高齢者の安否確認に活躍する見守りポットとは?仕組みや料金を紹介

高齢者の安否確認に活躍する見守りポットとは?

1人暮らしの高齢者の安否を確認するために、家電で見守るサービス(見守り家電)が注目されています。
見守り家電のひとつに「ポット」があることを知ったけれど、仕組みや料金がわからない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、見守り家電サービスのひとつである「見守りポット」について解説します。

製品の特徴や料金、サービスに向いている人・向いていない人も紹介しますので、ぜひご一読ください。

目次

高齢者見守りに活用できる見守りポットとは?

見守りポットとは、ポットの使用状況から安否確認を行う見守りサービスです。

通信機能をもったポットを利用することで、電源投入や給湯といった使用をセンサーが検知し、結果をお知らせしてくれます。

見守りポットは、日常生活に溶け込み自然に見守り機能を果たせるため、1人暮らしの高齢者をさりげなく見守れることが特徴です。

高齢者見守りポットのメリット・デメリット

自然な形で見守れるのが人気のポットですが、サービスの利用にはメリットとデメリットがあります。

ここでは、高齢者見守りポットのメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

メリット

メリットは、以下の通りです。

  • 日常でさりげなく見守れる
  • 使用状況を通知で確認できる
  • ネット環境がなくても利用できる

見守りポットのメリットは、暮らしに寄り添いながらさりげなく見守れることです。
ポットを毎日使うだけで安否確認ができるため、高齢者本人の負担なく見守りが開始できます。

また、電源投入や給湯といった操作情報がメールで送信されるため、使用履歴も簡単に確認可能です。

さらには、ポットに通信機能が内蔵されており、Wi-Fiなどのネット環境もいりません。
回線の契約や工事も不要で、手軽にはじめられるのは利点です。

デメリット

デメリットは、以下の通りです。

  • 毎日使用しなければならない
  • 緊急事態には対応できない
  • サービスの費用が高い

見守りポットのデメリットは、ポットを日常的に使用しなければならないところです。
「使用されていない」といった状態に対して異常を判断するため、不定期に使用する場合はいつが異常なのかわかりにくいでしょう。

また、把握できる情報はポットの使用状況のみです。
異常に気づくのが遅く、緊急事態に対応することが難しい点にも注意する必要があります。

さらには、サービスを利用するのにコストがかかることもデメリットです。
サービスの利用には専用のポットが必要で、導入時のコストやサービスを継続するための費用が発生します。

ネット環境は不要ですが、管理部分で費用が高額になることは懸念点といえるでしょう。

象印の見守りポット「みまもりホットライン」とは

象印みまもりホットライン

見守りポットの代表製品を紹介します。

それは、象印の見守りポット「みまもりホットライン」です。

初期費用5,500円
月額費用3,300円

製品の特徴と料金について、以下で詳しく見ていきましょう。

特徴

「みまもりホットライン」は、電気ポットを使うだけで使用履歴から安否確認を行う見守りサービスです。

通信機能のついた象印の対象ポット(iポット)を使用することで、操作情報がメールで通知される仕組みになっています。

「電源投入」「給湯」「外出(お出かけ)」「未操作時間」「空だき」といった操作情報が確認でき、1日3回使用状況がメールで送信されます。
メール配信は好きなタイミングで呼び出しも可能です。

さらにホームページでは、使用状況をグラフで見ることもできます。
生活リズムが可視化されるため、細かな変化にも気づきやすいです。

また、ポット自身に通信機能が内蔵されているため、ネット環境がなくても問題ありません。
ポットがあればすぐに利用開始できるのは嬉しいポイントです。

料金

サービス料金は、以下の通りです。

  • 初期費用:5,500円(税込)※ポット1台につき
  • 月額費用:3,300円(税込)※ポット1台につき
  • その他利用料:メール受信料、ポームページ通信料

象印のホームページから「みまもりホットライン」を契約し、初期費用をオンラインで決済します。
決済が完了すると、象印より見守りポットが送られてきます。

見守りポットはレンタルですが、届く商品は新品です。
見守りポットが到着した時点からサービスの利用を開始できます。

なお、初月分の月額料金はかかりません。
無料期間(1か月)内に解約した場合は、ポット返却後に初期費用が返金されます。

ただし、無料期間終了後、6か月以内の解約には違約金が発生するため注意が必要です。
違約金は、(6か月ー料金支払月数)✕3,300円がかかります。

利用する場合は、無料期間中に継続を判断するとよいでしょう。

最近クラウド化している

みまもりほっとラインは2001年に運用をスタートさせた、高齢者の見守りサービスのパイオニアです。

このみまもりほっとラインが2023年に22年ぶりにリニューアルされました。

それがオンプレミスからクラウドへの移行です。

クラウド化で多機能化

みまもりほっとラインをクラウド化したことで、機能拡充が可能になりました。

今回のリニューアルによって、追加された機能は以下の通りです。

  • 空だき時の通知
  • 長時間操作なかった場合の通知
  • ポット本体の不具合のリアルタイム通知

このように遠方で暮らす高齢者の生活リズムとポットの状態の関連性が把握しやすくなりました。

その他にも任意の2つの日にちを指定して、グラフで変化を比較できます。
従来システムの場合、30分のリードタイムが必要でした。
しかしクラウド化したことで、ほぼリアルタイムでのデータ更新も可能になりました。

