孤独死の原因は？高齢者の孤独死を防ぐための対策も解説

高齢化の進行にともない、一人暮らし高齢者の「孤独死」が増加し、社会問題になっています。
とくに親や親族が高齢で一人暮らしをしている場合、孤独死は避けたいと考える人も多いでしょう。

本記事では、孤独死の現状を踏まえつつ、孤独死が起きる原因、そして孤独死を防ぐための対策を解説します。

一人暮らし高齢者の孤独死に不安を感じている人は、ぜひご一読ください。

孤独死の現状

現代では高齢化が進行し、一人で暮らす高齢者人口も増加の一途をたどっています。
内閣府の調査によると、2020年では約700万人だった65歳以上の一人暮らし高齢者の人口は、2030年には約800万人、2040年には約900万人にのぼると予測されています。

参照：内閣府「令和3年版高齢社会白書」

また、東京都監察院医務院が公表しているデータによると、東京都23区で2020年に自宅で亡くなった高齢者の人数は、単身世帯の男性が2,702人、複数世帯の男性が1,146人、単身世帯の女性が1,505人、複数世帯の女性が958人となっています。

参照：東京都監察院医務院「年齢階級（5歳階級），性・世帯分類別異状死数（自宅死亡），東京都特別区，令和２年」

上記のデータから、今後も一人暮らしの高齢者は増加し続け、なかでも一人暮らし（単身世帯）の高齢者の死亡（孤独死）が増えていくことが予測できるでしょう。

こうした問題を解決するためには、孤独死の原因や特徴を理解し、孤独死を防ぐための対策を取ることが重要になります。

孤独死の原因

ここでは、孤独死につながる原因を、以下4つ紹介します。

• 生涯未婚率の上昇
• 人間関係の希薄化
• 経済的な困窮
• 健康状態の悪化

生涯未婚率の上昇

総務省の国勢調査によると、65歳以上の高齢者の未婚率は、2010年に男性11.8％、女性12.2％だったものが、2020年には男性33.5％、女性23.9％と上昇しております。

参照：総務省「平成２２年国勢調査　人口等基本集計結果　結果の概要」
参照：総務省「令和２年国勢調査　人口等基本集計結果　結果の概要」

未婚率が上昇すれば、一人で暮らす高齢者の割合も増加します。
そのため、未婚率の上昇は孤独死につながる原因といえるでしょう。

人間関係の希薄化

総務省の地域コミュニティに関する報告書によると、全国の市区町村における自治会等の加入率の平均割合は、2010年に78.0％だったものが、2020年には71.7％に減少しています。

また、内閣府が市区町村を対象に行ったアンケートでは、自治会の現在の課題として、59.2％が「近所付き合いの希薄化」を挙げています。

参照：総務省「地域コミュニティに関する研究会 報告書」

現代では、賃貸暮らしの増加やプライバシー保護の意識から、近所付き合いが減ってきています。
近所付き合いが希薄化すると、困ったときに頼れる人がいない可能性が高いです。
よって、人間関係の希薄化は、孤独死の増加につながる原因といえます。

経済的な困窮

東洋大学が発表した論文によると、高齢単身世帯の貧困率は23.1％となっています。
これは、一人暮らし高齢者の約4人に1人が経済的に困窮していると言い換えられます。

参照：東洋大学「高齢単身者の貧困率の計測とその社会経済的要因の分析」

健康的な食生活や老人ホームへの入居は、経済的な余裕があってこそ実現できるものです。
高齢であるほど病気やケガのリスクが高まることを考えると、経済的な困窮は孤独死につながりやすいといえそうです。

健康状態の悪化

持病がある、病気にかかりやすいなど、健康状態の悪化も孤独死につながりやすいといえます。

一人暮らしの場合、急に体調が悪化したときに対処が遅れる可能性が高いです。
家族や近隣の話し相手がいれば体調の変化に気づきやすいですが、関係が希薄していると相談ができず、病気やケガを放置してしまうケースも考えられます。

とくに高齢者は体力の衰えが顕著なため、健康状態に不安を抱える場合は注意が必要です。

孤独死になりやすい人の特徴

孤独死は、一人暮らし高齢者であれば誰でも起こりうるものですが、とくに以下のような特徴を持つ人は、孤独死のリスクが高いといえます。

• 一人暮らしである
• 未婚で配偶者や子どもがいない
• 家族や親族の付き合いが薄い
• 近所付き合いがない
• 経済的に困窮している
• 持病がある
• 健康管理が苦手である
• 男性である

孤独死につながる原因でも挙げた「未婚」「希薄な人間関係」「経済的な困窮」「健康状態の悪化」の項目にあてはまる人は注意が必要です。

また、上記に加え、男性であることも要因の1つとして挙げられます。
日本少額短期保険協会の調査レポートによると、孤独死する人の8割以上が男性というデータが出ています。

