに対して取るべきではない行動として、以下の3つを紹介します。

• わがままを全て無視する
• 高齢者の全てのわがままに対応する
• 高齢者を怒鳴る

それぞれの行為によって、高齢者のわがままが悪化する場合もあるため、しっかり確認しておきましょう。

わがままを全て無視する

高齢者のわがままを全て無視してしまうと、信頼関係を失う恐れがあります。

一度失った信頼関係を取り戻すためには、かなりの時間がかかるため、注意しなければなりません。

無視をすれば、一時的に高齢者のわがままに対処できます。

しかし、無視をされたことにより、高齢者が孤独や不安を感じてしまいわがままが悪化する恐れもあります。

高齢者の全てのわがままに対応する

高齢者のわがままを全て無視すると、かえってエスカレートしてしまう恐れがあります。

かといって、高齢者の全てのわがままに対応してしまうのも避けるべきです。

「なんでも要求に応じてもらえる」と思ってしまうと、より大きなわがままに発展する可能性もあるためです。

高齢者のわがままに応え続けていると、家族や介護者への負担が増加する可能性があります。

高齢者がわがままを言う理由を聞いてあげてから、応じるか応じないかを判断してみましょう。

高齢者を怒鳴る

高齢者のわがままが頻繁に続いていると、家族や介護者にも負荷が大きいため、つい高齢者を怒鳴ってしまうケースもあるでしょう。

しかし、高齢者を怒鳴ると、恐怖やストレスによって心を閉ざしてしまう可能性もあります。

信頼関係の崩壊にもつながる恐れがあるため、高齢者を怒鳴るのは避けておきましょう。

どうしても怒鳴ってしまいそうになった場合は、一度高齢者の方と距離を置いて冷静になる方法がおすすめです。

高齢者のわがままに関するまとめ

本記事では、高齢者のわがままについて詳しく解説しました。

高齢者のわがままが発展すると、暴力や暴言、家族や介護者のうつ病などにつながるリスクがあります。

わがままを言う高齢者に対して、怒鳴ったり無視をしたりせず、少しずつ信頼関係を築いていくのがおすすめです。

また、高齢者がわがままを言う理由を知れば、丁寧な対応ができるようになる場合もあります。

本記事で紹介した内容を参考にしながら、高齢者のわがままと上手に付き合っていきましょう。