独居老人の安否確認はどうする？見守りサービスや行政支援の活用法

独居老人がますます増えている日本において、「親が一人暮らしで、何かあった時心配」という方も少なくないと思います。

孤独老人の安否確認が重要なのはわかりますが、現実的に難しい側面もあるかと思います。

そこで本記事では独居老人が抱えるリスクから、安否確認の方法として見守りサービスや行政のサービスなどをご紹介していきますので、是非参考にしてみてください。

独居老人が抱えるリスクとは

独居老人とは一人で暮らす高齢者（65歳以上）の方を指します。

超高齢化社会を迎える日本では独居老人の割合が今後ますます増加すると予想されています。そこで、まずは独居老人が抱えている問題点やリスクについて解説したいと思います。

犯罪トラブルに巻き込まれやすい

一人暮らしの高齢者の場合、振り込め詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺の被害に遭うケースがよくみられます。空き巣や強盗などの侵入犯罪の危険も高く、訪問販売を巡るトラブルに巻き込まれる場合もありますので、注意が必要です。

突然の怪我や病気に対応できない

突然の怪我や突発的な疾患の発症が生じた際、周りに誰もいなくて対応ができないのも問題です。夏場であれば熱中症やヒートショックのリスクも高く、安否確認が十分にできていない状況であれば、孤独死に繋がってしまう可能性もあります。

認知症に気づくのが遅れる

認知症は早期の発見が重要とされますが、近くに家族がいない独居老人の場合は認知症に気づくのが遅れてしまう場合が多く、本人も気づかないうちにどんどん症状が深刻化してしまう恐れがあります。

健康管理が難しい

何らかの疾患に罹患する可能性が高い高齢者にとって、十分な健康管理を行うことが望ましいですが、一人暮らしとなると栄養バランスが偏ってしまう場合も多く、指摘する人が周りにいなければ必然的に病気になるリスクが高まってしまうと考えられます。

孤独死のリスクが常にある

孤独死のリスクがあることも念頭においておく必要があります。特に独居老人で、近所との交流や地域活動と接点のない方は孤独死に至ってしまう危険がより高く、日頃からの安否確認は重要と言えます。

見守りサービスについて

独居老人が抱えるリスクは様々あることから、安否確認をしっかりできるような体制を整えておく重要性がわかったと思います。

そこで、独居老人の安否確認の具体的な方法として、民間の「見守りサービス」をお勧めしたいと思います。

見守りサービスは警備会社や配食会社などが提供するサービスの一環で、独居老人の状況を日常的に確認できることができます。様々な見守りサービスが提供されていますが、主なものを簡単にご紹介します。

センサー型

体温や動きを感知するセンサーを家に設置することで、独居老人の安否を確認できます。

このセンサータイプの見守りサービスは主に実績ある警備会社等が提供しているため、安心して利用することができ、もしセンサーが異常を感知した場合は、警備会社のスタッフがすぐ現地に駆けつけるような体制が整っています。

カメラ型

屋内にカメラを設置すれば、独居老人の行動を日常的に確認することができます。

カメラは通話機能も有しており、安否の確認だけでなく簡単な会話も行うことができ、利用者に何かあれば迅速に対応することが可能です。

アプリ型

最近普及しつつあるのがアプリ型の見守りサービスです。センサー型やカメラ型と比べ、手軽に利用することができるのが利点です。利用者のスマホにアプリをダウンロードすることで、位置情報や日常の動きを毎日把握することができます。

IoT機器の活用

アプリよりももっとお手軽と言われているのが見守り家電をはじめとするIoT機器の活用した見守りサービスになります。

利用者が炊飯器、ポット、冷蔵庫、エアコンなどの日常の見守り家電製品を利用したタイミングで、家族に通知が届くシステムとなっており、利用者の安否確認には大変有用なサービスと言えます。

訪問型

郵便局員や配食会社のスタッフが訪問と同時に利用者の安否確認を行うサービスも実施されています。

配達スタッフが配達のついでに、利用者の生活の様子や健康状態を確認してくれ、異変があればすぐに対応してくれます。利用者にとっても人と実際にコミニュケーションを図ることができる点は利点と言えるでしょう。

行政サービスや支援制度の活用を検討する

民間が行う見守りサービスだけでなく、行政や自治体が行うようなサービスや支援制度もあります。

行政は高齢者の孤立を防ぐ対策を積極的に推進していますので、様々なサービスや助成金などの支援を受けることができるかもしれません。

地域包括支援センターを利用してみる

高齢者の生活相談のための総合窓口の一つが地域包括支援センターで、高齢者が抱える様々な問題に関して、相談をすることができます。

支援センターには看護師、保健師、社会福祉士といった専門家が多く在籍していますので、一人暮らしの独居老人が抱える特有の悩みについても解決の糸口を提示してくれると思います。

自治体独自のサービスもチェックする

自治体によって、独自の見守りサービスを実施しているので、チェックしてみることをお勧めします。

例えば、食料品の配達の際に、安否確認を行なってくれるサービスや、独居老人の日常生活を簡単に援助してくれるサービスなど、さまざまあります。上記の民間が実施する見守りサービスと連携する自治体もあるようで、助成金による支援を行なってくれる場合もあります。

安否確認のサービスを選ぶ上でのポイント

独居老人の安否確認をするのに、民間の見守りサービスや行政のサービスを活用することをお勧めしましたが、最後に様々ある見守りサービスの中からどれを選ぶべきなのか、そのポイントを簡単にご紹介します

本人の意向を尊重する

まずは利用者本人の意向を尊重しなければいけません。様々な見守りサービスを活用して安否確認を徹底したい気持ちがあっても、利用者本人がこれらの見守りにストレスを感じる場合もあります。利用者本人がどのような形であれば抵抗なく見守りサービスを受けることができるかしっかり話し合うことが重要です。

状況や目的に応じたサービスを見極める

カメラやセンサーによる24時間体制の見守りが本当に必要なのか、アプリや家電による通知で十分なのか、利用者の状況や費用も含めて総合的に考えた上で、サービスを選ぶようにしましょう。まずはお手軽なサービスからはじめて、その状況に応じて対応を変更してみるのもありです。

機械操作は単純なものにする

サービスによっては機械操作が少し複雑で、利用者が理解できていないままサービスを受けるのは好ましくありません。機械操作がある場合はシンプルでわかりやすいものを選ぶようにしましょう。

行政の相談窓口で相談してみる

色々検討してみたけど、やはりどのサービスが良いのかよくわからない場合は、上記で示したような自治体の支援センターに相談してみるのが良いです。専門家による的確なアドバイスを受けることができると思います。

まとめ

独居老人は犯罪トラブルや、病気の発症、孤独死といった様々なリスクを抱えており、独居老人の安否確認は非常に重要です。民間会社が行う見守りサービスの利用や、自治体が実施する相談支援なども積極的に活用してみることをお勧めしますが、まずは利用者本人の意向をしっかり確認した上で、目的や状況に応じた形でサービスを選ぶと良いです。