高齢者は早口言葉でお口の機能と認知機能を向上|練習方法や口腔体操との組み合わせを解説

「なんだか親がしゃべりにくそうにしている…」
「早口言葉って、高齢者の健康維持につながるの?」

上記のように、高齢者の口腔機能の低下や、呂律が回っていないことについてお悩みではありませんか。

高齢者にとって早口言葉は、楽しみながら健康維持ができる方法です。

言葉遊びにとどまらず、口腔機能の向上や認知機能の維持など、さまざまな健康効果が期待できます。

本記事では、早口言葉が高齢者にもたらす5つのメリットや発声時の注意点について詳しく解説します。

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目次

高齢者が早口言葉を取り入れる5つのメリット

高齢者が早口言葉を行う際には、以下の5つのメリットが挙げられます。

  • 口腔機能の維持と誤嚥予防
  • 嚥下・発声筋トレーニング
  • 脳トレ効果
  • コミュニケーションと笑いによるQOL向上
  • 生活意欲を引き出す達成感

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

口腔機能の維持と誤嚥予防

高齢者が早口言葉を練習するメリットは、口腔機能の維持と誤嚥(ごえん)予防効果です。

高齢になると舌の筋力が低下し、食べ物を飲み込む際に誤嚥のリスクが高まります。

早口言葉を練習することで、舌や口の周りの筋肉が鍛えられ、食べ物を正しく飲み込む力が向上します。

特に「ラ行」や「タ行」を含む早口言葉は、舌先の動きが活発になり、誤嚥性肺炎の予防に効果的です。

毎日継続することで、食事中の安全性が高まり、家族の不安も軽減されるでしょう。

高齢者に起こりやすい誤嚥性肺炎については、以下の記事で詳しく解説しています。

嚥下・発声筋トレーニング

早口言葉は、高齢者の嚥下機能と発声に関わる筋肉を効率よく鍛えられる運動です。

声を出す際に必要な横隔膜・声帯・口輪筋などの筋肉が使われ、自然な筋力向上効果が得られます。

特に「パピプペポ」や「バビブベボ」のように唇を使う音は、口輪筋を強化して食べ物をこぼさないように鍛えられるのです。

また、大きな声で発声すると呼吸筋も鍛えられ、全身の健康維持にもつながります。

脳トレ効果

高齢者が早口言葉を使うと、認知機能の維持に重要な脳の活性化効果を発揮します。

複雑な音の組み合わせを素早く正確に発音するには、前頭前野での情報処理と側頭葉での言語理解が必要です。

脳が活発に働くことで、記憶力・集中力・判断力の向上に期待できます。

新しい早口言葉を覚える過程では記憶力が鍛えられ、「間違えずに言おう」と集中力も高まります。

認知症の予防や進行抑制にも効果があるとされ、脳の健康維持にもつながるのです。

高齢者におすすめの脳トレは、以下の記事で紹介しているので、あわせて挑戦してみてください。

コミュニケーションと笑いによるQOL向上

早口言葉は高齢者のコミュニケーションの機会を増やし、QOL(生活の質)を向上させる効果があります。

特に以下のような早口言葉のゲームは、間違いや失敗が笑いを生み、自然な会話のきっかけになります。

  • 早口じゃんけんリレー: じゃんけんに負けた人が早口言葉を言うゲームで、競争心と笑いを生み出す
  • タイムアタック&スコアカード: 時間を測って記録を残すことで、達成感と継続する意欲を高める
  • ことばカルタ対戦: 早口言葉をカルタ形式にして、反射神経と記憶力を同時に鍛える
  • オンライン早口言葉大会(Zoom活用): 離れた家族や友人と一緒に楽しめ、社会的つながりを維持できる

生活意欲を引き出す達成感

高齢者の早口言葉の習得は、大きな達成感をもたらし生活への意欲を高められます。

最初は難しく感じる早口言葉でも、練習を重ねることで徐々に上手く言えるようになるでしょう。

小さな成功体験は自己肯定感を高め、段階的にクリアしていけば「他のことにも挑戦してみよう」という前向きな気持ちを生み出します。

家族や介護スタッフから褒められると承認欲求も満たされ、自尊心も保てます。

【難易度・目的別】高齢者向け早口言葉

高齢者向けの早口言葉は、その人の能力に応じた難易度選びが大切です。

無理のないレベルから始めて、徐々に難しいものに挑戦すれば、継続的な効果に期待できます。

ここでは、初心者から上級者までの難易度と目的に分けて早口言葉を紹介します。

超かんたん3選

早口言葉初心者の高齢者に適した、短くて覚えやすい超簡単な早口言葉です。

  1. 「赤巻紙 青巻紙 黄巻紙」は、色の名前と「まきがみ」の組み合わせで親しみやすく、口の動きも覚えやすい
  2. 「生麦 生米 生卵」は日常的な食材の名前なので理解しやすく、「なま」の音の繰り返しで舌先の運動に効果的
  3. 「隣の客はよく柿食う客だ」は、「か行」の音を集中的に練習でき、舌の奥の筋肉を鍛えられる

5回程度繰り返すだけでも、お口の運動に効果が得られます。

音別トレーニング3選

特定の音に焦点を当てた早口言葉で、口腔機能の弱点を集中的に改善できます。

  1. 「パンダの赤ちゃんパンダ パパパンダにパパ似のパンダ」は、「パ行」の音を強化し、唇の筋肉を鍛える効果に期待できる。食べ物をこぼしやすい方に特におすすめ。
  2. 「ラッパを吹いてラッパッパ」は、「ラ行」の音で舌先の動きを活発にし、発音をはっきりさせる。
  3. 「新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー」は、「シャ行」と「サ行」の組み合わせで、舌と歯の協調運動を促進する。

