「元気な高齢者」の生活習慣6選｜健康維持しながら「もしも」に備える

「自分はまだまだ元気」
「この先も長生きするぞ」
と思っていても、年齢とともに体調の変化が起きることもありますよね。

健康を維持して楽しく過ごすためには、日々の習慣に加えて備えの視点も欠かせません。

実際に元気に過ごしている方々には、共通する生活習慣があります。

健康寿命を延ばすことは、本人だけでなく家族にとっても大きな安心につながるでしょう。

しかし、ただ健康に気を遣うだけでなく、元気なうちに「もしも」の備えも同時に考えることが、安心した老後を迎える秘訣といえます。

本記事では、元気な高齢者に共通する習慣や健康維持のコツ、そして安心して日々を過ごすための見守り体制の重要性についてご紹介します。

今元気だからこそ始められる習慣と備えを、生活に取り入れていきましょう。

元気な高齢者の生活習慣6選

実際に元気で過ごしている高齢者には、共通する習慣が以下の6つあります。

1. 前向き思考で笑顔で過ごす
2. 栄養バランスと適正体重を維持している
3. 無理なく運動を続けている
4. 趣味を楽しんでいる
5. 社会とのつながりを持っている
6. 健康診断を定期的に受けている

「実年齢よりもお若いですね」と言われる高齢者の生活習慣をそれぞれ紹介します。

1.前向き思考で笑顔で過ごす

元気な高齢者の一つ目の生活習慣は、「病は気から」という言葉があるように、前向き思考で毎日を笑顔で過ごすことです。

些細なことにも感謝し、物事の良い面に目を向ける習慣があります。

笑顔や笑いは、免疫細胞である「ナチュラルキラー細胞」を活性化させ、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があるといわれています。

