高齢者の口腔ケアの必要性とは?ケアで得られる効果とポイントを解説

高齢者にとって、口腔ケアは健康維持や生活の質の向上に欠かせない大切なケアのひとつです。

加齢による口内環境の変化や口腔機能の低下は、虫歯や歯周病だけでなく、誤嚥性肺炎や認知症のリスクにもつながります。

この記事では、高齢者の口内の特徴を踏まえたうえで、口腔ケアの種類・目的・期待できる効果・実施するうえでの注意点までをわかりやすく解説します。

口腔ケアを通じて高齢者の毎日がより快適に過ごせるように、ぜひ参考にしてください。

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目次

口腔ケアとは

口腔ケアとは口内を清潔に保ち、虫歯や歯周病といった口腔内のトラブルを防ぐことで、全身の健康を守り高めていくためのケアを指します。

口の状態は体全体の健康と深く関係しており、歯周病菌が原因で脳梗塞・心筋梗塞・動脈硬化・誤嚥性肺炎といった疾患を引き起こす可能性もあるのです。

よって口腔ケアは単に口の中だけの問題にとどまらず、全身の健康維持にも直結する重要な取り組みであり、正しい知識を持って実践することが求められます。

高齢者の口内の特徴

こちらでは、高齢者の口内がどのような特徴をもっているのかを解説します。

特徴は以下のとおりです。

  • 歯や歯周組織が加齢により変化しやすい
  • 唾液の分泌量が減少し、舌や粘膜の状態に影響が出る
  • 歯肉が炎症を起こしやすくなる
  • 口腔内が細菌の繁殖に適した環境になりやすい
  • 入れ歯が合わなくなることがある