参照：日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第7回孤独死現状レポート」

親などの対象者が上記の特徴に該当する場合は、孤独死を防ぐためにも早めに対策を講じることが大切です。

孤独死を防ぐための対策

ここでは、孤独死を防ぐための対策を、以下5つ紹介します。

• 自治体のサービスを利用する
• 民間企業のサービスを利用する
• 親族がこまめに連絡する
• コミュニティに参加する
• 見守りツールを利用する

自治体のサービスを利用する

高齢化の進行にともない、各自治体においても一人暮らし高齢者に対する見守りサービスを行うところが増えてきました。

総務省の調査によると、各自治体で以下のような見守り活動が行われていることがわかります。

• 訪問による見守り
• デジタルツールによる見守り
• サロンを通じた見守り
• 電話・はがき等による見守り
• 民間事業者との連携による見守り
• 支援金等による見守り

参照：総務省「一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査」

自治体によるサービスは地域によってさまざまですので、住まいの自治体の窓口やホームページで確認しましょう。

自治体の見守りサービスについては、以下の記事で詳しく解説しています。

民間企業のサービスを利用する

自治体以外に、民間企業が提供する見守りサービスも孤独死対策には効果的です。
民間企業の高齢者見守りサービスには、以下のような種類があります。

種類	特徴
センサー（電球）タイプ	電球スイッチのオン・オフで安否確認を行う
センサー・カメラタイプ	自宅にカメラや人感センサーを設置して安否確認を行う
アプリタイプ	アプリを使って安否確認を行う
通報・駆けつけタイプ	緊急時に警備員が駆けつけて安否確認を行う
訪問・宅食タイプ	定期的な訪問や食事の提供時に安否確認を行う
介護タイプ	介護スタッフの定期訪問により安否確認を行う
電話タイプ	電話やメールのやり取りで安否確認を行う

民間企業のサービスは種類が豊富にありますので、孤独死対策の目的にあわせて選んでいきましょう。

民間企業の各サービスの特徴や比較については、以下の記事で詳しく解説しています。

親族がこまめに連絡する

孤独死の原因は、人間関係の希薄化が大きく影響しています。
親族がいる場合は、親族がこまめに連絡することで孤独死のリスクを減らすことが可能です。

直接訪問ができなくとも、電話やメールのやり取りだけでも構いません。
こまめに連絡を取ることで、ちょっとした変化に気づけ、万が一のときも早めに対応できるようになります。

自治体や民間のサービスも必要ですが、まずは親族を頼ることも大切です。

コミュニティに参加する

地域のボランティアや趣味のサロンといったコミュニティに参加することも、孤独死対策にはおすすめです。

同じ趣味をもつ仲間や話し相手が見つかれば、孤独感の解消につながります。
また、ボランティア活動を行えば、社会貢献や、やりがいを感じられるでしょう。

各地域には、さまざまなコミュニティがありますので、気になるものがあれば積極的に足を運んでみてください。

見守りツールを利用する

民間のサービスのなかには、自宅に設置するだけで簡単に見守りを始められるツールがあります。
家電やアプリといった身近なアイテムで安否確認が行えるため、手軽に孤独死を防ぐ対策をとりたいと考えている人は、見守りツールの利用がおすすめです。

なかでもおすすめのツールは、電球だけで見守りができるハローライトです。

ハローライトは、電球スイッチのオン・オフで安否確認を行うサービスで、今ある電球をひとつ交換するだけで孤独死対策をはじめられます。

また、ハローライトがヤマト運輸と連携するサービス「クロネコ見守りサービス　ハローライト訪問プラン」を利用すれば、月額1,078円（税込）でヤマト運輸スタッフによる電球の取り付けや訪問サービスがついてきます。

孤独死を防ぎたいけれど、何からはじめたら良いか悩んでいる人は、おすすめの見守りツール「ハローライト」の導入をご検討ください。

まとめ

本記事では、孤独死の原因や対策について解説しました。

孤独死につながるおもな原因は、以下の4つです。

• 生涯未婚率の上昇
• 人間関係の希薄化
• 経済的な困窮
• 健康状態の悪化

また、孤独死を防ぐための対策は、以下の方法があります。

• 自治体のサービスを利用する
• 民間企業のサービスを利用する
• 親族がこまめに連絡する
• コミュニティに参加する
• 見守りツールを利用する

社会の変化により、高齢者の一人暮らしや孤独死は増加し続けています。

孤独死を防ぐためにも、孤独死の原因を理解し、自治体や民間のサービス、周囲の協力を得ながら早めに対策していきましょう。