日常の小さな楽しみや人との交流を大切にし、自然と笑顔になれる時間を持つことが、心と体の健康を支えているのです。

困難な状況でも過去の経験から「なんとかなる」と考える自信や柔軟性も、元気な高齢者の特徴といえるでしょう。

2.栄養バランスと適正体重を維持している

元気な高齢者は、栄養バランスの取れた食事と適正体重が維持されています。

野菜・たんぱく質・炭水化物をバランスよく摂る工夫をしており、適正体重を維持する人が多い傾向です。

バランスよく摂取するために、肉・魚・卵・豆類を毎食取り入れましょう。

3.無理なく運動を続けている

体に無理のない範囲での運動も、元気な高齢者でいるための秘訣です。

内閣府の調査によると、65～74歳で運動習慣がある人の割合は、男性38.0％・女性33.1％と報告されています。

また75歳以上では、男性46.9％・女性37.8％とさらに数字が伸びています。

無理のない運動として、階段を使う・一駅分歩く・家事を積極的に行うなど、日常生活の中で自然に体を動かす習慣が、長期的な健康維持に貢献するでしょう。

引用：内閣府「令和6年版高齢社会白書（全体版）　第1章　高齢化の状況（第2節 2）」

4.趣味を楽しんでいる

高齢者にとって趣味を持ち、楽しみがあることは、毎日を元気に過ごすコツです。

元気な高齢者は、ガーデニング・読書・手芸・楽器演奏・囲碁将棋など、自分に合った趣味を持っています。

趣味を通じて仲間と関わることで、社会的なつながりや会話の機会が生まれ、脳の活性化や認知症予防にもつながります。

また新しいことを学ぶ刺激は、年齢を重ねても脳の働きを保つために重要です。

一人で楽しめたり、人と共有できたりする趣味があることが、元気な暮らしのカギです。

趣味があることで、退職後の生活にも目標や楽しみが生まれ、心の健康を維持できるでしょう。

5.社会とのつながりを持っている

元気な高齢者は、社会とのつながりも持ち合わせています。

特に「話し相手がいる」「地域で役割を持っている」といった人は、うつや認知症のリスクが低く、元気な生活を維持している傾向が強いです。

ボランティア活動や地域の清掃活動など、小さな社会参加でも十分な効果があります。

家族だけでなく、近所付き合いや趣味のグループなど、多様な人間関係を持つことが、精神的な安定につながるのです。

6.健康診断を定期的に受けている

「自分は元気だから大丈夫」と過信せず、定期的に健康診断を受けている人は、変化への対応力が高いです。

特定健診や自治体の無料検診などを活用し、体の変化に気づける習慣が高齢者の元気を支えています。

検診結果を受けて生活習慣を見直したり、医師と相談したりする積極的な姿勢は、健康維持には欠かせません。

定期的な検診は、病気の早期発見だけでなく、自分の健康状態を客観的に把握する機会にもなります。

数値の変化を記録し、生活習慣改善のモチベーションにつなげることが大切です。

健康寿命を延ばす生活習慣と工夫

元気な高齢者の共通点を踏まえ、具体的にどのような工夫をすれば健康寿命を延ばせるのでしょうか。

日々の生活で実践できる以下の方法を解説します。

• 低栄養と過栄養を防ぐ食事
• フレイル予防のための運動習慣
• 社会参加で「生きがい」を持つ

低栄養と過栄養を防ぐ食事

高齢者の食事では、「痩せすぎ」と「肥満」の両方がリスクとなります。

低栄養は免疫力低下や筋力低下を招き、一方で肥満は生活習慣病のリスクを高めます。

食が細くなった場合は、刻み食や栄養補助食品を活用し、少量でも効率的に栄養を摂る工夫をしましょう。

また見た目や雰囲気にもこだわり、「食事を楽しむ」ことを忘れない姿勢も、健康維持に大きく関わるでしょう。

一人で食事をする場合でも、器や盛り付けにこだわったり、季節の食材を取り入れたりする工夫が、食への関心を維持する秘訣です。

高齢者の食生活については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

フレイル予防のための運動習慣

フレイル（虚弱）とは、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します。

65歳以上の約10％がフレイル状態、予備群を含めると約40％とも言われており、早期発見・予防が非常に重要です。

適切な運動により、フレイルの進行を遅らせたり、健康な状態に戻したりすることに期待できます。

毎日できる軽い運動として、ウォーキング・ストレッチ・ラジオ体操・階段昇降などがあります。

また筋力トレーニングも重要で、ペットボトルを使った軽い負荷運動や、椅子を使ったスクワットなど、家庭でできる方法がおすすめです。

継続するコツは無理をせず楽しみながら行うことで、天候に左右されない室内でできる運動も覚えておくと良いでしょう。

フレイルの予防に関する詳しい内容は、以下の記事で解説しています。

社会参加で「生きがい」を持つ

高齢者は地域の活動やボランティアに参加することで、社会とのつながりを維持し、生きがいを感じられます。

会話や交流は脳の活性化につながり、定期的に話す相手がいることで、ストレス軽減や認知機能の維持が可能です。

地域のコミュニティやボランティア活動など、自分の興味や体力に合わせた活動に参加してみてください。

高齢者が生きがいを抱く重要性については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。

元気な今だからこそ「もしも」に備える

健康維持とともに重要なのが、「もしものとき」への備えです。

元気だからこそ冷静に準備できることがあります。

元気なうちに家族で話し合う

元気なうちに「もしも」のときに備え、今後について家族と話し合っておきましょう。

緊急連絡先・医療情報・かかりつけ医・常用薬の一覧など、家族で共有しておくべき情報があります。

エンディングノートの作成も、終活の第一歩として始めやすい備えです。

また自分の価値観や希望を家族に伝えておくことで、判断が困難になったときの家族の負担を軽減できます。

介護予防の視点を持つ

地域包括支援センターや自治体の介護予防教室など、利用できるサービスを把握しておくことが重要です。

介護について早めに相談することで、適切な支援を受けられます。

地域包括支援センターについて以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせて読んでみてください。

見守りアイテムで子どもとの安心できるつながりを持つ

緊急時に家族にすぐ連絡が取れる体制や自宅の見守り環境を整えることで、本人も家族も安心して過ごすことができます。

見守りセンサーや緊急通報システムなど、技術の進歩により高齢者の使いやすい商品も増えています。

日常生活の中で安否確認ができる仕組みは、プライバシーを守りながら安心感を得ることが可能です。

生活に取り入れやすい見守り機能付きの家電について、以下の記事で紹介しているので検討してみてください。

元気なうちに老後の備えをしておきましょう

元気な高齢者の多くは、健康寿命を延ばす習慣が身についています。

健康維持には、前向きな思考・バランスの取れた食事・適度な運動・社会とのつながりなどが大切です。

一方で元気な高齢者であっても、万が一に備えた見守りアイテムを取り入れることで、自立した生活を続けながら家族に安心を与えることができます。

元気なうちに将来に備えることは、未来の自分と家族のための思いやりになります。

健康習慣と備えの両方を大切にして、安心で充実した老後を迎えましょう。