80歳を超えた高齢者の運転のやめさせ方は?伝える際の注意点も解説

「80歳を超えた高齢者の運転のやめさせ方は?」

「運転のやめさせ方を実践するうえでの注意点は?」

高齢者の運転によって発生した事故をニュースなどで見かけて、運転をやめさせたいと考えている方も多いでしょう。

少子高齢化により日本の高齢ドライバーは増加しており、事故のリスクが懸念されています。

最近では、運転免許証の自主返納も話題に上がっており、高齢者の運転をやめてほしいと感じている方も少なくありません。

本記事では、80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方を紹介していきます。

運転のやめさせ方を実践する際の注意点や、80歳以上の高齢ドライバーの数などを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

80歳を超えた高齢者ドライバーは何人くらいいるの?

少子高齢化が進む日本では、高齢者の免許保有者数が年々増加しています。

実際に内閣府の調査によると、高齢者の免許保有者数は以下の表のように推移しています。

75歳以上80歳以上
平成21年324万人119万人
平成26年447万人180万人
令和元年583万人229万人

80歳以上の高齢者の運転免許保有者数に注目してみると、平成21年から令和元年までに1.92倍ほど増加しています。

また、同調査によると、令和元年の死亡事故件数は75歳以上で224件、80歳以上で401件です。

これからも少子高齢化が進んでいくことを考えると、さらに死亡事故件数が増加していく可能性も否定できません。

事故で不幸になる方が増えないようにするためにも、危ないと感じたら高齢者に運転をやめてもらうように促すことが大切です。

参考:高齢運転者の交通事故の状況|内閣府

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方

「80歳を超えたからそろそろ運転をやめさせたいけど、どうしたらよいか分からない」と悩んでいる方も多いでしょう。

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方として、以下の6つがあります。

  • 高齢者を家族が説得する
  • 高齢者の友人や知人に説得してもらう
  • 医師などの医療関係者に説得してもらう
  • 事故を起こすことによるリスクを伝える
  • 自動車を運転し続けるデメリットを伝える
  • 免許を返納するメリットを知ってもらう

ここからは、それぞれの方法を詳しく解説していくので、高齢者の運転をやめさせたいと考えている方は参考にしてください。

高齢者を家族が説得する

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方の1つ目は、家族が説得することです。

運転をやめてほしいという気持ちを素直に伝えることで、高齢者が運転をやめてくれる場合もあります。

また、高齢者に運転をやめるように説得しても応じてもらえない場合は、お孫さんからお願いする方法が効果的です。

高齢者は孫からのお願いに弱い傾向があるため、孫から「運転をやめてほしい」と伝えてもらうことで、素直に受け入れてくれる可能性が高まります。

高齢者の友人や知人に説得してもらう

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方の2つ目は、知人や友人に説得してもらうことです。

家族からの意見を聞き入れてもらえない場合は、高齢者の友人や知人から運転をやめることを勧めてもらいましょう。

80歳を超える高齢者の友人であれば、すでに免許を返納しているケースも多くあるため、発言に説得力があります。

「運転をやめたけど生活に不便を感じることはない」「ほかの友人も免許を返納している人が多い」など、運転をやめることへの抵抗感を減らせるため、友人や知人から説得してもらうことは効果的です。

また、まだ運転をしている友人や知人の場合でも、「免許の返納を考えている」「そろそろ運転をやめようと思っている」など、話題に取り上げることで、運転をやめることに対して関心を持ってもらえます。

医師などの医療関係者に説得してもらう

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方の3つ目は、医師などの医療関係者に説得してもらうことです。

80歳を超えると、病気などが原因で定期的に通院している高齢者も多いでしょう。

定期的に通院をしている高齢者の方であれば、医療関係者と信頼を築けている場合も多いです。

また、身内や友人などではなく、病院のスタッフという第三者の意見を聞くことで、運転をやめることに納得しやすいケースもあります。

さらに、かかりつけ医がいる場合は、医学的な観点からアドバイスをもらうことで納得感が高まるかもしれません。

可能であれば認知機能や視力などの検査を行い、機能低下によるリスクを伝えてもらうとよいでしょう。

しかし、認知機能や身体機能の低下をあまりにも強く伝えてしまうと、高齢者が自信を失くしすぎてしまう恐れがあるため、運転をやめることを促す程度にとどめておくのがおすすめです。

事故を起こすことによるリスクを伝える

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方の4つ目は、事故を起こすことによるリスクを伝えるというものです。

高齢者が事故を起こしたニュースを伝えて、同じようになる可能性があるということを理解してもらいましょう。

80歳以上の高齢者であれば、同じように80歳以上の高齢者が事故を起こしてしまったニュースを伝えると、より納得してもらいやすくなります。

また、事故を起こすと相手への賠償や刑事罰などが発生するため、自分だけではなく家族や他人にも迷惑をかけてしまうリスクがある点を伝えてみるのもおすすめです。

しかし、あまりに恐怖心を煽ってしまうと高齢者の不安が大きくなりすぎてしまうため、注意しておく必要があります。

自動車を運転し続けるデメリットを伝える

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方の5つ目は、自動車を運転し続けるデメリットを伝えることです。