激ムズチャレンジ3選

上級者向けの非常に難しい早口言葉で、高い集中力と正確な発音が求められます。

  1. 「東京特許許可局許可局長」は、「k音」の連続で舌の奥の筋肉を集中的に鍛え、構音機能の向上に効果的
  2. 「右耳にミニニキビ」は、短い文章ながら「n音」と「m音」の使い分けが難しく、鼻音の練習に最適
  3. 「竹藪(たけやぶ)に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた」は、長い文章で記憶力と持続的な集中力の向上

これらは無理をせず、正確性を重視して練習することが重要です。

安心して始めるための準備とウォーミングアップ

高齢者が早口言葉を安全に楽しむためには、適切な準備とウォーミングアップが必要です。

無理をせず段階的に進めることで、疲労や怪我を防ぎながら早口言葉の効果的な発声ができます。

ここでは早口言葉を始める前の準備として、声帯や舌を傷めないためのウォーミングアップ方法について詳しく説明します。

正しい方法で取り組むことで、長期間継続して健康効果を得られます。

正しい姿勢・呼吸・水分補給

早口言葉を効果的に行うためには、正しい姿勢と呼吸法、適切な水分補給が必要です。

練習前には必ずコップ一杯の水を飲み、喉を潤してから始めます。

乾燥した状態での発声は声帯を傷める原因となるため、練習中も適度な水分補給を心がけましょう。

姿勢は椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばして足裏全体を床につけます。

この姿勢により横隔膜が正しく働き、安定した発声ができるのです。

呼吸は鼻からゆっくりと吸い、口から細く長く吐く腹式呼吸を意識しましょう。

声帯や舌を傷めないウォーミングアップ

早口言葉の練習前には、声帯と舌の準備運動が欠かせません。

まず、首と肩を左右にゆっくり回して筋肉をほぐします。

次に、「あー」「えー」「いー」「おー」「うー」の母音を10秒ずつ低い声でゆっくり発声し、声帯を温めます。

舌の運動として、口を大きく開けて舌を前後左右に動かし、舌先で唇をなめるような動作を行います。

唇の運動では、「ぱぱぱ」「ばばば」「まままま」を軽く繰り返し、口輪筋をほぐします。

これらのウォーミングアップにより、怪我のリスクを大幅に減らすことができます。

無理なくステップアップする難易度設定

早口言葉の練習は、自分のペースで無理なく進めることが、長く続けるためのコツです。

最初は一番簡単な早口言葉をゆっくりと正確に発音することから始めましょう。

正確に言えるようになったら徐々にスピードを上げ、次のレベルに進みます。

1日の練習時間は10~15分程度にとどめ、疲れを感じたらすぐに休憩を取ってください。

週に2~3回の頻度で継続するのが理想的で、毎日行う必要はありません。

体調の悪い日や声の調子が悪い日は無理をせず、楽しく続けることを最優先に考えましょう。

成功体験を積み重ねることで、自信と意欲を維持できます。

口腔体操と組み合わせてさらに効果アップ

早口言葉の効果をより高めるためには、口腔体操との組み合わせが効果的です。

口腔機能の向上を目的とした体操と早口言葉を併用すれば、相乗効果に期待できます。

ここでは、高齢者に特に有効とされる3つの口腔体操の方法との相乗効果について解説します。

高齢者の健康維持に必要な口腔ケアは、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

パタカラ体操

「パタカラ体操」は、嚥下機能の向上に特化した口腔体操として広く知られています。

「パ・タ・カ・ラ」の4つの音を明瞭に発音すれば、以下の機能をバランスよく鍛えられます。

  • 「パ」は唇を閉じる力
  • 「タ」は舌先を上あごにつける力
  • 「カ」は舌の奥を使う力
  • 「ラ」は舌全体の柔軟性

パタカラ体操で基礎的な口腔機能を整えてから早口言葉に取り組むことで、より効果的な練習が可能です。

あいうべ体操

「あいうべ体操」は、口の周りの筋肉全体を大きく動かす体操で、口腔機能の総合的な改善に効果があります。

  1. 「あー」で口を大きく開き
  2. 「いー」で口を横に広げ
  3. 「うー」で唇をとがらせ
  4. 「べー」で舌を下に向かって出します

1~4を10回繰り返し、これを1セットとして1日3回行います。

あいうべ体操により、表情筋・咀嚼筋・舌筋が総合的に鍛えられ、口の動きがスムーズになります。

あいうべ体操で口腔周囲筋の柔軟性を高めた後に早口言葉を行うことで、発音の明瞭さが向上し、より効果的な練習ができます。

唾液腺マッサージ

「唾液腺マッサージ」は、唾液の分泌を促進し、口の中を潤す効果がある重要な準備運動です。

両手の人差し指で、以下を優しく円を描くようにマッサージします。

  • 耳下腺(じかせん:耳の下)
  • 顎下腺(がっかせん:顎の下)
  • 舌下腺(ぜっかせん:舌の下)

上記3つの部位のマッサージで唾液の分泌が促進され、口の中が潤います。

唾液マッサージで十分に口の中を潤してから早口言葉の練習を行いましょう。

また唾液には、咀嚼や嚥下の補助や抗菌作用があり、口腔内の健康維持に役立ちます。

参考:一般社団法人 大阪府歯科医師会 「お口の動きを高める体操

高齢者は楽しく早口言葉を練習しよう

高齢者にとって早口言葉は、楽しみながら健康維持ができる方法の一つです。

早口言葉は、口腔機能を維持し誤嚥予防や、認知機能の向上まで幅広い健康効果に期待できます。

また家族や友人とコミュニケーションの機会が生まれると、日常生活の質を高められます。

高齢者が元気に長生きするために、早口言葉を生活にうまく取り入れましょう。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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