高齢者がおやつを食べ過ぎるとどうなる？対策や甘いものを好む理由も解説

「高齢者がおやつを食べ過ぎるとどうなるの？」

「高齢者が甘いものを好む理由は？」

上記のように、高齢者がおやつを食べ過ぎることに関して悩んでいる方も多いでしょう。

高齢者は味覚の衰え・栄養不足・認知症などが原因で甘いものを好む傾向があり、食べ過ぎると血糖値スパイクや生活習慣病、肌や口のトラブルを引き起こす可能性があります。

本記事では、高齢者がおやつを食べ過ぎた場合の問題点や対策方法について詳しく解説していきます。

また、高齢者が甘いものを好む理由も紹介しているので、参考にしてください。

高齢者がおやつなどの甘いものを好む理由は？

高齢者がおやつを食べ過ぎることに不安を抱いている方も多いでしょう。

高齢者がおやつなどの甘いものを好む理由として、以下の3つが考えられます。

• 味覚が衰えている
• 栄養が不足している
• 認知症の可能性がある

それぞれ詳しく解説していくので、高齢者が甘いものを好む理由が気になる方は参考にしてください。

味覚が衰えている

高齢者がおやつなどの甘いものを好む理由の1つ目として、味覚が衰えていることが挙げられます。

加齢に伴って、味を感じる細胞である「味蕾（みらい）」が減少していくため、高齢者は味を感じづらいです。

以前は十分に甘さを感じていた食べ物でも、物足りなくなってしまい、より甘いものを求めやすくなります。

また、唾液量の減少も味覚が衰えることに関係しています。特に高齢者は口が乾きやすくなっており、ドライマウスになると味覚障害を引き起こしかねません。

以下の記事では、高齢者の口の渇きを対策する方法について解説しているので、参考にしてください。

栄養が不足している

高齢者がおやつなどの甘いものを好む理由の2つ目として、栄養が不足していることが考えられます。

高齢者は一人暮らしをしている場合も多く、寂しさや孤食などが原因で食欲が低下していることも少なくありません。

また、寝てばかりいる高齢者も増加しており、日中の活動量の減少から、食欲がなくなり栄養不足に陥っているケースもあります。

栄養不足になると、すぐにエネルギーとして使える糖分を摂取するために、甘いものを食べる傾向が高まります。

栄養不足が原因と考えられる場合は、甘いもの以外から栄養を摂取するようにしてみましょう。

また、以下の記事では、高齢者がご飯を食べない理由や対策方法を紹介しているので、参考にしてください。

認知症の可能性がある

高齢者がおやつなどの甘いものを好む理由の3つ目は、認知症です。

国立長寿医療研究センターの情報によると、高齢者が甘いものを好むのは、前頭側頭葉型認知症の方に多い傾向があるとされています。

認知症によって前頭葉の機能が低下すると、自制心が弱まるため、高齢者がおやつなどを欲しがる傾向が高まります。

また、食事をしたかどうかに関する記憶が曖昧になり、何度もおやつを食べてしまうという高齢者も少なくありません。

高齢者が過剰におやつを欲しがる場合は、病院での受診を検討してみましょう。

以下の記事では、認知症を早期発見するポイントなどについて紹介しているので、気になる方はチェックしておくことをおすすめします。

高齢者がおやつを食べ過ぎるとどうなる？

「高齢者がおやつを食べ過ぎるとどうなるの？」と心配している方も多いでしょう。

高齢者がおやつを食べ過ぎることによる問題点として、以下の4つがあります。

• 血糖値スパイクが起きる
• 生活習慣病のリスクが高まる
• 肌や口のトラブルが増える
• 認知症のリスクが高まる

それぞれの問題点を詳しく解説していくので、高齢者が甘いものを食べ過ぎることに不安を感じている方は参考にしてください。

血糖値スパイクが起きる

おやつを食べ過ぎる高齢者の場合、血糖値の乱高下（血糖値スパイク）が起きる頻度が多いため、身体に負担がかかりやすいです。

血糖値の乱高下によって、以下のような症状が現れます。

• 眠気
• だるさ
• 頭痛
• イライラ
• 集中力の低下
• 疲れやすさ

このような症状によって、高齢者の活動量が減少してしまい、ひきこもりがちになるケースも少なくありません。

ひきこもり傾向のある高齢者は、さらに活動量が減って食欲がなくなるという悪循環に陥るリスクがあります。

健康を害する可能性が高まるため、おやつの食べ過ぎには注意しておきましょう。

また、高齢者がひきこもりがちになるのは、血糖値スパイク以外にもさまざまな原因があるので、気になる方は以下の記事もご覧ください。

生活習慣病のリスクが高まる

高齢者がおやつを食べ過ぎると、生活習慣病のリスクが高まります。

先ほど紹介した血糖値スパイクでは、インスリンを分泌する膵臓への負担が増加します。

膵臓の負担が大きくなり、インスリンが正常に分泌されなくなることにより、糖尿病になる高齢者も少なくありません。

また、おやつには糖分だけではなく、脂質が多く含まれている場合もあります。

糖分や脂質によって、血液がドロドロになると、動脈硬化を引き起こすリスクも増加します。

それぞれの生活習慣病が進行すると、メタボリックシンドロームに発展する可能性もあるため、おかしの食べ過ぎには注意しておきましょう。

肌や口のトラブルが増える

高齢者がおやつを食べ過ぎると、肌や口のトラブルが増える原因になります。

