社会福祉協議会の見守り支援とは?3つの機能の詳細などを解説

社会福祉協議会 見守り支援

主に自治体ごと、地域にある社会福祉協議会は福祉に関する民間団体として、見守りに関しても重要な役目を担ってきています。

ここでは社会福祉協議会が行っている見守りについて解説し、認知症の可能性のある方を見つけた時の対処法について紹介しましょう。

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目次

社会福祉協議会の見守り相談とは

地域福祉の町づくりの推進を目的として作られている社会福祉協議会では、認知症の高齢者や障がい者など、ひとりで自由に動くのが困難な人を対象に、地域ごとに見守り相談や見守りシステムを導入しています。

社会福祉協議会が中心となり地域と連携することで、孤独死などの緊急事態を未然に防ぐ仕組みづくりを行っています。

社会福祉協議会の見守りのかなめとなる3つの機能

社会福祉協議会の見守り相談室は、普段から住民同士の支えあいやつながりを見つめながら、地域の見守りネットワークをきめ細かく実現することによって設置されており、3つの機能を軸に活動を行っています。

機能①地域の見守り活動に対してのの支援

まず、地域の見守り活動に対しての支援があります。これは地域に住んでいる見守り対象者を探し出し、本人の同意を得たうえで要援護者情報を地域と行政が把握します。

その情報をもとに日ごろの見守り活動、災害時の避難支援の準備に活用しています。なお、ちなみに支援が必要な要援護者は次の人たちです。

介護が必要な高齢者、1・2級の身体障がい者。知的障がい者A、1級の精神障がい者。3・4級の視覚障がい者・聴覚障がい者、3級の音声・言語機能障がい者、肢体不自由の障がい者、難病の方

機能②孤立世帯に対する専門的な対応

孤立世帯等への専門的対応は次の通りです。主に孤立して地域とのつながりを持っていない方や福祉サービスの利用も拒否する方に配する対応です。

これらの方々は孤立しリスクが高いと考えられており、具体的には見守り支援ネットワーカーが定期的に訪問し、ます。訪問したうえで適切な支援を行います。、これは自らSOSを発信しにくい要援護者の早期発見にもつながっている対応です。

機能③認知症や高齢者などの行方不明時の早期発見

認知症の高齢者(事前に登録している人)が行方不明になった時の対応です。不明になった方の特徴や氏名を地域の見守り協力者にメール配信し、探し出すように依頼します。

見守り協力者による行方不明者の早期発見、保護につなげる仕組みです。なお、メールでの協力依頼を行う際には警察への対応も行うようになっており、警察への行方不明届提出により警察とともに早期発見に努めます。

自治体独自の事業を行っている

社会福祉協議会の見守り相談は上記で紹介した基本となる3つの機能が基本です。

しかし、それとは別に自治体ごとの社会福祉協議会では独自の見守り事業を導入しているところがあります。

ここではふたつの事例をみていきましょう。

みまもり庵(出張見守り相談室)とは

みまもり庵とは地域で定期的に出張で行なう見守り相談室のことです。

出張をすることでより身近に見守りに関する相談を受けるようにしている取り組みです。特に年齢の制限はなく、ありません。気軽にお茶を飲みながら相談できるようになっているので、相談に抵抗があるような人も安心です。

相談内容によって、他の機関に関するものであれば、その機関期間の担当者との橋渡しも行っています。また認知力を維持できるかどうかを確かめられる日誌の配布を行ったり、筋力や体力の低下予防のための健康維持体操への取組も行ったりしています。

独居高齢者見守りサポーター事業

独居高齢者見守りサポーター事業とは、75歳以上の後期高齢者で介護サービスを利用していたい人を対象に、ひとり暮らし及び高齢世帯に対して、地域ボランティアによる見守り訪問を行っている事業です。

地域ボランティアとのつながりにより、高齢者と地域との間をつなぐ役目を担っており、孤立化を防止します。そして近所とのつながりの輪を広げていく事業です。

地域における要援護者の見守りネットワーク強化事業とは

障がい者や高齢者を対象とした要援護者名簿を作成したことで、従来なら地域でなかなか把握できなかった見守りが必要な人が把握できるようになりました。

名簿作成により日常や災害時に見守るためのネットワークを強化できたことで、地域でも見守り支援が必要とされる人々を知ることができます。

その結果、地域に潜在している課題への気づきにつながりました。

各社会福祉協議会でも問題が複雑、深刻、多様化する前にあらかじめ必要な支援を展開できます。

困っている高齢者・認知症を見かけた場合の対策

認知症の方が行方不明になる場合、社会福祉協議会が行っている見守り事業や警察による捜索を行っても見つかりにくい場合があり、そのまま不明になる、あるいは見つかっても非常に遠方で発見される場合があります。

そのため、あらかじめ地域の中で、見かけた人がもしかしたら「もしかしたら認知症の人?」と気づくことで不明者の早期発見につながります。具体的には次の6つのポイントを意識すれば可能です。

様子を見守る

もし認知症と思われる人を見かけたらいきなり接近してはいけません。

相手のほうが恐れてしまいます。ジロジロと何度も視線を送ることも避けましょう。

まずは一定以上の距離を保つようにしてください。そして様子をみます。

対応には余裕を持つ

認知症の可能性が高いと判断した時には近づいて声をかける必要がありますが、その前に注意したいのはとにかく余裕を持つことです。

こちらで焦りや困惑を感じてしまうと、無意識に相手にも伝わってしまい、動揺し警戒します。

まずは自然に出会ったような笑顔で応じるようにしましょう。

複数人ではなくひとりで声をかける

いよいよ、声をかけるときですがこのときも注意が必要です。

何人かと見守っていたとしても声をかけるのはひとりにしましょう。相手はひとりでいるので複数で応じるとそれだけで相手は怖がってしまいます。

何人かで見守っている時には、誰か代表して声をかけ、そのほかの人は一定の距離を置いて見守ります。

後から声をかけてはいけない

声をかけるときに注意したいのは後ろから唐突に声をかけてはいけません。

それは視界に入っていない時にいきなり声をかけるのは相手の恐怖心をあおるからです。あくまで一定の距離を保ちながら相手の視線に入る位置から声を掛けます。

はっきりとした口調で穏やかな声掛け

認知症の可能性があると思われる人は基本的に高齢者の方が多いのですが、どうしても耳が遠い場合があります。

そこで注意したいのははっきりとした言葉をゆっくりと話しかけることです。

早口で話しても相手に伝わりませんし、大声で話しかけると相手が怖がってしまいます。

相手の言い分には耳を傾ける

話しかけた後に相手が応じた時にはとりあえずゆっくりと耳を傾けるようにしましょう。

特に認知症の方は急かされることがると混乱してしまい苦手です。

また問いかけもひとつにしなければしないと、頭が混乱してうまく答えられません。話しかける質問はひとつに絞り、相手が言いたいことをゆっくりと聞きます。

そして相手が伝えたいことを聞き取る際、あいまいな場合があるのでいろいろと推測しながら確認してください。

社会福祉協議会の見守りのまとめ

地域にある社会福祉協議会では、高齢者や認知症の人などを対象に、見守りを行う仕組みが出来上がっています。

対象となる人の名簿を本人同意で作成することで、対象となる人が把握でき、見守ることでその人の孤立死を防ぎ、自力で対応できない人を見守ることで助け合っています。

また認知症の人が行方不明になった際になかなか見つからないことが多いので、困っている人で認知症の可能性のある人を見つけた時に、相手が恐れないような声掛けを理解しておくと不明者の発見につながります。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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