高齢者はシャワーだけで入浴を済ませても良い?メリットやデメリットも解説!

「高齢者はシャワーだけの入浴で問題ないの?」

「高齢者がシャワーだけで済ませるメリットやデメリットは?」

高齢者が浴槽に浸からず、シャワーだけの入浴をしていることに不安や疑問を感じている方も多いでしょう。

結論、高齢者はシャワーだけの入浴でも問題ありません。

本記事では、高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリットやデメリットを解説していきます。

シャワーだけで入浴する高齢者を気にかけている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリット5つ

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリットとして、以下の5つが挙げられます。

  • 労力がかからない
  • 心臓への負担が少ない
  • 立ちくらみや転倒のリスクを軽減できる
  • 浴槽で溺れるリスクを抑えられる
  • 水道代を節約できる

それぞれのメリットを詳しく解説していくので、高齢者がシャワーだけで入浴を済ませて良いのかと気になっている方は、参考にしてください。

また、お風呂に入りたくないという高齢者も多いため、入浴しないよりはシャワーだけでも浴びておくのがおすすめです。

高齢者がお風呂に入らないとどうなるのかと気になっている方は、以下の記事も参考にしてください。

労力がかからない

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリット1つ目は、労力がかからない点です。

浴槽に浸かる場合は、浴槽を跨いだり湯船に腰を下ろしたりする際に、しんどいと感じてしまう高齢者も少なくありません。

高齢者は身体機能が低下しているため、少しの動作でも疲労を感じてしまう可能性があります。

しかし、シャワーであれば、立ったり座ったりするなどの動作が不要になるため、労力をかけずに入浴が可能です。

また、お風呂のお湯を貯める手間が増えることで、入浴自体を面倒に感じてしまい、入浴を拒否されてしまう可能性が高まります。

高齢者が入浴を拒否するのは、労力以外にもさまざまな原因が考えられるため、詳細を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

心臓への負担が少ない

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリットの2つ目は、心臓への負担が少ない点です。

特に冬の季節は、脱衣所や浴室の気温が下がっている場合が多いため、浴槽のお湯との温度差が大きくなります。

熱いお湯に浸かった際の急な温度変化は、血圧や脈拍が上昇する原因となり、心臓に負担がかかりやすいです。

場合によっては、心臓発作につながるリスクもあるため、浴槽を使用する際には注意が必要です。

しかし、シャワーだけの入浴であれば、急激な温度変化が起こりづらいため、心臓への負担を軽減できます。

心疾患の既往歴などがある高齢者は、急激な温度変化を避けるために、シャワーを使用するのもおすすめです。

立ちくらみや転倒のリスクを軽減できる

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリットの3つ目は、立ちくらみや転倒のリスクを軽減できる点です。

シャワーを使わずに入浴する場合は、浴槽を跨ぐ必要があるため、転倒リスクが高まります。

お風呂の床は滑りやすくなっているため、滑り止め防止マットを敷いたり、手すりを付けたりするのがおすすめです。

また、浴槽で身体を温めた後に立ち上がるタイミングで、立ちくらみが起きる可能性が高いです。

これは、浴槽から立ち上がる際に、水圧で抑えられていた血管が拡張するため、一時的に血圧が低下することが原因とされています。

しかし、シャワーだけの入浴であれば、水圧の影響を受けないため、立ちくらみのリスクを軽減できます。

浴槽で溺れるリスクを抑えられる

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリットの4つ目は、浴槽で溺れるリスクを抑えられる点です。

