高齢者の口の渇きを対策するには?問題・原因・実用的な対策方法を徹底解説!

「高齢者の口の渇きを対策する方法はある?」

「口が乾いていることに問題はあるの?」

高齢者の口の渇きに関して、上記のような悩みを持っている方も多いでしょう。

高齢者の口の渇きは、感染症にかかりやすくなる・味覚がおかしくなる・QOLを低下させるなどのデメリットがあります。

高齢者の方が快適に生活を送るためにも、口の渇きを対策することは重要です。

本記事では、高齢者の口の渇きを対策する方法を解説します。

また、口の渇きで起きる問題点や、口が渇く原因なども紹介しているので、参考にしてください。

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目次

高齢者の口の渇きで起きる問題とは?

高齢者の口の渇きで起きる問題には、以下の3つがあります。

  • 感染症にかかりやすくなる
  • 味覚がおかしくなる
  • QOL(生活の質)が低下する

それぞれの問題を把握して、高齢者の口の渇きの対策が重要であることを理解しましょう。

感染症にかかりやすくなる

感染症にかかりやすくなるリスクを抑えるためにも、高齢者の口の渇きを対策することは重要です。

唾液は口の中を清潔に保って、細菌が増えるのを防止してくれます。

しかし、口の中が乾燥して唾液が不足した状態になると、細菌が増殖しやすい環境になってしまいます。

さらに高齢者は、免疫力が低下しているため、感染症にかかるリスクが高いです。

口の渇きが原因で起こり得る感染症には、口腔カンジダ症や誤嚥性肺炎などがあります。

味覚がおかしくなる

口の渇きによって、味覚がおかしくなる可能性があります。

唾液は味を構成する物質を「味蕾」という、味覚を感じる部位に届ける役割を担っています。

そのため、唾液が不足すると、味を正確に伝えられなくなり、味覚障害になるのです。

味覚障害になると、食事の楽しみが奪われてしまい、高齢者の方はご飯を食べなくなってしまうかもしれません。

また味覚障害以外にも、高齢者が食事をとらなくなる場合もあります。

以下の記事では、味覚障害以外で高齢者が食事をとらなくなる理由を詳しく解説しているので、参考にしてください。

QOL(生活の質)が低下する

QOL(生活の質)が低下する点も、高齢者の口の渇き対策が重要な理由の1つです。

口の渇きによって、以下のような不快感が生じる場合があります。

  • 食事を飲み込みにくくなる
  • 会話がしづらくなる
  • 口臭が強くなる

不快感が原因で、さらに大きな問題に発展するリスクもあるため、注意が必要です。

例えば、会話がしづらくなることで、会話を億劫に感じてしまい社会的な交流が減少してしまいます。

このように、高齢者の生活の質が低下してしまう可能性があるため、口の渇きの対策は大切です。

高齢者の口の渇きはなぜ起きる?6つの原因を解説

高齢者の口の渇きは、以下のような原因で引き起こされる可能性があります。

  • 加齢による唾液分泌量の減少
  • 服用している薬の副作用
  • 病気
  • 脱水症状
  • 口呼吸
  • 湿度

口の渇きの原因を理解しておくことで、対策をする際にも役立ちます。

それぞれの原因を詳しく解説していくので、しっかりと把握しておきましょう。

高齢者の口の渇きの原因①加齢による唾液分泌量の減少

高齢者の口の渇きの原因1つ目は、加齢による唾液分泌量の減少です。

加齢に伴って唾液腺(唾液を分泌する場所)の機能が低下するため、唾液量が減ってしまいます。

具体的には、ホルモンバランスの変化や自律神経の働きが鈍くなるなども、口の渇きが生じる原因となります。

高齢者の口の渇きの原因②服用している薬の副作用

高齢者の口の渇きの原因2つ目は、服用している薬の副作用です。

高齢になると、病気や体調不良が増えるため、数多くの薬を服用していくケースが多くあります。

その場合、使用している薬剤の中に、口の渇きの原因となるものがまぎれている可能性が考えられます。

高齢者の口の渇きの原因になる薬は、以下の通りです。

  • 抗コリン薬
  • 降圧薬
  • 利尿薬
  • 抗パーキンソン病薬

これらの薬剤を使用している場合は、口の渇きの原因になっている可能性があります。

医師または薬剤師に相談してみることをおすすめします。

高齢者の口の渇きの原因③病気

高齢者の口の渇きの原因3つ目は、病気です。

薬の副作用だけではなく、病気によっても高齢者の口の渇きが生じる可能性があります。

自己免疫性疾患であるシェーグレン症候群や甲状腺機能亢進症など、さまざまな病気が原因となります。

また、生活習慣病である糖尿病も口の渇きの原因となりやすいです。

病気かもしれないと感じた場合は、早めに病院へ行ってみることをおすすめします。

高齢者の口の渇きの原因④脱水症状

高齢者の口の渇きの原因4つ目は、脱水症状です。

体内の水分量が不足すると、唾液量が減ることにより、口が渇きます。

また、高齢者は口の渇きに気付きづらいため、より脱水症状に陥りやすいです。

高齢者は暑さにも鈍感になっており、熱中症などになるリスクが高くなるため、夏場は特に気を付ける必要があります。

高齢者が夏でも寒がっているという場合は、以下の記事も参考にしてください。

高齢者の口の渇きの原因⑤口呼吸

高齢者の口の渇きの原因5つ目は、口呼吸です。

開いたままの状態になると、口内の水分が蒸発しやすくなるため、口が乾いてしまいます。

