親を施設に入れた後悔と上手く向き合うには？後悔する理由も解説

「親を施設に入れたことを後悔している…」

「親を施設に入れた後悔はどう対処するべき？」

上記のように、親を施設に入れた後悔について悩んでいる方も多いでしょう。

自責の念や周囲からの視線に対する不安など、さまざまな理由で親を施設に入れたことを後悔する方がいます。

また、親を施設に入れた後悔と上手く向き合うためには、定期的に面会したり、親の様子をしっかり確認したりするのがおすすめです。

本記事では、親を施設に入れた後悔と上手く向き合う方法について詳しく解説していきます。

施設に入れて後悔する理由も紹介しているので、自分の感情がどれに当てはまるのかも確認してみましょう。

親を施設に入れた後悔を感じる理由とは？

親を施設に入れた後悔を感じる理由として、以下の4つが挙げられます。

• 「親を捨てた」という自責の念
• 世間体や親戚からの視線に対する不安
• 理想と現実のギャップ
• 介護への責任感と義務感

それぞれの理由を詳しく解説していくので、自分の後悔がどれに当てはまるのかチェックしてみましょう。

「親を捨てた」という自責の念

親を施設に入れた後悔を感じる理由の1つ目は、「親を捨てた」という自責の念です。

長年に渡って愛情を注いでくれた親を、自分の手で介護できなかったという気持ちが罪悪感となり、後悔してしまう方が多いです。

特に日本では親孝行が美徳とされる傾向があり、「最後まで自分の手で看取るべき」という価値観が残っています。

そのため、親を施設に入れて第三者にケアを任せることに対して、「親の恩を仇で返している」と後悔を感じてしまう方も少なくありません。

そのほか、認知機能の低下によって親が施設に入所することを理解できないという場合も多いです。

「なぜここにいるのか」「家に帰りたい」などの親の声を聞くと、施設に入れるという行為が正しかったのかと疑念を抱いてしまいます。

世間体や親戚からの視線に対する不安

親を施設に入れた後悔を感じる理由の2つ目は、世間体や親戚からの視線に対する不安です。

親戚・近所の方・職場の同僚などから、「冷たい」「薄情だ」といった視線を恐れてしまう方も少なくありません。

「家族が介護をするのがあたりまえ」と考えている方が多いため、親を施設に入所させることを「最後の手段」「責任放棄」のように捉える風潮があります。

そのため、親戚の集まりや地域のコミュニティで、親を施設に入れるという決断をした理由の説明を求められたり、批判的な態度を示されたりすることも多いです。

また、SNSなどで他の家族の介護体験談を見て、「自分は親を看取れなかった」と後悔を感じる方もいます。

周囲との比較による後悔は、SNSなどで簡単に他人と比較できるようになった現代ならではの悩みとも言えます。

理想と現実のギャップ

親を施設に入れた後悔を感じる理由の3つ目は、理想と現実のギャップです。

親の介護に対する理想と、実際に直面する現実との大きなギャップは、介護者が後悔する原因になりがちです。

「お世話になったから親が困ったら必ず支える」「最期まで自分の手で介護する」などの理想を抱いている方は多くいます。

しかし、実際には体力的・精神的・経済的な限界によって、実現できないというケースも少なくありません。

また、親を施設に入れた後に「もっと良いケアができたかもしれない」「家にいた方が幸せだったのではないか」などの後悔も生まれやすいです。

このように、理想とする介護と現実とのギャップによって、親を施設に入れたことを後悔する方が多くいます。

介護への責任感と義務感

親を施設に入れた後悔を感じる理由の4つ目は、介護への責任感と義務感です。

「子供は親の面倒を見るのが当然だ」「育ててもらった恩返しをするべき」といった価値観が根付いていることが大きな問題になります。

この価値観により、「親を施設に入れる＝責任逃れ」と捉えてしまうことで、罪悪感につながります。

特に長男・長女・一人っ子の場合は、「自分が介護しなければならない」という義務感を抱きやすいです。

義務を感じていても、自分ひとりでは支えきれずに親を施設に入れてしまうと、責任を果たせなかったと後悔するケースも多いです。

また、親から「頼りにしているよ」「最期まで一緒にいて欲しい」と言われていた場合は、期待に応えられなかった申し訳なさに罪悪感を抱いてしまいます。

親を施設に入れた後悔と上手に向き合う方法5選

親を施設に入れた後悔と上手に向き合う方法として、以下の5つを紹介します。

• 決断した時の状況や理由を整理する
• 親の様子をしっかり確認する
• 定期的な面会とコミュニケーションを大切にする
• 親の気持ちや意見を直接聞いてみる
• 専門家やカウンセラーに相談する

