安否確認システム選定のポイント｜機能や必要性について解説

地震に台風、豪雪と日本は自然災害大国といわれています。

災害が発生したときに、まず行うべきことは従業員の安否確認ではありませんか？

そこで自動的に安否確認の配信ができるような安否確認システムが、いろいろと販売されています。
今回は安否確認システムの仕組みや導入する際のメリットについて見ていきます。

安否確認システムとは何か？

安否確認システムとは、災害発生時に従業員などの安否についてスピーディに確認できるシステムのことです。基本的に災害発生時に、従業員に対して自動的にメール配信します。メールを受信した従業員がメール返信すれば、遠方にいるスタッフでも安全が確認できます。

大きな災害が発生すると、どうしても現場は混乱するものです。安否確認システムで従業員の安否をすばやく確認できるため、災害時の混乱を必要最小限に抑制できます。

安否確認システム導入の現状

安否確認システムは大企業を中心に、導入が進められています。東京商工会議所の調査によると従業員300人以上の大手企業のおよそ7割が導入しているといいます。

また2022年に同じく東京商工会議所が行ったアンケート調査によると、「災害リスクについてハザードマップなどに基づき把握している」の質問に「はい」と回答した企業は64.5％でした。このように災害リスクへの対策を進めている企業は増加傾向にあります。

とくに2020年に世界中で流行した新型コロナウイルスが影響しているといいます。緊急事態宣言が日本でも派出されたことで、従業員の安全確保への取り組みに力を入れる企業が増えたわけです。

安否確認システムの必要性

安否確認システムは日本では必要と思うべきです。というのも日本は災害大国だからです。日本のどの地域でも地震や津波の災害がいつ発生してもおかしくありません。その中で長期にわたって、事業を継続させるためには災害対策を万全にしておく必要があります。

また今後、地震や津波以外の災害リスクも高まるのではないかとみられています。たとえば地球温暖化に伴う、スーパー台風の発生リスクの増加です。従来よりも大きな勢力で台風が上陸してくる危険性が高まると見られます。すると台風による大きな被害も視野に入れなければなりません。いろいろとリスク要因が増えてきているので、従業員の安全確保のためにも安否確認システムの導入を検討すべきです。

（h3見出し）安否確認システム導入でできること300

種類によって若干異なるものの、ほとんどの安否確認システムはメールの自動一斉送信機能があります。事前に設定しておけば、一定の条件を満たすと従業員に一斉に安否確認を一斉配信できます。

またそのメールに設問を設定できるシステムも少なくありません。「けがの状況」や「出社可能か」などの設問に答えてもらうことで、より詳細な従業員の個別の状況を確認できます。

中にはけがをして、メールに回答できない従業員もいるかもしれません。安否確認システムの中には、GPS機能が搭載されているものもあります。回答のない従業員の現在位置を特定することで、より早く救助できる体制を整えられます。

安否確認システム導入に伴うコスト相場

安否確認システムを導入するにあたって、やはり気になるのは費用相場でしょう。安否確認システムは大まかに分けて、初期費用と月額料金とで構成されています。

初期費用ですが、一部システムは無料で導入できるものもあります。有料の場合、ユーザー数によって料金が変わってくるものが主流です。ある程度の規模の企業でユーザー数が多ければ、20万円程度の初期費用が掛かることもあるかもしれません。

一方月額料金もユーザー数によって変わってくるものが中心です。ユーザー数が300名程度までなら、2〜3万円が相場といわれています。一方ユーザー数が500名くらいになると、相場は3〜5万円です。

安否確認システム導入のメリット

安否確認システムを導入していなければ、できるだけ早期に導入を検討すべきです。実際に災害が起きたときに従業員の状況をいち早く把握でき、スピーディな初期対応が可能になるからです。

迅速な初期対応が可能

安否確認システムを導入する最大のメリットです。従業員の安否情報をスピーディかつ正確に把握できます。しかも一元的に管理できるので、安否情報に社内で齟齬をきたす心配がありません。

システムによってはメールやプッシュ通知など多様な方法で安否確認できるものも見られます。リアルタイムで安否状況を確認できるので、迅速な初期対応が可能です。

トラブル対応に専念できる

安否確認システムを導入すれば、従業員の一斉連絡は自動的に行ってくれます。つまり危機管理の担当者は、災害に伴うトラブル対応に専念できるのもメリットの一つです。

とくに大きな災害が発生したときにインフラが利用できなくなったり、交通マヒに伴い従業員が出社不可になったりすることも十分想定できます。業務停止の恐れもあるので、こちらの対応も必要です。

もしシステム導入していなければ、安否確認を個々の従業員にしなければなりません。これだけでもかなりの時間を必要としますが、安否確認システムを導入していれば、この負担がなくなるわけです。

個人情報対策が万全に

安否確認システムの中には、従業員が連絡先など個人情報を入力するタイプもあります。これならプライベートの連絡先を、リスクマネジメントの担当者に知られずに済みます。

個人情報である電話番号やメールアドレスを従来の方法だと、管理担当者は把握しておかなければなりません。災害発生時に連絡を取るためです。しかし従業員の中には個人情報を申告したくないと考える人もいるでしょう。すると非常時の安否確認がいつまでたってもできないケースも出てきます。安否確認システムなら、その心配がありません。

家族の安否確認も可能

安否確認システムに従業員だけでなく家族の情報を登録しておけば、家族の安否確認も同時に行えます。これも安否確認システム導入の意外なメリットです。

従業員は無事でも、災害時家族となかなか連絡の取れない事態も十分想定できます。そうなると従業員は家族のことが心配で、業務を続けるのが難しくなるのも無理もありません。しかし安否確認システムを導入すれば、会社で家族の安否確認を担当してもらえます。そうなれば、従業員の心理的負担も払拭できるでしょう。

まとめ

日本は地域関係なく、大きな災害に見舞われる可能性があります。大きな災害に見舞われると、従業員の安否確認をいち早く行って、適切に対応する必要が出てきます。

自分たちで安否確認を行うと、いくら時間があっても足りません。安否確認システムを導入すれば、従業員に一斉送信して変身してもらうことで安否確認が可能です。自分たちは別のことに専念できるので、速やかに導入すべきです。