定年後の資格は目的別に選ぶ｜自分に合った学びが見つかる3つのポイント

「定年後でも取れる資格はあるの？」
「定年後に取る資格は何がおすすめ？」
上記のように、定年を迎えても働くことを視野に入れ、資格取得を検討する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

内閣府によれば高齢者の就業率は、65〜69歳の男性で61.6％、女性は43.1％が就業しています。

さらに70～74歳では男性が42.6％、女性は26.4％という結果でした。

人生100年時代、「定年＝引退」ではなく働き続けたり、新しい分野を学び直したりする方が増えています。

ただし、「人気があるから」「聞いたことがあるから」という理由だけで資格を選ぶと、思うように活かせず後悔するケースも少なくありません。

本記事では、「資格を取ったのに活かせない」「思っていた働き方ができない」といった後悔を防ぐために、目的に合わせた資格の選び方を3つ紹介します。

定年後の資格取得前に考えたい3つの目的とおすすめ資格

資格は「人気だから」「手軽だから」という理由で選びがちですが、目的があいまいなままだと後悔する場合もあります。

定年後の資格取得は、生活の安定や社会とのつながりなど、目的によって選ぶことで方向性が変わります。

ここでは、代表的な3つの目的から、自分に合った資格の見つけ方を紹介していきます。

1.収入を増やしたい

定年後、「年金だけでは不安」「少しでも生活を楽にしたい」とお金に不安を感じる人は少なくありません。

とはいえ、働く意欲があっても、体力面や雇用環境の制限から思うように収入を得られない場合もあります。

資格を取得して専門性を身につけることは、安定した収入を得るための現実的な選択肢といえるでしょう。

たとえば、ファイナンシャルプランナーは家計の見直しや相談業務に活かせるほか、副業や地域講座の講師としても活動できます。

宅地建物取引士や簿記は再就職やパート勤務につながりやすく、企業や不動産業界など幅広い分野で需要があります。

またマンション管理士などの資格は、自宅や地域での経験を活かしながら働ける点が、シニア層にとって魅力です。

専門性の高い資格の取得は、安定した収入を得やすいでしょう。

2.人や社会の役に立ちたい

「収入よりも人の役に立ちたい」「地域で誰かを支えたい」と考える人には、社会と関わり続けられる資格の取得が向いています。

定年後は、これまで培った経験や人脈を活かした社会とのつながりが、心の充実や生きがいにつながるからです。

たとえば、福祉住環境コーディネーターは、高齢者の暮らしやすい住環境を提案でき、リフォームや住宅関連の経験を持つ人にも親和性が高いです。

また、心理カウンセラーやメンタルケア系の資格は、傾聴力や人生経験を活かし、福祉施設・地域ボランティア・電話相談などさまざまな場で活躍できます。

これまでの経験と、人のためになりたいという思いを軸に資格を選べば、社会に貢献しながら心の充実を得られるでしょう。

3.好きなことを仕事にしたい

定年後は「もう一度、自分の好きなことを学びたい」という人が増える傾向にあります。

趣味や興味を形にすれば、無理のない働き方につながり、日々の生きがいづくりにつながるでしょう。

たとえば、整理収納アドバイザーは家事や片づけの経験を活かせる人気資格で、講師や個人レッスンとして活動する人も多くいます。

またカラーコーディネーターや食生活アドバイザーは、趣味と実用性を兼ねた資格として女性を中心に人気が高いです。

近年は、SNSで知識を発信したり、オンライン講座を開いたりと、自宅で学びながら副業に挑戦する新しい働き方も広がっています。

収入よりも自分のペースで楽しく続けたい方は、働く時間そのものを生きがいに変えられます。

定年後に取りたい資格を選ぶときの3つのポイント

資格は取って満足しがちですが、長期的に続けられるかと活かせるかが大切です。

定年後は、体力や生活リズムなど条件が変わるからこそ、現実的な視点が欠かせません。

ここでは後悔しない資格選びのために、確認しておきたい3つのチェックポイントを紹介します。

1.自分にあった学びやすさか

定年後に資格を取るなら、自分のペースで学べる環境を選ぶことが続けやすさのカギになります。

通学が必要な講座は移動や拘束時間が負担になる場合もあるため、通信講座やオンライン講座を活用すれば、自宅で無理なく学習できます。

映像講義や添削、質問サポートなど、学習フォロー体制が整った講座を選ぶと安心です。

受講費用は数万円〜十数万円が一般的のため、生活の負担にならない範囲で続けられるかの見極めが大切です。

また独学よりもサポート付き講座を選ぶことで、モチベーションの維持や挫折の防止につながります。

費用や学習期間を比較しながら、生活リズムや体力に合った講座選びが、資格取得を最後まで続けるための近道といえるでしょう。

2.体力・年齢に無理がないか

年齢を重ねてからの学びは、体力や生活リズムとのバランスも大切です。

せっかく資格を取っても、体調を崩してしまうと長く活かすのは難しくなります。

介護や福祉の現場はやりがいがある一方で、体力を使う場面も多く、「資格は取れたけれど現場が大変」と感じる方もいます。

一方、ファイナンシャルプランナーや簿記、医療事務など、在宅や軽作業、知識を活かす仕事は年齢を問わず続けやすいでしょう。

夜間や長時間の勉強が必要な資格は、体調や生活リズムと相談しながら選ぶことが大切です。

取った後に続けられるかを基準に選ぶことで、資格を取るだけで終わらず、長く活かせる学びにつながります。

高齢者におすすめの在宅ワークについては、以下の記事で紹介しています。

資格取得後の働き方がイメージできるか

資格を取ったあとの働き方を思い描いておくと、勉強のモチベーションを維持しやすくなります。 

目的が明確になれば、学びの方向性もぶれません。

たとえば、再就職・副業・ボランティア・地域活動など、資格を活かすゴールをあらかじめ設定しておくとよいでしょう。

実際にその資格で働く人の体験談や求人情報を調べれば、より現実的な将来像が描けます。

ただし、全国的に需要がある資格でも、地元や希望する業界で仕事が見つかるとは限らないため、地域の求人状況も確認しておくと安心です。

さらに、「資格＝転職」と決めつけず、人とのつながりや生きがいづくりに活かすなど、柔軟に考えることでモチベーションを保ちやすくなります。

定年後の資格は第二の人生を動かすきっかけに

資格は、取ること自体を目的にしてしまうと、思うように活かせず後悔してしまう場合があります。

本来、資格は理想の生活を叶えるためのものであり、人生を豊かにする手段です。

「何のために取りたいのか」を明確にすれば、学ぶ意欲を保ちやすくなります。

「収入を増やしたい」「人の役に立ちたい」など目的がはっきりしているほど挫折しにくく、最後まで続けやすいでしょう。

自分のペースで継続的に学び続ければ、資格は生きがいを持てるきっかけに変わっていきます。

学ぶ姿勢を持ち続けることこそが、年齢に関係なく人生を前向きに動かす原動力になるでしょう。