加齢によって歯や歯茎はすり減ったり退縮したりしやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

さらに、唾液の分泌が減ることで口の中が乾燥し、口臭や味覚障害の原因にもなります。

歯垢や歯石、入れ歯の刺激などで歯ぐきの炎症が起こりやすくなるのも特徴です。

また、お口の中は温度や湿度が細菌にとって好条件なため、ていねいなケアを怠ると細菌が繁殖しやすくなります。

入れ歯も時間の経過とともに合わなくなることがあり、放置すると食事や会話に支障をきたす可能性があります。

参考:高齢者のお口の健康|日本口腔保健協会

高齢者の口腔ケアの種類

高齢者の口腔ケアには大きく分けて、「機能的口腔ケア」と「器質的口腔ケア」の2つの種類があります。

それぞれ目的やアプローチが異なり、どちらも高齢者の健康を支えるうえで欠かせない役割を果たします。

ここからは、それぞれの口腔ケアの種類について詳しく見ていきましょう。

機能的口腔ケア

機能的口腔ケアとは口の動きや嚥下機能を保ち、回復させることを目的としたケアのことです。口腔マッサージや嚥下訓練などを通じて行われます。

口腔機能の衰えや障害によって生じる食事や会話のしづらさを和らげることができ、高齢者をはじめとする口の働きに課題を抱える方々の生活の質の向上が期待されます。

器質的口腔ケア

器質的口腔ケアとは、歯みがきやうがいによって歯・歯ぐき・舌などに付着した汚れや歯垢を取り除き、口内を清潔な状態に保つためのケアです。

このケアによって口腔内の細菌数を減らすことができるため、歯周病の進行や誤嚥性肺炎など、細菌が原因となる疾患の予防に効果があります。

さらに器質的口腔ケアを継続して行うことで、口臭の改善・咀嚼・摂食といった基本的な口の機能を整える助けにもなります。

高齢者の口腔ケアの目的

高齢者にとっての口腔ケアは、口の中の清掃だけでなく、全身の健康や日常生活の質にも大きく関わる重要なケアです。

具体的にどのような目的で口腔ケアを行うのか、3つの観点から詳しく見ていきましょう。

口内を清潔に保つ

口腔内を清潔に保つことは、歯周病などの細菌による病気を防ぐだけでなく、口臭の予防にも効果があります。

また、口の健康は全身の状態とも深く関係しており、心臓病や糖尿病、呼吸器系の疾患など、全身に影響を及ぼす病気とも関連しています。

このように、口腔内の衛生管理が不十分だと、さまざまな病気を引き起こす要因になりうるため、口の中を清潔に保つことはとても大切です。

口腔機能を向上・維持させる

口腔ケアを行うことで、話したり食べたりといった基本的な口の働きや舌の動きなどの機能を保ちながら、さらに高めることも可能です。

口腔機能がしっかり維持されることで、日々の食事がより楽しくなり、生活に彩りを与えることができます。

そして口内が清潔で快適な状態になることで、会話や人との交流をスムーズにし、人間関係にも良い影響をもたらします。

このように、口腔機能の維持や向上はQOL(生活の質)の改善にもつながり、充実した人生を長く楽しめることへとつながっていきます。

誤嚥性肺炎を予防する

口腔ケアを行うことで、口の中の細菌量が減少し、それにより細菌を含む唾液や食べ物が誤って肺に入り込むことで発症する誤嚥性肺炎を防ぐことが可能になります。

近年、誤嚥性肺炎による死亡者数は増加傾向にあり、深刻な問題となっています。

さらに、口腔内の細菌が引き金となって起こる脳梗塞や心筋梗塞といった、重大な疾患の予防にも効果が期待できるでしょう。

加齢そのものを止めることはできませんが、日々の口腔ケアによって、高齢者の健康リスクを減らし、死亡率の低下にもつながるとされているのです。

高齢者の口腔ケアによって期待できる効果

高齢者の口腔ケアには、健康面だけでなく日常生活にも多くのポジティブな影響があります。

ここからは、口腔ケアがもたらしてくれる効果を詳しく解説します。

虫歯や歯周病の予防

口腔ケアで虫歯や歯周病予防の効果が期待できます。

口腔ケアを行うと、口内の虫歯菌や歯周病菌を減らせるからです。

さらに、歯周病が引き起こす入れ歯の不安定さや、歯ぐきと入れ歯の隙間に食べ物が挟まるといった問題の改善も期待できます。

唾液分泌の促進

唾液分泌の促進も、口腔ケアで得られる効果の1つです。

唾液の分泌量は加齢や口内環境が不衛生であることにより減少します。

そこで口腔ケアをしっかりと行い口の中を清潔に保つことで、唾液の分泌を促進することが可能です。

唾液の分泌量が増加すると、唾液の自浄作用によって口腔内の細菌や食べ物の残りカスが除去され、結果的に口内を清潔に保つことができるようになります。

口臭の改善

口腔ケアで、口臭の改善効果も期待できます。

口臭は食べかすや歯垢の蓄積、また虫歯に存在する細菌によって引き起こされるため、注意が必要です。

これらの原因となる食べかすや歯垢は、口腔ケアによって唾液の分泌量が改善され、歯の衛生状態が整うと取り除くことができます。

味覚の改善

味覚の改善も、口腔ケアで期待できる効果の1つです。

口腔ケアを行うことで舌の汚れを取り除いたり、唾液の分泌が促進されたりします。

味覚は、唾液や水に溶けた物質に反応するため、舌に汚れが付着していると味を感じにくくなるのです。

味覚が改善されることで、食欲不振の解消や低栄養、脱水症状の予防につながり、結果としてQOL(生活の質)の向上が期待できるでしょう。

コミュニケーションの円滑化

口腔ケアでコミュニケーションの円滑化も期待できます。

口腔ケアを行うことで気になっていた口臭の改善や、口や舌を含む口腔機能の向上が期待でき、発音が良くなることがあります。

さらに口腔ケアによって口周りの筋肉がリラックスし、豊かな表情を作りやすくなるでしょう。

このような改善が相まって、コミュニケーションがより円滑に進むようになります。

以下の記事では高齢者のコミュニケーションについて詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてください。

認知症の予防

認知症の予防も口腔ケアを行うことで期待できる効果の1つです。

口腔ケアを行い口を動かす機能が向上すると、口を開け閉めしたり食べ物を咀嚼することによって脳に刺激が届きます。

この刺激が脳の記憶を担当する海馬の神経細胞の増加を促進するため、口腔ケアは認知症予防にも役立ちます。

高齢者の認知症について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

高齢者の口腔ケアを行う際の大切なポイント

高齢者の口腔ケアを行う際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。

これらのポイントに注意することで、ケアがより効果的で安全に行えるようになります。

以下では、高齢者の口腔ケアを行う際に留意すべき重要な点を紹介します。

できるだけ本人にケアしてもらう

高齢者が自分で口腔ケアを行えるように、周囲がサポートすることが重要です。

本人の能力を最大限に活かすことは、リハビリやモチベーションの向上に繋がります。

そのため、高齢者のプライドを尊重しながら、最終的な口腔内の確認を行うことが大切です。

口腔ケアを行う際は同意を得る

他の人が口腔ケアを行う際は、必ず事前に本人の同意を得ることが必要です。

口腔ケアは健康を維持・促進するために非常に重要ですが、高齢者の中には、家族であっても口の中を見られたり歯を磨かれることに抵抗を感じる方が少なくありません。

そのため、「これから口の中をケアします」「歯磨きをします」といった説明を行い、事前に本人の同意を得ることで、スムーズに口腔ケアを実施できます。

誤嚥しないように注意する

口腔ケアを行う際には誤嚥性肺炎を防ぐため、うがいや唾液の誤嚥に注意が必要です。

介助者は、高齢者の顎をしっかりと支えて傾けたり引いたりすることで、水や歯磨き剤を誤って飲み込まないように気を付けましょう。

さらに十分な休憩を取って定期的に水分補給を促すなど、誤嚥を防ぐための工夫も重要です。

まとめ

高齢者の口腔ケアは、口内を清潔に保つことで虫歯や歯周病を防ぎ、全身の健康を守る重要な役割を果たします。

口腔ケアには口腔内の細菌を減らす「器質的口腔ケア」と、口の動きや嚥下機能を維持する「機能的口腔ケア」があり、誤嚥性肺炎や認知症予防、口腔機能の向上が期待できます。

また、本人の能力を活かすサポートや、同意を得てケアを行うこと、誤嚥防止に注意を払いながらケアを進めることが大切です。

日々のていねいな口腔ケアの積み重ねが、高齢者の健やかな生活を支える大きな力となります。

口腔ケアを通じて、高齢者が安心して笑顔で過ごせる毎日を支えていきましょう。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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