ペットロボットとの暮らしで高齢者の孤独を解消｜メリットや選び方を徹底解説

「高齢の親が一人暮らしで寂しそうだけど、生きたペットの世話は難しい…」
「高齢者の孤独感は、ペットロボットでも解消できる？」

ペットを飼うことで孤独を解決できる場合もありますが、毎日の世話や将来の心配から躊躇される方も多いでしょう。

そこで注目されているのが「ペットロボット」です。

本記事では、高齢者におすすめのペットロボットの理由やメリット・デメリット、選び方のポイントを徹底解説します。

最後まで読めば、あなたやご家族にぴったりのペットロボットを選べるようになりますよ。

またペットとの暮らしを望んでいる方は、以下の記事でメリットや注意点を紹介しているので、参考にしてください。

高齢者にペットロボットがおすすめな理由3選

高齢者がペットロボットを選ぶ理由はさまざまですが、特に重要視される以下の理由を3つ解説します。

• 生き物は毎日のお世話が大変
• 話し相手や癒し効果で孤独感を軽減
• 見守り機能で一人暮らしでも安心

生き物は毎日のお世話が大変

高齢になると、毎日のお世話が体力面で大きな負担となる可能性が高いです。

生き物を飼うと毎日の餌やり・トイレの世話・散歩などが欠かせません。

高齢者の具合が少し悪くても、「お世話を休む」という選択肢が選べなくなります。

また、生き物は「もし自分が他界したらどうなるのか？」と将来への不安も課題となりますが、ペットロボットであればその心配が不要です。

話し相手や癒し効果で孤独感を軽減

ペットロボットは高齢者の話し相手となり、癒し効果を与えて孤独感を軽減することも可能です。

総務省のデータによると、2020年の65歳以上の一人暮らし中の高齢者は、男性約 231 万人、女性約 441 万人にのぼるという結果でした。

多くの高齢者が「話し相手がいない」「寂しい」という悩みを抱えているのが現状です。

最新のペットロボットは、声に反応したり、なでると喜んだりと、まるで生きているかのような反応を示します。

会話機能を持つ製品であれば、簡単な対話も可能で、孤独感の軽減に役立ちます。

参考：総務省『一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査 結果報告書　第2 見守り活動をめぐる状況』

