高齢者が転倒しないための予防法を知りたい！転倒の原因と環境も解説

「高齢の親が歩くのがきつそうで転倒しないか心配」

「高齢者の転倒予防法を知りたい」

あなたのご家族が高齢になり、上記のように悩んでいませんか？

高齢者にとって転倒は骨折や寝たきりのリスクを高め、日常生活に大きな影響を及ぼします。

加齢による身体機能の低下や病気、運動不足に加え、生活環境も転倒の一因になるのです。

今回の記事では、高齢者による転倒の原因や予防法を紹介します。

転倒しやすい環境も合わせて解説するので、今回の記事を参考にして日々の工夫で転倒リスクを減らし、安全な暮らしを目指しましょう。

高齢者が転倒するとどうなる？

高齢者が転倒すると、骨折や頭部外傷などの大けがを負いやすく、それが原因で介護が必要になることもあります。

内閣府の「高齢社会白書（全体版）」によると、介護が必要になる主な原因のうち、骨折・転倒は全体の13.0%を占めています。

若い頃なら軽いけがで済む転倒も、高齢者では回復に時間がかかって体力や筋力が低下し、寝たきりになることも少なくありません。

またけがをしなくても、転倒への恐怖から活動が減り、心身の機能低下につながることもあります。

こうしたリスクを防ぐため、転倒予防の対策をしっかりと行うことが大切です。

高齢者が転倒する原因

高齢者が転倒しやすくなる背景には、さまざまな要因があります。

加齢による体の変化だけでなく、持病や薬の影響、日頃の生活習慣も関係しています。

ここでは高齢者が転倒する原因について、詳しく見ていきましょう。

加齢による身体機能や注意力の低下

加齢により身体機能や注意力が低下すると、転倒のリスクが高まります。

年齢を重ねると筋力や柔軟性が衰え、バランスを取ることが難しくなるのです。

また、視力や感覚が鈍くなることで注意力も低下し、危険を察知しにくくなります。

例えば本人はスムーズに歩いているつもりでも、実際には足が思うように動かず、つまずいてしまうことがあります。

さらに反射的な動作が遅れるため、転倒しそうになっても踏ん張ることができず、倒れてしまうかもしれません。

こうした状況では、焦りや緊張が生まれることで注意力が散ってしまい、ますます転倒しやすくなります。

そのため、日頃から筋力維持や動作の安定を意識することが大切です。

病気や薬の影響

病気や薬の影響によってふらつきや立ちくらみが起こり、転倒のリスクが高まります。

パーキンソン病や脳卒中などの病気は、歩行のバランスを崩しやすくし、転倒につながることがあります。

また、服薬している薬には副作用があり、ふらつきやめまいを引き起こすことがあるため、注意が必要です。

特に高齢者は複数の薬を服用していることが多く、飲み合わせによっては体調に影響を与えることもあります。

周囲の人も気を配り、必要に応じて医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

運動不足

運動不足になると筋力や関節の動きが衰え、転倒のリスクが高まります。

体を動かす機会が減ると運動機能や感覚機能が低下し、バランスを崩しやすくなるのです。

特に高齢者は、関節痛や麻痺などの影響で動く意欲を失いやすく、運動しない状態が続くと、さらに身体の機能が低下してしまいます。

関節の動きが鈍くなると、足が思うように動かずにつまずいたり、急な動作に対応できなくなったりします。

また、筋力が弱まることで歩行が不安定になるため、ちょっとした段差でも転倒するリスクが高まるかもしれません。

運動不足が続くと、ますます外出や体を動かすことが億劫になり、悪循環に陥ってしまいます。

高齢者が転倒しやすい環境

高齢者が転倒しやすいのは、体の衰えだけが原因ではなく身の回りの環境も大きく関係しています。

特に自宅や外出先には、思わぬ危険が潜んでいることもあります。

どのような場所で転倒しやすいのか、詳しく見ていきましょう。

自宅で転倒しやすい場所

自宅で転倒しやすい場所は、以下の4つです。

• リビング
• 玄関
• 階段
• 浴室

自宅には転倒のリスクが潜む場所が多くあります。

リビングでは、電気コードに足を引っかけたり、カーペットやこたつ布団につまずいたりすることがあります。床に置いた雑誌や新聞紙の上で足を滑らせることもあるため、注意が必要です。