何か異変が起きていても、早期発見し対処できるわけです。

一括確認画面もフルリニューアル後に追加された機能の一つです。
1人の契約者が複数の電気ポットを登録し、使用状況を確認できます。

たとえば高齢者の単身世帯が主なマンションや自治会長などが一括で管理することも可能になりました。
クラウド化によって、デザインに変更が加えられたのも特徴の一つです。
従来はポットの底のところに小型の無線機が取り付けられる形状になっていました。

このため、ちょうど底上げされるようなデザインとなっていました。
ところがリニューアルによって、通信基盤を内蔵する構造に変わっています。
その結果底上げする必要がなくなって、従来よりもポットのコンパクト化に成功しました。
コンパクトサイズになったことで、高齢者にとってもより使い勝手がよくなったでしょう。

軽量化で持ち運びもしやすくなるので、ポットとしての利便性も高くなりました。

SORACOMを導入

みまもりほっとラインのリニューアルの特徴として、SORACOMを導入しました。

iポットとクラウドの間をつなぐためです。

みまもりほっとラインの場合、クラウドそのものはMicrosoftのパブリッククラウドである「Microsoft Azure」を利用しています。
しかしSORACOMを導入することでクラウドへのデータ連携をバックアップできるようになりました。

またSORACOMはもともと、パブリッククラウドとの親和性の高さを有しています。
このこともSORACOMを導入する決定打の一つです。

技術的なサポートも手厚く、問題があればスピーディに対応してくれます。
SORACOMのサポートによって、みまもりほっとラインはより利便性が高くなると期待されています。
SORACOMの導入によって、セキュリティが担保できるのも特色の一つです。

またSORACOMではデータの暗号化にも対応しています。
開発のための期間を短縮するのもメリットの一つです。

また運用時のデータ通信量やデバイスにかかる負荷を軽減できます。
管理コストを大幅に圧縮できるのも、利用者にとっての大きなメリットです。

クラウド化によって、データを蓄積できるようになりました。
蓄積したデータを分析することで、ポットの機能そのものもアップデートできるようになりました。
より使い勝手のいいシステムに変身できる可能性は十分あります。

今後の展望について

そもそもみまもりほっとラインは、1996年に発生した事件が開発のきっかけでした。

高齢の母親が病気の息子を看病していたのですが、2人とも亡くなりました。

しかも発見されたのは亡くなってから1カ月経過した後で、日用品を活用して高齢者を見守るシステムの必要性が出てきたわけです。
開発当初はデータ通信やシステム運用のコストの大きいのがネックでした。

このため、データ収集して今後に生かしたくても現実的には困難でした。
しかし技術革新によって、クラウドやSORACOMのようなIoTプラットフォームをリーズナブルな価格で、運用できるようになりました。

そこでみまもりほっとラインも当初の目標に近づくために、リニューアルでクラウド化したわけです。
今回クラウド化を推進するにあたって、クラウドに関する理解が社内で進んでいないところもありました。

そこでプロジェクトメンバーは、「クラウドとは?」という基本中の基本から説明したといいます。
そしてクラウド導入することで、どのようなメリットがあるか話していき、社内の意識を改革しました。
コスト削減ができ、セキュリティに対する配慮も可能です。

さらにAIを活用することでシステムそのものが学習でき、アップデートされた最新のサービスを提供できます。
このような説明を繰り返したことで、社内でもみまもりほっとラインのクラウド化に対する期待は高まっているそうです。

今後もIoTを活用した見守りサービスの実現のために機能拡充する予定だといいます。
しかも必要に応じて自社内だけでなく、他社のサービスや連携も検討しているそうです。