体内に過剰な糖分があると、タンパク質と結合してしまい、肌に悪影響を与えます。

これは、肌をきれいに保つコラーゲンに糖が結合し、弾力が失われて肌の老化が進んでしまうことが原因です。

また、口の中の細菌は、糖分をエサにしています。

そのため、おやつなどの甘いもので細菌が増殖して、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

特に高齢者は、入れ歯などを使用しているケースが多いため、食べかすが口の中に残りやすいです。

肌や口のトラブルは、高齢者のQOLを下げる要因になるため、おやつの食べ過ぎを改善する必要があります。

参考：老化原因「糖化」を抑える食品を探す | 研究コラム

認知症のリスクが高まる

高齢者がおやつを食べ過ぎると、認知症のリスクが高まる可能性があります。

実際に血糖値が高い糖尿病予備軍の方や糖尿病の方は、認知症になる可能性が高いという研究結果がいくつか報告されています。

認知症になると、前頭葉の機能が低下して、さらにおやつを食べ過ぎてしまう原因になりかねません。

悪循環に陥る前に、高齢者のおやつの食べ過ぎを対策しておくことが大切です。

参考：「認知症」になりにくい食生活について

高齢者がおやつを食べ過ぎる場合の対策方法

高齢者がおやつを食べ過ぎると、血糖値スパイクや生活習慣病、肌や口のトラブルが増加することを紹介しました。

これらの問題を避けるためにも、高齢者がおやつを食べ過ぎることを対策する必要があります。

高齢者がおやつなどの甘いものを食べ過ぎる場合の対策方法として、以下の4つがあります。

• おやつ以外でお腹を満たす
• 糖分を避ける
• 甘いものを食べ過ぎるリスクを理解する
• おやつの量や食べる日をあらかじめ決める

それぞれの対策方法を詳しく解説していくので、高齢者がおやつを食べ過ぎることに困っている方は参考にしてください。

おやつ以外でお腹を満たす

高齢者がおやつを食べ過ぎる場合の対策方法1つ目は、おやつ以外でお腹を満たすことです。

高齢者は空腹感が原因で、手軽に食べられるおやつなどの甘いものを食べやすくなります。

おやつ以外でお腹を満たしておけば、間食におやつなどを食べ過ぎるリスクを抑えられます。

例えば、食物繊維が多い野菜や海藻などを食べたり、タンパク質が多い食事を増やしたりするのがおすすめです。

食物繊維は、満腹感を得られるだけではなく、便秘の予防や血糖値の抑制などの効果が期待できます。

また、タンパク質は、満腹感を高める効果があるという研究結果が出ています。

普段の食事を少し工夫して、食物繊維やタンパク質を多く摂取するように心がけてみましょう。

参考：ＰＦＣ比の異なる食事摂取が空腹感に及ぼす影響

糖分を避ける

高齢者がおやつを食べ過ぎる場合の対策方法2つ目は、糖分を避けることです。

糖分を摂取すると、血糖値が上がり快感を得られます。

しかし、インスリンが分泌されて血糖値の低下で空腹を感じ、さらにおやつを食べて快感を求めるという悪循環に陥ります。

間食としておやつを食べていると、この悪循環が繰り返されるため、甘いものの食べ過ぎを抑えられません。

日常的におやつを食べる習慣を変えて、糖分を避ける生活に変えれば、血糖値の上下を抑えられます。

間食がなくなれば、血糖値が低下する回数を減らせるため、空腹によって糖分を求めることが少なくなります。

参考：そんなあなたは砂糖依存症……太るだけでなくさまざまな病気の原因に

甘いものを食べ過ぎるリスクを理解する

高齢者がおやつを食べ過ぎる場合の対策方法3つ目は、甘いものを食べ過ぎるリスクを理解することです。

本記事の「高齢者がおやつを食べ過ぎるとどうなる？」で解説したように、甘いものを頻繁に摂取することによるリスクは大きいです。

血糖値スパイクで疲れを感じたり、肌や口のトラブルが増加したりするなどのデメリットを、高齢者に理解してもらえば、糖分の摂取量を減らすように行動してもらえるかもしれません。

また、リスクを過剰に伝えてしまうと、高齢者がストレスを感じてしまう恐れがあります。

高齢者の気持ちを理解してあげながら、おやつを食べ過ぎるリスクを伝えてあげましょう。

以下の記事では、高齢者とのコミュニケーションについて詳しく解説しているので、甘いものを食べ過ぎるリスクを伝える際の参考にしてください。

おやつの量や食べる日をあらかじめ決める

高齢者がおやつを食べ過ぎる場合の対策方法4つ目は、おやつの量や食べる日をあらかじめ決めておくことです。

過剰な糖分の摂取は健康に害を与えますが、適切な量であればストレス解消やリラックス効果が得られるなどのメリットがあります。

また、いきなりおやつを避けると、大きなストレスを感じてしまう場合もあります。

その場合は、ダイエットなどで用いられるチートデイのように「この日は甘いものを食べて良い」と決めておけば、おやつを我慢できる可能性が高まります。

高齢者のおやつの食べ過ぎを対策して健康に過ごそう！

本記事では、高齢者のおやつの食べ過ぎについて詳しく解説しました。

高齢者は、味覚の衰えや栄養不足、認知症などが原因で甘いものを好む傾向があります。

また、おやつを食べ過ぎると、血糖値スパイクや生活習慣病、肌や口のトラブルなどを引き起こす可能性があるため、対策することが大切です。

本記事で紹介した内容を参考にしながら、高齢者のおやつの食べ過ぎを防ぎ、健康的な生活を送りましょう。