玄関では、靴を履いたり脱いだりする際にバランスを崩しやすく、玄関マットで滑ったりつまずいたりすることもあります。さらに、上がりかまちなどの段差を踏み外す危険性も高いです。

そして階段や廊下では、床の素材が滑りやすいと転倒のリスクが高まります。特にスリッパを履いていると踏ん張りにくく、足元が暗いと段差が見えづらくなるため、注意が必要です。

浴室では濡れた床で足を滑らせたり、浴槽の出入り時にバランスを崩したりすることが多く、特に危険な場所の一つです。

日常生活の中でこうした危険を減らすために、転倒しやすい環境を見直して安全対策を講じることが大切です。

外出先で転倒しやすい場所

外出先でも店舗や道路、駐車場など転倒のリスクが多くあります。

店舗では、入り口の段差やマットにつまずいたり、雨の日に濡れた床ですべったりすることがあります。買い物中は商品に気を取られて足元に注意が向かないことが多いため、特に気をつけましょう。

また道路や駐車場では、溝やわずかな段差につまずいたり、足を踏み外すことがあります。雨の日にはマンホールのふたが滑りやすくなるので避けるようにしましょう。駐車場では車止めにつまずいて転倒することがあるため、足元に注意して移動することが大切です。

高齢者が転倒しないための予防法は？

高齢者が転倒を防ぐためには、以下のような日常生活での工夫が重要です。

• 転倒しにくい靴や杖を利用する
• 丈夫な骨を作れる食生活を送る
• 自宅を転倒しにくい環境に整える
• キレイな歩き方を心がける

それぞれの予防法を、詳しく解説します。

転倒しにくい靴や杖、歩行器を利用する

高齢者の転倒予防法の一つ目が、靴を転倒しにくいものに変えて杖を利用することです。

つま先が少し上がっている靴や、足にぴったり合うマジックテープ付きの靴を選ぶことで、転倒を防ぐ効果が期待できます。

また歩行を安定させるために、杖などの介護用品を使うのも効果的です。歩行をより安定させたい場合は、4本足で囲む歩行器も検討しましょう。

歩行器について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせて参考にしてください。

丈夫な骨が作れる食生活を送る

骨の強さを保つことは、転倒や骨折を防ぐために重要です。骨の強度が低下すると、骨が折れやすくなります。

特に骨粗しょう症になると、軽い衝撃でも骨折しやすくなり、転倒による大けがのリスクが高まります。

骨の健康を支えるために、カルシウムをしっかり摂取し、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

以下の記事では、高齢者が食事する際に気を付けたいことを解説しているので「安全な食事をさせたい！」とお悩みの方は、合わせて参考にしてください。

自宅を転倒しにくい環境に整える

転倒リスクを減らすために、安全で快適な生活環境を作りましょう。

床に物を置かない、電気コードを壁に沿わせるなど、転倒の原因になりやすいものを取り除くことが大切です。

また段差や滑りやすい床などの転倒しやすい場所は、住宅改修や介護リフォームを検討しましょう。

要介護認定を受けている場合、介護保険を使ってこれらの改修を行うことができます。

キレイな歩き方を心がける

きれいな歩き方をすることでつまずきや転倒を防ぎ、足の力も強くなります。

実際に歩く際は、以下を意識してください。

• 少し遠くを見て背筋を伸ばす
• 肘を軽く曲げて歩く
• かかとから地面に着いて足の指で強めに踏み切る

きれいな歩き方は見た目でも若々しく、健康的に見える効果があります。

まとめ

高齢者の転倒は骨折や頭部外傷を引き起こし、介護が必要になることがあります。

転倒の原因には加齢による身体機能の低下や病気・薬の影響・運動不足などが関係しています。

転倒を予防するためには、転倒しにくい靴や杖の使用、骨を強化する食生活や、転倒しにくい環境に整えることが大切です。

これらを実践することで転倒リスクを減らし、安全な生活を送れるでしょう。

さらに安全を確保するためには、見守りグッズをご検討ください。

見守りグッズを活用すれば、離れていても外出の状況を確認でき、いつでもそばにいるような安心感を得られます。

高齢者のご家族がきちんと暮らせているか不安な方は、心配を少しでも減らして安全と快適な生活を見守りましょう。