高齢者が食欲不振になるのはなぜ？原因・改善方法・おすすめの食べ物を解説

「高齢者が食欲不振になる原因を知りたい」

「おすすめの食べ物はある？」

上記のようにお悩みの方もいるでしょう。

高齢者になると、精神的・身体的なものが原因になり、食欲不振に陥ることがあります。

本記事では、高齢者が食欲不振になる原因と、起こりうるリスクを解説します。

また、食欲不振を改善するためのポイントやおすすめの食べ物も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

高齢者が食欲不振になるのはなぜ？

高齢者が食欲不振になるのには、以下の原因が考えられます。

• 加齢
• ストレス
• 病気
• 環境の変化
• 運動不足

それぞれの原因を詳しくチェックしていきましょう。

加齢

高齢者は、加齢にともなう身体的な変化によって、食事を取らなくなることがあります。

それは、消化器官の機能が低下して食べ物が胃に長時間とどまり、空腹感が減少したり、噛む力や飲み込む力が弱くなったりすることで、食べる意欲がなくなるからです。

老衰は、年齢を重ねるにつれて心身の機能が徐々に衰える自然な過程なので、避けられません。

しかし、食欲の低下に関しては、工夫次第で改善することが可能です。個々の状況に合わせた対応策を取り入れて、食事を楽しむ手助けをしていきましょう。

ストレス

食欲不振は、ストレスによっても引き起こされることがあります。

特に高齢者の場合、身体が思うように動かず、家で過ごす時間が長くなると、経済的な心配や家族の問題などが重なって、ストレスを感じやすくなるでしょう。

脳がストレスを受けると、胃の不快感やお腹にガスが溜まるなどの症状が現れ、食欲が低下する可能性があります。

ストレスが原因で食欲不振が起きている場合には、好きな食べ物を楽しんだり、無理のない範囲で運動を増やしたりして、日頃からストレスを解消することを意識することが大切です。

病気

年齢を重ねると、高血圧や脂質異常症などの持病を抱える方が多くなる傾向にあります。これらの病気を治療するために飲んでいる薬の副作用で、食欲が落ちることがあります。

また、便秘・下痢・風邪など体調が悪いときや、認知症やうつ病などの精神的な病気が原因で食欲不振になることもあるため、注意が必要です。

環境の変化

高齢者の中には、パートナーが亡くなることで強い孤独感を抱き、食欲不振になるケースも多いです。

夫婦二人での生活が一人暮らしに変わると、食事の習慣も変わり、料理をする意欲が低下する傾向にあります。そうなると簡単な食事で済ませるようになり、結果的に食欲が減退してしまうのです。

以下の記事では高齢者の孤食について詳しく解説しているので、参考にしてください。

また、介護施設や老人ホームに入居した際に、環境の変化に慣れずに食欲が落ちるケースもあります。

たとえ施設で栄養バランスのとれた食事が提供されていても、本人が食事環境に適応できず食欲不振になるため、環境の変化が起きた場合は注意する必要があります。

運動不足

高齢者は、運動不足が原因で食欲不振に陥ることがあります。そして年齢を重ねると、少しの動作でもすぐに疲れたり、体が思うように動かせなかったりします。

体はエネルギーの補給を必要としなくなり、食欲が落ちやすくなるため注意が必要です。

運動不足が原因で食欲が低下している場合は、健康維持のためにも意識して日常的に歩くなど、運動量を増やすように心がけましょう。

高齢者の食欲不振が続くと起こりうるリスク

ここからは、高齢者の食欲不振が続くことで起こるリスクを、以下の項目に分けて解説します。

• 低栄養
• 低血糖
• 脱水
• 筋力の低下

低栄養

低栄養とは、食欲不振によって食事量が減り、栄養が不足する状態を指します。

高齢者が栄養不足に陥ると、体力が低下し歩いたり立っているだけでも疲れやすくなります。

体重も減少しふらつきやすくなるため、寝て過ごすことが楽に感じて活動を避けるようになり、徐々に衰えてくる傾向にあるため注意が必要です。

また、食べることへの興味が失われると、気分も落ち込み、心理的な問題が発生することもあります。

低血糖

低血糖とは、血糖値が正常より低くなる状態のことで、以下のような症状を引き起こすことがあります。

• 疲れやすくなる
• めまい
• 眠気
• 冷や汗

パンやご飯、うどんなどの炭水化物が不足すると、体にエネルギーが十分に供給されず、上記のような症状が現れやすくなります。

特に高齢者が食欲不振や不規則な食生活をしている場合、低血糖になりやすくなります。また、糖尿病の治療でインスリンを使っている人は、低血糖のリスクがさらに高くなるのです。