それぞれの方法を詳しく解説していくので、親を施設に入れた後悔でつらいと感じている方は、ぜひ試してみましょう。

決断した時の状況や理由を整理する

親を施設に入れた後悔と上手に向き合う方法の1つ目は、決断した時の状況や理由を整理することです。

親を施設に入れると決断した時を思い出し、以下のように具体的な要因を書き出してみましょう。

• 介護負担の重さ
• 体力的・精神的限界
• 安全面での心配
• 医療的ケアの必要性

親を施設に入れるという決断は、感情的な判断ではなく、様々な要素を総合的に判断した結果であることが多いです。

「あの時は本当に大変だった」「施設以外に選択肢がなかった」などの客観的な事実を思い出せば、後悔する気持ちを和らげられます。

また、親を施設に入れる前に相談した医師・ケアマネージャー・家族との話し合いを思い出すことも効果的です。

親を施設に入れることに対する専門家からのアドバイスや、家族の合意があったことを再認識すれば、「間違った判断ではなかった」と確信できるでしょう。

親の様子をしっかり確認する

親を施設に入れた後悔と上手に向き合う方法の2つ目は、親の様子をしっかり確認することです。

施設での親の生活状況を知ることで、後悔という感情を現実的に評価できます。

親の表情・体調・清潔さ・栄養状態などを確認して、施設での生活が親にとって良いかどうかを客観的に把握しましょう。

多くの場合、施設で専門的なケアを受けることで親の体調が安定したり、他の入居者との交流により表情が明るくなったりするなどの変化を見つけられます。

また、リハビリテーションやレクリエーション活動への参加で、自宅では得られなかった刺激や楽しみを得ている様子を確認できることもあるでしょう。

さらに、施設の職員からの報告も積極的に聞き、日常の過ごし方や健康状態の変化について詳しく情報収集しておくのがおすすめです。

施設に入ることで改善した点を知ることで、入所が親にとって最適な選択だったと認識できます。

定期的な面会とコミュニケーションを大切にする

親を施設に入れた後悔と上手に向き合う方法の3つ目は、定期的な面会とコミュニケーションを大切にすることです。

定期的に面会する予定を立てて、可能な限り親と一緒に時間を過ごすようにしましょう。

面会する際には親の話をじっくりと聞き、施設での生活について詳しく話し合えば、親の本当の気持ちを理解できます。

また、施設で面会するだけではなく、電話・手紙・メッセージなどでやり取りをする方法もおすすめです。

さらに、親の誕生日や行事に時間を取って一緒に過ごせば、「見捨てたわけではない」ということを親に証明できます。

親の気持ちや意見を直接聞いてみる

親を施設に入れた後悔と上手に向き合う方法の4つ目は、親の気持ちや意見を直接聞いてみることです。

親を施設に入れた後悔の多くは「親がどう思っているか分からない」という不安から生まれやすいため、直接親に意見を聞くのがおすすめです。

「施設での生活はどう？」「寂しくない？」「家に帰りたいと思う？」など、率直な質問をして親の気持ちを確認しましょう。

多くの場合、親が施設での生活に慣れて、職員や他の入居者との関係を築いていることを把握できます。

「最初は寂しいと感じたけど、今は友達ができて楽しい」「職員さんが体調を気にかけてくれるから過ごしやすい」などのポジティブな意見を聞けば、後悔する気持ちを和らげられます。

反対に、親が不満や寂しさを感じていると発言した場合でも、その気持ちを受け止めてあげることが大切です。

気持ちを受け止めた後に、「安全に過ごせる」「専門的なケアが受けられる」など、施設に入所するメリットもあわせて話し合いましょう。

お互いの気持ちを話し合い、現実的な解決策を一緒に考えれば、良い関係性を築けます。

専門家やカウンセラーに相談する

親を施設に入れた後悔と上手に向き合う方法の5つ目は、専門家やカウンセラーに相談することです。

介護経験があるカウンセラーや臨床心理士は、同様の悩みを持つ家族のサポートをしており、後悔する感情への適切な対処法をアドバイスしてくれます。

また、地域の家族会や介護者の集いに参加すれば、同じ経験を持つ方と交流できるため、心の支えになります。

「後悔しているのは自分だけではない」「みんな同じ悩みを抱えている」と分かれば、孤独感や罪悪感を和らげることができるでしょう。

親を施設に入れた後悔と向き合おう

本記事では、親を施設に入れた後悔と上手く向き合う方法について詳しく解説しました。

親を施設に入れた後悔は、周囲からの視線や理想と現実のギャップなどが原因になっているケースが多いです。

これらの後悔は、決断した時の状況を思い出したり、親の様子をしっかり確認したりすることで和らげられる可能性があります。

本記事で紹介した内容を参考にしながら、親を施設に入れた後悔と上手く向き合っていきましょう。