高齢者が浴槽に入ると、血圧の変化・心臓への負担・転倒などのリスクが増加してしまうため、浴槽で溺れる可能性も高まります。

実際に厚生労働省の「家庭内における主な不慮の事故の種類別にみた年齢別死亡数・構成割合」によると、溺死や溺水による高齢者の死亡者数が多いことが分かっています。

65~79歳80歳以上
浴槽内での溺死及び溺水1,288人1,298人
浴槽への転落による溺死及び溺水35人34人

家庭内での不慮の事故による死亡者の総数は、65~79歳で4,047人、80歳以上で4,378人です。

この結果から、家庭内での死亡事故のうち、30%以上が浴槽が原因で起きていることが分かります。

高齢者にとって、浴槽は溺死や溺水のリスクが大きいため、シャワーだけでの入浴を検討してみるのもおすすめです。

水道代を節約できる

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるメリットの5つ目は、水道代を節約できる点です。

東京都水道局によると、シャワーを3分間流しっぱなしにした場合、約36リットルの水を消費します。

また、一般的な家庭用の浴槽の用量は、200~250リットル程とされています。

浴槽をいっぱいにするのに必要な水量は、シャワーの使用時間に換算すると、約17~21分間に相当します。

17~21分以内にシャワーだけで入浴できる高齢者であれば、水道代の節約につながるでしょう。

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるデメリット4つ

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるデメリットとして、以下の4つがあります。

  • 十分に身体が温まらない
  • 疲労回復の効果を得られない
  • リラックス効果が得られない
  • 身体の汚れを十分に落とせない

高齢者がシャワーだけを使用するメリットも多くありますが、デメリットもあるため、しっかりと確認しておきましょう。

それぞれのデメリットを詳しく解説していくので、参考にしてください。

十分に身体が温まらない

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるデメリット1つ目は、十分に身体が温まらない点です。

浴槽に浸かれば身体全体を温める効果がありますが、シャワーだけでは身体が芯から温まりません。

特に高齢者は、血行不良や体温調節機能の低下などにより、寒がりな方も多いです。

また、高齢者がシャワーだけで入浴すると、身体の表面ばかりが温まるため、浴室から出た際に気化熱によって体温が奪われやすいと言われています。

寒がりな高齢者は、十分に身体を温められる浴槽に浸かる方が良い場合もあるでしょう。

高齢者が寒がりな理由や対策方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

疲労回復の効果を得られない

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるデメリット2つ目は、疲労回復の効果を得られない点です。

浴槽で身体を温めれば、血行が促進されたり筋肉の緊張がほぐれたりするため、疲労回復の効果を期待できます。

しかし、高齢者がシャワーだけで入浴をする場合は、身体の表面だけが温まるため、深部の血流の改善ができません。

深部まで血流の流れを良くして、老廃物を流すことで疲労回復の効果を得たい方は、浴槽に浸かるのがおすすめです。

また、毎回浴槽に浸かるのではなく、普段はシャワーを使用して、疲労を感じたタイミングで浴槽に浸かるなどの方法も有効です。

リラックス効果が得られない

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるデメリット3つ目は、リラックス効果が得られない点です。

浴槽に浸かると、身体が温まることで副交感神経や新陳代謝が促進される「温熱効果」や身体に浮力がかかって重力の負荷を和らげる「浮力作用」などによって、リラックス効果が得られます。

しかし、シャワーだけで入浴をする高齢者の場合、温熱効果や浮力作用を得られない可能性が高いです。

副交感神経が優位になれば、眠りにつきやすくなるため、寝られずに悩んでいる高齢者は浴槽に浸かることも検討してみましょう。

夜に寝ない高齢者の対策については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

身体の汚れを十分に落とせない

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませるデメリット4つ目は、身体の汚れを十分に落とせない点です。

浴槽で十分に身体を温めれば、毛穴が開くため、皮脂や汗などの汚れが落ちやすくなります。

しかし、シャワーだけでは十分に身体が温まらないため、毛穴が開きづらく、汚れがあまり落ちません。

特に高齢者は、新陳代謝が低下しているため、皮脂や角質などが溜まりやすい傾向にあります。

高齢者がどうしてもシャワーだけで入浴したい場合は、入浴前に蒸しタオルなどで身体を温めて毛穴を開かせてみるのもおすすめです。

高齢者はシャワーだけの入浴でも問題ない!

本記事では、高齢者がシャワーだけで入浴するメリットやデメリットについて詳しく解説しました。

高齢者がシャワーだけで入浴を済ませると、水道代の節約や立ちくらみ・転倒のリスク軽減など、さまざまなメリットを得られます。

さらに、高齢者が浴槽に浸かる場合は、心臓発作や溺死などのさまざまなリスクが伴います。

そのため、無理に浴槽に浸からせる必要はなく、高齢者はシャワーだけの入浴で問題ありません。

高齢者の意思を尊重して、入浴方法を選択しましょう。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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