孤独死の遺体や現場のリアル｜発見時の対処法から予防法まで

「孤独死した遺体を発見した場合、どうすればいいの？」

「原状回復までの費用はどのくらい？誰が払う？」

「孤独死させない予防法が知りたい」

物件を持つ賃貸オーナーさんには、上記のように悩む方も多いのではないでしょうか。
高齢化が進み一人暮らしの方が増える中、できれば安心して物件を貸したいですよね？

そこで本記事では、孤独死を発見したときの対処法や予防法を紹介します。

賃貸の原状回復までの費用も紹介していますので、損したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。

孤独死現場のリアル｜遺体はどうなるのか

孤独死した遺体は、綺麗な状態を保ち続けるわけではありません。遺体がそのままの状態であると、少しずつ腐敗していきます。

ここでは、孤独死した遺体がどのような順番で腐敗が進むのかを確認していきましょう。

内部の腐敗

腐敗は、消化器系などの内部から進んでいきます。

腐敗は、通常死後1時間以内に細菌が増え始め、消化液により内臓を溶かしていきます。

生きている人間の体であれば、体に細菌が入っても免疫が働くため、腐敗することはありません。しかし、亡くなった方の体は免疫が働かないので、体の中の細菌が体の腐敗を始めていくのです。

腐敗は、気温や湿度によって進む度合いが変わってきます。特に夏場は、気温も湿度も高くなりがちなため、それだけ腐敗の進みも早くなります。

腐敗ガスや体液の漏出（悪臭の原因に）

次に腐敗ガスや体液の漏出です。

まず、腐敗ガスが体内部へ広がり、体全体が膨れ上がります。そして肉や皮を引き裂き、体液が漏出し始めます。

腐敗ガスと共に出た体液は、肛門や目鼻口、破けた箇所から漏れ出し、遺体が移動された後でも痕跡が分かるほどに。遺体が溶けるように無くなることから「体が溶ける」と表現されることもあります。

腐敗ガスは死臭と呼ばれ、一般的な生ゴミとは比べものにならないほど、強烈な臭いを発します。また、体液も腐敗ガス同様に強烈な臭いを発するため、このタイミングで遺体の発見になることが多いようです。

ウジ虫・ハエの大量発生

遺体から腐敗ガスや体液が出てくると、その匂いに引き寄せられて、ウジ虫やハエが大量発生します。

腐敗した肉や血をエサとしたハエは、大量の卵を産み、瞬く間に大量のウジ虫を発生させます。さらに、ウジ虫が大量の卵を産むため、遺体の肉や血が無くならない限り、増え続けることになるのです。

人間の肉や血をエサとしたハエやウジ虫は、病原体を取り込んでいる可能性があり、近隣住民にご迷惑をかける可能性があるため注意が必要です。

孤独死遺体を発見した時の対処法

孤独死遺体を発見することは、滅多にありません。

しかし、先ほど紹介したように孤独死された現場は、想像したよりもひどい状態になるため、できる限り早い対処が必要です。

ここでは、孤独死遺体を発見したときの対処法を紹介します。

まずは警察に連絡

まず、警察に連絡をしましょう。

警察は、亡くなった方の「死亡時刻」「死亡要因」「身元確認」を行わなければなりません。そのため、その間は絶対遺体に触れないようにしてください。

そして、警察が現場検証を行なった後に、遺族への連絡が行われます。連絡は、基本的に血縁関係が近い方から行われますので、賃貸オーナーは警察に情報提供を行いましょう。

ただし、遺体の状態によっては身元確認ができない場合もあります。その場合は、DNA鑑定で身元を確認することとなります。

特殊清掃業者に連絡

次に特殊清掃業者に連絡しましょう。

遺体が腐敗した場合、通常の清掃ではなく「特殊清掃」が必要です。

なぜなら、遺体が腐敗し腐敗ガスや体液が出ると、遺体を移動しても痕跡が分かるほどになっているからです。こういった場合、一般的な掃除では対応できません。

また、自ら行なうと感染症になってしまう可能性も出てきます。無理に清掃するのは控え、専用具や技術を持った特殊清掃業者に依頼するようにしましょう。

特殊清掃の費用は後述しますが、相続人がいれば相続人が払い、いない場合は賃貸オーナーが払うこととなります。

葬儀等の手配

最後に葬儀等の手配を行ないます。

腐敗が進んだ遺体は、衛生面でも悪い影響を与える可能性があるため、早く火葬を行う必要があります。そのため、遺族への連絡がつき次第、早急に行なうことが一般的です。

もし、遺体引受人がいない場合は、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」という法律に基づき、亡くなった場所の市町村が、火葬及び埋葬を行なうこととなっています。他の市町村でも行えますが、運ぶための費用がかかるため割高になります。