見守り機能で一人暮らしでも安心

ペットロボットには見守り機能が搭載されているものもあるので、高齢者の一人暮らしでも安心でしょう。

高齢者の一人暮らしで最も心配なのは、緊急時の対応です。

最近のペットロボットには、見守り機能が搭載された製品も増えています。

カメラやセンサーで高齢者の様子を遠隔で確認できたり、異常を検知して家族に通知したりする機能は、離れて暮らす家族にとって大きな安心につながるでしょう。

例えば、「毎日決まった時間に動きがない場合に通知」「転倒を検知して連絡」といった機能があれば、万が一の際も早期発見が可能です。

高齢者がペットロボットと暮らす3つのメリット

高齢者がペットロボットと暮らすことで、得られる3つのメリットを見ていきましょう。

• 高齢者は充電するだけでお世話の負担が少ない
• 感染症やアレルギーの心配がない
• 高齢者が急病を患ってもお世話の心配がない

ここから一つずつ解説します。

高齢者は充電するだけでお世話の負担が少ない

高齢者が行うペットロボットへのケアは充電だけで良いので、お世話の負担が少ない傾向にあります。

実際のペットは先述した通り、毎日のお世話が必要です。

犬の種類によっては、散歩が必要なケースもあります。

一方、ペットロボットは多くの製品が1回の充電で数時間から数日、動作可能です。

充電方法も簡単で、置くだけで充電できるため、高齢者への負担はほとんどありません。

感染症やアレルギーの心配がない

高齢者は免疫機能が下がっている可能性があるため、ペットを飼うと感染症や新たなアレルギー発症のリスクが高まります。

一方でペットロボットなら、毛や唾液などのアレルゲンがなく、感染症のリスクもありません。

アレルギーを持つ高齢者や、免疫力が低下している方でも安心して触れ合うことができます。

高齢者が急病を患ってもお世話の心配がない

高齢者が急に入院することになった場合、誰がペットのお世話を担当するかが問題になります。

親族に頼むか、ペットホテルに預けるなどの対応しかありません。

ペットロボットなら電源を切っておけば問題ありませんし、長期間使わなくても劣化することはほとんどなく、退院後にすぐに再開できます。

高齢者がペットロボットと暮らす2つのデメリット

高齢者がペットロボットを迎える際、デメリットもあります。

ペットロボットならではの特徴は、以下の2点です。

• ペットロボットに愛着が湧きにくい
• 機械への苦手意識からペットロボットを使いこなせない

ペットロボットに愛着が湧きにくい

ペットロボットの技術が進歩しているとはいえ、本物のペットの温もりや自発的な愛情表現には及ばず、愛着が湧きにくいことがあります。

生き物ならではの魅力は、完全には再現されません。

特に以前ペットを飼った経験がある方は、比較をしてしまうでしょう。

ただし時間が経過すると、「愛着が湧いてきた」「名前を付けて話しかけるようになった」と、関係性は深まるようです。

機械への苦手意識からペットロボットを使いこなせない

機械の操作に不慣れな高齢者の場合、ペットロボットの操作にも不安を感じる傾向があります。

特に高機能な製品は、初期設定やアプリ連携などが必要なものもあります。

高齢者が使いこなせずに、ペットロボットとの暮らしを諦めない対策が必要です。

高齢者が選ぶべきペットロボットのポイント4選

高齢者向けのペットロボットを選ぶ際には、以下の4つのポイントを押さえましょう。

• 高齢者も扱える簡単な操作性
• バッテリーの持続性
• ペットロボットの重さや大きさ
• アフターサポートの充実

それぞれについて、解説します。

高齢者も扱える簡単な操作性

高齢者向けのペットロボットを選ぶ際、最も重要なのは操作性の高さです。

複雑なボタン操作や設定が必要な製品は、使いこなせない可能性があります。

「なでる」「話しかける」などの自然な動作で反応する製品や、大きなボタンがいくつか配置されている製品が理想的です。

また、取扱説明書が大きな文字で書かれていて理解しやすいか、音声ガイダンスがあるかなども確認しましょう。

バッテリーの持続性

ペットロボットを選ぶときは、バッテリーがどれだけ持続するかも考慮しましょう。

ペットロボットの使用には、充電が必須です。

バッテリーの持続時間が短いと頻繁な充電が必要になるため面倒になり放置してしまうかもしれません。

また充電を忘れないように、充電残量を音声でお知らせしてくれる製品もおすすめです。

家で過ごす時間が長い高齢者には、最低でも4〜6時間以上は持続するモデルを選ぶと良いでしょう。

ペットロボットの重さや大きさ

ペットロボットと一緒に過ごすうえで、重さや大きさも決め手になります。

ペットロボットを抱っこしたり移動させたりすることもあるので、重いと足腰への負担になってしまいます。

また、生活空間に合った大きさを選ぶことも大切です。

常に部屋にある状態なので、導線の妨げにならない大きさを選びましょう。

アフターサポートの充実

ペットロボットは機械である以上、故障の可能性はゼロではありません。

購入後のサポート体制が充実しているかどうかも大切なポイントです。

保証期間や修理対応、サポートセンターの使いやすさなどをチェックしておくと安心です。

大手メーカーの製品は一般的にサポートが充実していますが、輸入品や小規模メーカーの製品には注意が必要です。

電話一本で対応してくれるか、最低でも1年の保証期間があるかなど、万が一の時に充実したサポートが受けられる製品を選びましょう。

高齢者向けペットロボットのおすすめ3種類

高齢者向けのペットロボットは大きく分けて以下の3種類があります。

• 犬・猫型のペットロボット
• 会話ができるコミュニケーションロボット
• 見守り機能付きロボット

犬・猫型のペットロボット

最も一般的なのが、犬や猫の形をしたペットロボットです。

実際のペットに近い見た目と動きで、癒し効果が高いのが特徴です。

特別な操作がなくても「なでる」「話しかける」などで反応するものが多く、機械操作が苦手な高齢者でも扱いやすいでしょう。

また、価格帯も1万円前後で購入できる製品があり、ペットロボットの中でも購入のハードルが低いのも魅力です。

会話ができるコミュニケーションロボット

対話を中心としたコミュニケーションロボットも、高齢者の話し相手として人気です。

会話ができるロボットは、「おはよう」「今日の天気は？」といった基本的な会話から、「薬を飲む時間ですよ」などのリマインド機能までさまざまです。

最新の製品ではAI（人工知能）を搭載し、自然な会話や反応の多様性が向上しています。

高齢者にとってロボットとの会話は、認知機能の維持にも役立つとされています。

見守り機能付きロボット

高齢者の安否確認や緊急時対応に特化したロボットも増えています。

見守り機能付きロボットは、離れて暮らす家族にとっても安心です。

ただし、インターネット環境やスマートフォンが必要な場合が多いので、設置環境の確認が必要になります。

高齢者の生活に寄り添うペットロボットを上手に取り入れよう

ペットロボットは、高齢者の方の心の支えになるだけでなく、安否確認や認知機能の維持など、様々な面でサポートしてくれる存在です。

また手頃な価格帯の製品や、レンタルサービスも充実してきており、気軽に試せるようになってきました。

ペットロボットの選び方のポイントを押さえ、ご家族の状況に合った製品を選ぶことで、より豊かな生活へとつながります。

高齢者がいつまでも安心して楽しく暮らせるよう、工夫していきましょう。