他者のアイデアを取り入れることで、より利用者にとって使い勝手のいいサービスになることが期待されます。

ポットタイプの高齢者見守りサービスが向いてる人・向いていない人

ここまで、見守りポットの特徴や料金を紹介してきました。

ここでは、ポットタイプの高齢者見守りサービスが「向いている人」と「向いていない人」をそれぞれお伝えします。

向いている人

向いている人の特徴は、以下の通りです。

  • 日常的にポットを使用している
  • 見守りをすぐに開始したい
  • さりげなく親を見守りたい

高齢者本人が日頃からポットを使っているようであれば、サービスの利用に向いています。

毎日お茶を飲むなど、ポットを日常的に使う習慣があれば、使用履歴により生活リズムを把握できます。
未操作時間が長ければ、様子がおかしいと判断できるでしょう。

ポットを使用するだけなら見守られている感覚もありません。
親に負担をかけることなく、さりげなく見守ることが可能です。

また、通信機能が内蔵されているため、ネット環境もいりません。
工事など余計な手間をかけず、手軽に見守りをはじめたい人におすすめです。

向いていない人

向いていない人の特徴は、以下の通りです。

  • 日常的にポットを使用していない
  • 直接様子を確認したい
  • 費用負担を抑えたい

高齢者本人が普段ポットを使っていないようであれば、サービスの利用には向いていません。
使用頻度が不定期だと、急な変化に気づきにくかったり、生活リズムが把握しにくかったりとデメリットが多いです。

また、ポットの使用履歴でしか状況がわからないため、親の様子を直接見たい人にとっては物足りないでしょう。

さらに、レンタルの初期費用のほか、月額費用など、サービス継続にはコストがかかります。
ネット契約料や工事料金はかからないものの、月々の費用負担は決して少なくありません。

予算をなるべく抑えたいと考えている人は、別のサービスの検討をおすすめします。

ポット以外の高齢者見守り家電の種類

高齢者を見守る家電は、ポット以外にもいくつかタイプがあります。

ここでは、ポット以外の高齢者見守り家電を3つ紹介します。

  • 電球タイプ
  • 冷蔵庫ポットタイプ
  • テレビタイプ

それぞれ見ていきましょう。

電球タイプ

電球タイプは、電球スイッチのオン・オフで安否確認を行う見守り家電です。

点灯・消灯を検知し通知が届く仕組みとなっており、日頃使う灯りで様子の変化を見える化しています。

今ある電球を交換するだけで見守りを開始できるため、余計な費用や手間もかからず、手軽にはじめられるのが魅力です。

ハローライトは、Wi-Fiやコンセント、工事不要で、電球交換後からすぐにサービスを開始できます。

シンプルかつ安価に見守りを始めたい人におすすめのサービスです。

冷蔵庫タイプ

冷蔵庫タイプは、冷蔵庫の開閉で安否確認を行う見守り家電です。

冷蔵庫のドアの開閉をセンサーが検知し通知が届く仕組みで、日常生活を送りながら見守り機能を果たします。

本人あるいは宅食、介護サービスなど、日常的に冷蔵庫を利用している人におすすめのサービスです。

冷蔵庫タイプの高齢者見守りサービスについて詳しくは下記の記事をご覧ください。

テレビタイプ

テレビタイプは、テレビの利用状況を記録し安否確認を行う見守り家電です。

テレビの視聴状況を記録したり、人感センサーで活動状況を把握したりしながら高齢者を見守ります。

端末を設置することでサービスをはじめられるため、普段からテレビをよく見る人におすすめのサービスです。

スマートウォッチタイプ

スマートウォッチタイプとは、アップルウォッチなどをはじめとするスマートウォッチを活用した高齢者見守り家電です。

スマートウォッチの通話機能や位置情報機能、緊急通報機能を使って見守りや安否確認を行います。専用の見守りアプリをダウンロードすることも可能です。

見守りポットの費用が気になる人は電球タイプがおすすめ

ハローライト

ここまで、見守りポットやそのほかの見守り家電の種類を紹介しました。

見守りポットは、手軽にさりげなく見守りを開始できるのがメリットですが、費用が気になりサービスの導入を迷っている人もいるでしょう。

そんな人には「電球タイプ」のハローライトがおすすめです。

ハローライトは、初期費用は電球代のみ、月額費用をほとんどかけずにサービスを利用できます。

また、ポットと同様、通信機能が内蔵されており、ネット環境がないご家庭でも安心です。

さらに、ヤマト運輸と連携するサービス「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」を利用すれば、初期費用0円で見守りを開始できます。

利用料は月額1,078円(税込)で、ヤマト運輸スタッフによる電球の取り付けや訪問サービスがついてきます。
ポットのように、親の様子が直接確認できないといった心配もいりません。

費用を安く抑えつつ、安心できる見守りサービスを利用したい方は、ぜひハローライトをご検討ください。

まとめ

本記事では、見守り家電のひとつである「見守りポット」について解説しました。

見守りポットの導入を検討している方は、以下のポイントをおさえましょう。

ポットの使用頻度(日常的に使用するか)
導入コスト(初期費用や月額費用)
高齢者の生活状況(ポットの使用履歴のみで問題ないか)

使用状況や導入コストを考慮し、それぞれのご家庭にあった見守りサービスの導入をご検討ください。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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