そのため、口を開けて息をする癖がある高齢者の場合、口の渇きの原因になるケースも少なくありません。

また、加齢が原因で筋力が弱まると、口を閉じた状態を維持できずに開きっぱなしになることもあります。

そのほか、鼻づまりが原因で口呼吸になる可能性も考えられます。

高齢者の口の渇きの原因⑥湿度

高齢者の口の渇きの原因6つ目は、湿度です。

空気が乾燥している場合は、口の中の水分がいつもより蒸発しやすくなります。

特に、冬の季節などは空気が乾燥しがちなので、口の渇きの対策をしておくことが大切です。

高齢者の口の渇き対策6選

高齢者の口の渇きを対策する方法として、以下の6つがあります。

  • 水分をこまめにとる
  • ガムや飴を食べる
  • マスクを着用する
  • 部屋の湿度を高める
  • 食事中の咀嚼回数を増やす
  • リラックスをする

それぞれの対策方法を詳しく解説していくので、高齢者の口の渇きが気になっている方は参考にしてください。

高齢者の口の渇き対策①水分をこまめにとる

高齢者の口の渇きを対策するために、水分をこまめにとることが大切です。

比較的簡単に実践できる対策方法で、高齢者の口の渇きに効果的です。

のどの渇きを感じづらいことや唾液腺の機能が低下していることから、高齢者は水分摂取量が少なくなります。

しかし、水分を取れば何でもよいというわけではありません。

コーヒー・緑茶・アルコールなどは、利尿作用があり水分の排泄も促進されてしまうため、水や麦茶のようなノンカフェインの飲み物を推奨します。

具体的には、「1時間ごとにコップ一杯の水を飲む」など、高齢者の方でも実践しやすいような簡単なルールを決めておくのがおすすめです。

また、人間が1日に必要とする水分摂取量は2.5Lとされているため、これよりも少ない場合は積極的に水分を取るようにしましょう。

参考:「健康のため水を飲もう」推進委員会 後援 : 厚生労働省

高齢者の口の渇き対策②ガムや飴を食べる

高齢者の口の渇きを対策する方法として、ガムや飴を食べるのがおすすめです。

ガムや飴で味覚を刺激すると、唾液の分泌が促進されます。

そのため、高齢者が口の渇きを感じた場合は、ガムや飴を食べてみましょう。

しかし、糖尿病などの病気がある場合は、甘いガムや飴は控えておくことを推奨します。

また、高齢者は免疫力が低下しているケースも多いため、虫歯などにも気を付けておく必要があります。

高齢者の口の渇き対策③マスクを着用する

高齢者の口の渇き対策として、マスクを着用するのも効果的です。

マスクを着けておけば、口から水分が蒸発するのを防いだり、乾燥した空気の侵入を減らしたりすることができます。

新型コロナウイルスの流行から、外出時にマスクをする方も増えていますが、室内でもマスクを着用するのがおすすめです。

また、就寝中は口が開きっぱなしになる高齢者も多いため、寝る際にマスクをつけておくのも効果的です。

高齢者の口の渇き対策④部屋の湿度を高める

高齢者の口の渇き対策の方法として、部屋の湿度を高めるのもおすすめです。

湿度が低い場合は、口からの水分蒸発量が増加します。

口からの水分蒸発を予防するためにも、室内の湿度を高めておきましょう。

特に冬は、湿度が低いうえ、暖房の影響などでさらに乾燥しやすくなっているため、加湿器を設置して、湿度を高めておきましょう。

また、加湿器がない場合は、暖房を付けている部屋で洗濯物を干すなども効果的です。

高齢者の口の渇き対策⑤食事中の咀嚼回数を増やす

食事中の咀嚼回数を増やすことも、高齢者の口の渇きを対策する方法として効果的です。

よく噛んで食事をとることで、唾液の分泌が促進されるだけではなく、咀嚼力が弱まることを防止できるのでおすすめです。

さらに、食べ物を小さくかみ砕くことで、消化を助ける役割も期待できます。

しかし、70歳以上の高齢者になると「何でも噛んで食べることができる」という方は、全体の60%以下になり、食べられるものが限られてしまいます。

参考:歯と咀嚼に関する統計

そのため、咀嚼回数を増やそうとして固い食べ物を多くしすぎると、高齢者が食事を苦痛に感じてしまう恐れがあります。

高齢者が食事をとらなくなってしまうと、低栄養状態に陥るリスクもあるため、注意が必要です。

高齢者の口の渇き対策⑥リラックスをする

高齢者の口の渇き対策として、リラックスをすることも効果的です。

リラックスをすると副交感神経が優位になり、唾液の分泌が促進されます。

反対に、ストレスや緊張などによって交感神経が優位になると、口が乾きやすくなってしまいます。

ストレスや緊張など、高齢者の口の渇きの原因を特定して、対策を取ることが重要です。

また、好きな音楽を聴いたり、白湯を飲んだりするなど、自らリラックスできる環境を作るのもおすすめです。

高齢者の口の渇きを対策してQOLを高めよう!

本記事では、高齢者の口の渇き対策について詳しく解説しました。

また、高齢者の口の渇きによる問題点や原因なども解説したので、対策する際の参考にしてください。

高齢者の口の渇きは、感染症リスクが増えたり、QOL(生活の質)を下げたりする恐れがあります。

そのため、本記事で紹介した「高齢者の口の渇き対策6選」を参考にして、高齢者のQOLを高めましょう。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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