慢性的な低血糖が続くと、心身の機能が衰える「フレイル」という状態になりやすく、日常生活で介護が必要になることがあります。

脱水

食欲不振であまり食事を取らないでいると、水分の摂取量も減ってしまい、脱水状態に陥ることがあります。

脱水になると、めまいやふらつきが起こるだけでなく、低血圧になったり、病気からの回復を妨げたりする恐れも生じます。

また、高齢者は若い頃に比べて喉の渇きを感じにくくなるため、注意が必要です。

筋力の低下

食欲不振が続くと筋力が低下し、転倒しやすくなる傾向にあります。筋力が落ちて転倒すると、骨折や寝たきりになるリスクが高まるので、注意が必要です。

食事量が減ったり栄養が偏ったりすると、筋肉や臓器に必要なタンパク質が不足します。そして年齢を重ねると、運動量や筋肉量も減りやすくなります。

高齢者の食欲不振を改善するためのポイント

高齢者の食欲不振を改善するためのポイントは、以下の5つです。

• 水分をしっかり取る
• 少なめに盛り付けてみる
• 食べたいものを選ぶ
• 食べたい時に食べられるようにする
• 楽しめる食事環境を作る

それぞれ詳しく見ていきましょう。

水分をしっかり摂る

高齢者の食欲不振を改善するためのポイントの一つめが、水分をしっかり取ることです。

食事から摂取する水分は意外に多いため、高齢者が食事をしないと脱水になってしまいます。

脱水を防ぐためには、起床時・運動後・入浴後など、汗をかいた後にコップ1杯の水や経口補水液を飲む習慣をつけると良いでしょう。

また、食事に味噌汁やスープを加えることで、食事からの水分補給も可能です。高齢者の脱水を予防するために、ぜひ取り入れてみてください。

少なめに盛り付けてみる

たくさん食事を目の前にすると、高齢者は「食べなければならない」というプレッシャーを感じてしまう傾向にあります。

そうなると食欲が低下したり、見るだけでお腹がいっぱいになってしまい、食事を取らなくなるかもしれません。

そこで、食事を少なめに盛り付けることで、プレッシャーを軽減すると良いでしょう。そうすることで少量の食事でも「完食できた」という体験が自信につながり、食べる意欲を引き出せます。

食べたいものを選ぶ

食欲不振によって引き起こされる低栄養・脱水・低血糖を予防するためには、こまめに食事を摂ることが基本です。

しかし、高齢者の食欲を回復させるためには、本人が食べたいものや食べられるものを選ぶことが重要です。

「栄養バランスの良いものを食べさせたい」という気持ちがあるかもしれませんが、食欲がない時にはまず高齢者が食べたいものや食べられるものを優先しましょう。

食べたいときに食べられるようにする

1日3食で決まった時間に食べることは生活リズムを整える上で重要ですが、無理に時間にこだわる必要はありません。義務的に食事を取ることで、さらに食事自体が嫌になってしまうからです。

例えば、身体を少し動かして「お腹が空いた」と感じたときや、外出先で美味しそうなものを見つけたときに食べると、食事を楽しめます。

また、1回の食事量が少ない場合は、食事を数回に分けるなどの工夫をして、1日の中で必要な栄養が取れるように心がけましょう。

楽しめる食事環境をつくる

楽しめる食事環境を作るのも、高齢者の食欲不振を改善出来るポイントの一つです。

例えば食事環境を変えると、気分転換になって食欲が出ることが期待されます。たまには外食に出かけるのも環境がガラッと変わるのでおすすめです。

外出が難しい場合は、家の食卓のデザイン・食器・お皿を変えてみたり、食事中に音楽を流してみたりするなど工夫すると良いでしょう。

高齢者の食欲不振に対するおすすめの食べ物

高齢者の食欲不振に対するおすすめの食べ物には、以下の3つが挙げられます。

• のどごしが良いもの
• 冷たいもの
• やわらかいもの 

「のどごし・冷たい・やわらかい」食べ物は、高齢者にとっても食べやすい傾向にあるため、食事に対してのハードルを下げられるでしょう。

例えばのどごしに関するおすすめの料理には、お粥・うどん・ヨーグルト・茶わん蒸しなどがあります。

水分量が多く水分補給もできるため、食欲がないときや体調が優れないときに取り入れてみてください。

また、食事をしたくないときでも、冷たくてさっぱりしたものは比較的食べやすいといわれています。

アイスクリーム・ゼリー・プリン・フルーツなどがおすすめです。

高齢者は噛む力や飲み込む力が弱くなっているため、豆腐・卵・鶏ひき肉・白身魚などの、やわらかく飲み込みやすい料理を取り入れるのも良いでしょう。

高齢者の食欲不振を改善するには食事環境や内容を見直してみよう

高齢者は、加齢・ストレス・病気などが原因で食欲不振に陥ることがあります。

その原因の背景には、夫婦のどちらかがいなくなることの戸惑いや、思うように身体が動かせなくなるなどの、高齢者特有のストレスからきていることもあるのです。

無理に食べてもらおうとすると逆効果になることがあります。食事の盛り付けを工夫してみたり、咀嚼・嚥下しやすい食べ物をメニューに取り揃えたりするなどして、できることから少しずつ始めてみましょう。

また食欲不振も含めて、高齢者が安心して暮らせているか心配な方は、当社のハローライトをぜひご検討ください。

面倒な工事などは必要なく、電球を専用のものに取り換えるだけで、高齢者の安否確認が手軽に行えます。