自動車を運転し続けるには、車の維持費としてガソリン代・車検代・修理費・自動車税など、さまざまな費用がかかります。

1年あたりの維持費を算出して、自動車を運転し続けた際にかかる費用をシミュレーションしてみましょう。

特に年金で生活をしている高齢者の場合は、車の維持費を減らすことに大きなメリットを感じてもらえる可能性が高いため、維持費シミュレーションは効果的です。

また、運転をやめることで節約できたお金を別の用途に使える点も伝えてみましょう。

例えば、年間で10万円以上の節約ができる場合は「余ったお金で旅行が楽しめるよ」など、ほかの楽しみと合わせて説得をすれば、運転をやめてもらえる可能性を高められます。

免許を返納するメリットを知ってもらう

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方の6つ目は、免許を返納するメリットを知ってもらうことです。

免許を返納することにより、得られるメリットとして以下のようなものがあります。

  • 身分証明書として使用可能な「運転経歴証明書」がもらえる
  • タクシーやバスなどの割引を受けられる
  • 電車賃の割引を受けられる
  • 宿泊施設や温泉などの割引がある
  • ドラッグストアやメガネなどの商品の割引を受けられる

運転経歴証明書は、運転免許証のように更新の必要がないため、気軽に所有することができます。

運転経歴証明書を提示することで、さまざまな割引の適用を受けられます。

割引の内容は各地方自治体で異なるため、お住いの地域で実施されている割引を確認して、運転をやめてほしい高齢者に教えてあげましょう。

各地方自治体で実施されている割引などの特典は「高齢運転者支援サイト」にまとめられているので、参考にしてください。

参考:運転が不安になってきたシニアドライバーやそのご家族へ 運転免許証の「自主返納」について考えてみませんか? | 政府広報オンライン

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方を実践する際の注意点

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方を実践する際の注意点として、以下の2つがあります。

  • 強引に運転をやめさせない
  • 車がなくなった時の代替案を考える

それぞれの注意点を詳しく解説していくので、高齢者の運転をやめさせようと考えている方は、確認しておくことをおすすめします。

強引に運転をやめさせない

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方を実践する際の注意点1つ目は、強引に運転をやめさせないことです。

運転によるリスクが大きいからといって、強引に運転をやめさせようとすると、高齢者が反発する可能性があります。

「80歳を超えたんだから運転をやめて」など、一方的に要望を伝えてしまわないようにしましょう。

高齢者との関係性が悪くなり、今後の付き合いに悪影響を及ぼすリスクがあるため、運転をやめさせたいという意思を押し通すことは避けるべきです。

しっかりと高齢者の意見も聞いて、気持ちを尊重しながら話し合いをすることが重要です。

あくまで高齢者の意見も尊重しながら、少しずつ運転をやめるように促していくようにしましょう。

高齢者とのコミュニケーションの取り方については、以下の記事でもまとめているので、参考にしながら運転をやめてほしいと伝えてみるのがおすすめです。

車がなくなった時の代替案を考える

80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方を実践する際の注意点2つ目は、車がなくなった時の代替案を考えることです。

地方に住んでいて「車がなくなった場合に生活に支障をきたすのではないか」と言う点を不安に感じている高齢者も多いです。

足腰が悪くなった高齢者は、移動手段として車がないと不便に感じる恐れがあります。

自転車に乗れる高齢者であれば、電動アシスト付きでもよいので、自転車での行動を勧める方法もおすすめです。

身体機能が低下しがちな高齢者にとって、自転車で移動することで筋力や体力を維持する方法として役立ちます。

また、公共交通機関が利用できる場合は、運転経歴証明書で割引が受けられることを伝えてあげましょう。

そのほか、高齢者と同居している場合は、家族がサポートしてあげるのも効果的です。

高齢者の代わりに運転してあげるという姿勢を示すことで、信頼関係に傷をつけることなく、運転をやめてもらうように促せます。

どうしても高齢者が運転をやめてくれない時は専門機関に相談

本記事で紹介した「高齢者の運転をやめさせたい時に試したい方法」を実践しても、運転をやめる気配がない場合は、専門機関に相談してみることをおすすめします。

都道府県警察では、運転をやめない高齢者ドライバーやその家族などが相談できる窓口を設けています。

医療系の専門職員や専門知識が豊富なスタッフが在籍しており、気軽に相談することが可能です。

運転をやめてくれない高齢者への対応方法が分からずに困っている方は、ぜひ利用してみましょう。

参考:安全運転相談窓口について|警察庁Webサイト

高齢者の気持ちを理解して運転をやめるよう説得してみよう

本記事では、80歳を超える高齢者の運転のやめさせ方を詳しく解説しました。

高齢者の気持ちを理解してあげながら、運転をやめるように促してみましょう。

また、高齢者の運転をやめさせる場合には、強引に運転をやめさせないことや、車がなくなった時の代替案を考えてあげることが大切です。

高齢者と同居している場合は、車がなくなった時の代替案として、家族が協力してあげるのがおすすめです。

同居していない高齢者であれば、公共交通機関やシニアカーなどを必要に応じて検討してみましょう。

また、同居していない高齢者の安否が不安な方は、弊社のハローライトで見守ることができます。

見守りサービスを導入すれば、高齢者のことを気遣っているという姿勢を見せられるため、運転をやめてほしいと説得する際にも役立つでしょう。

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この記事を書いた人

電球型高齢者見守りサービス「ハローライト」の開発・販売を行っています。見守りサービスに関する基礎知識からサービスの選び方までわかりやすく解説。自社サービスに偏ることなく中立な立場から記事を執筆いたします。

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