火葬及び埋葬の費用は、遺留品に含まれる金銭や遺留品を売却するなどして、捻出するのが一般的です。

孤独死現場の原状回復・特殊清掃費用相場

先ほど紹介したように、遺体が腐敗していた場合、孤独死現場の原状回復しなければならなくなるため、「特殊清掃」を依頼する必要があります。

特殊清掃は、通常の清掃と比べても費用が高いです。その費用は業者によって異なりますが、1R・1Kで30,000〜80,000円、1LDKで70,000〜200,000円ほど。2LDKや3LDKほどの大きさになると、120,000〜400,000円ほどが相場となっています。

ただし、上記費用は相場となっており、ゴミ屋敷清掃や遺品整理などが加わると、さらに費用がかさみます。

孤独死の予防・対策法

ここまで、遺体のその後や発見したときの対応、費用などを紹介してきましたが、「事前に防げれば…」と思う賃貸オーナーさんも多いはず。そこで、ここからは孤独死の予防・対策法を紹介します。

入居者と定期的なコミュニケーションをとる

まず、手軽に行えるのが入居者と定期的なコミュニケーションをとることです。

特に孤独死のリスクのある高齢者とのコミュニケーションや、入居者がいる物件への定期的な巡回などは行なうようにしましょう。

密にコミュニケーションを取る必要はりません。挨拶するだけでも効果はあります。日頃の挨拶を行なうだけでも「あの人最近見かけないな…」と孤独死防止に繋がります。

見守りサービスを利用する

孤独死の予防・対策法　見守りサービスを利用することもおすすめです。

見守りサービスとは、民間業者が行なう見守りサービスのことです。1人暮らしの高齢者の安否や健康状態の把握などを行なってくれます。

また、見守りサービスには以下のような種類があります。

上記のような種類があります。

高齢者によってニーズが変わってきますので、必要に応じて利用しましょう。

保険に加入する

保険への加入も孤独死対策の1つです。

孤独死対策の保険として「孤独死保険」があります。孤独死保険は、家賃の滞納や部屋の原状回復などを補償する保険です。最近では、こういった可能性をしないために、加入される方も増えてきています。

孤独死保険は2種類に分類されます。1つは「家主型」で、こちらは孤独死があった場合、大家さんが加入した保険で損失を補償するものです。もう一方は「入居者型」で、こちらは入居者が火災保険の特約として、死亡事故への補償を行なうものです。

孤独死保険は、加入者や保険会社によって補償内容が異なってくるので、よく検討してから加入しましょう。

電球型見守りサービスを活用した孤独死対策を紹介

見守りサービスには、電球型の見守りサービスもあります。

電球型見守りサービスでおすすめなのが「ハローライト（HelloLight）」です。

ハローライトには以下の特徴があります。

1日の間に点灯や消灯されない場合に、登録したメール（LINE）に通知が届きます。

また、法人や団体でも導入できるので、自治体で取り入れることも可能です。

実際に自治会で取り入れた方は、利用者のご家族や、自治会、民生委員3者が協力し、毎日メール確認を行ない対応されています。

離れて暮らすご家族にもしもの時に備えて取り入れてみるのは、いかがでしょうか？

まとめ

今回の記事では、孤独死の遺体のその後や遺体発見時の対処法、特殊清掃の費用、孤独死の予防や対策までを紹介しました。

孤独死を発見した場合、以下のような対処が必要です。

1. 警察に連絡
2. 特殊清掃業者に連絡
3. 葬儀等の手配

また、予防法には以下の方法がおすすめです。

必要に応じて簡単に設置できる電球型見守りサービスもおすすめです。

ぜひ、今回紹介した内容を参考に、予防、対処を行なってくださいね。