冬に気をつけたい高齢者の健康管理｜寒さに負けない体と心を守るポイントを解説

「高齢者の冬の健康管理で気を付けることはある？」

「メンタルケアのポイントも知りたい」

上記のようにお悩みではありませんか？

冬は高齢者にとって、体にも心にも負担のかかりやすい季節です。

寒暖差による血圧変動やヒートショック、外出機会の減少による筋力・気力の低下など、注意すべき点が多くあります。

また、日照時間の減少や人との関わりの減少から、気分の落ち込みや孤独感を抱く人も少なくありません。

この記事では、高齢者が冬を安全に、そして穏やかに過ごすための健康管理のポイントを、体・心・生活習慣の3つの側面から紹介します。

冬に起こりやすい高齢者の健康トラブルとは

冬は寒さや乾燥、日照不足などの影響で、高齢者の体や心にさまざまな負担がかかりやすくなります。

血圧の変動や脱水、免疫力の低下など、日常生活で注意すべきリスクを確認していきましょう。

寒暖差による血圧変動とヒートショックの危険性

冬は暖房の効いた室内と外気の温度差が大きく、血管が急に収縮・拡張することで血圧が大きく変動します。

高齢者は自律神経の働きが低下しているため、急な温度差に体が対応しきれず、ヒートショックを起こしやすくなるのです。

特に入浴時は要注意で、冷えた脱衣所から熱い浴槽に入ると血圧が急上昇し、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすこともあります。

そのため、入浴前に浴室と脱衣所を暖め、湯温は41度以下・入浴時間は10分以内を目安にすることが大切です。

入浴前後に水分をとることも、血圧変動をやわらげる効果があります。

暖房による温度差がもたらす体への負担

冬はリビングや寝室など暖房の効いた部屋と、廊下やトイレ、脱衣所など寒い場所との温度差が大きくなりやすい季節です。

体温が急に下がると血流が滞り、肩こりや関節痛が悪化するほか、筋肉が硬直して転倒リスクも高まります。

また、暖かい部屋で過ごすと快適に感じますが、外気に触れた瞬間に血圧が変動することもあります。

対策としては、廊下やトイレ、脱衣所に小型ヒーターや暖房マットを設置し、温度差をできるだけ少なくすることが大切です。

さらに厚手のカーテンや断熱シートを窓に取り付けると、部屋全体の冷えを防ぎ、体への負担を減らせます。

水分摂取不足による脱水・脳梗塞リスク

冬は喉の渇きを感じにくくなるため、高齢者は意識的に水分をとらないと脱水になりやすくなります。

脱水が進むと血液が濃くなり、血栓ができやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まるのです。

また、体内の水分不足は便秘や尿路感染、認知機能の低下にもつながります。

そのため、1日1.5〜2リットルを目安に、温かいお茶やスープなどを少量ずつこまめに摂取することが効果的です。

特に朝起きた時や入浴前後は水分が不足しやすいため、意識的に補給しましょう。

免疫力の低下で風邪や肺炎を起こしやすくなる

冬は気温の低下に加え、外出機会の減少や栄養不足、睡眠不足などが重なり、高齢者の免疫力が低下しやすくなります。

体温が下がると白血球の働きが鈍り、ウイルスや細菌に対する抵抗力が弱まります。

その結果、風邪やインフルエンザ、肺炎などにかかりやすくなり、重症化するリスクも高まる可能性もあるのです。

予防策として、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動で体を温めることが重要です。

また、ワクチン接種や手洗い・うがいの徹底も忘れずに行いましょう。

筋力低下・転倒・骨折が増加する恐れがある

冬は寒さのため外出や運動を控えがちになり、筋力やバランス能力が低下しやすくなります。

特に下半身の筋力が衰えると、ちょっとした段差や滑りやすい床で転倒するリスクが高まります。

転倒は骨折や寝たきりの原因になることもあるため、注意が必要です。

そのため、室内でできるストレッチやラジオ体操、軽い筋力トレーニングを習慣にしてみましょう。

また、靴底の滑り止めや手すりの設置、暖かい靴下で足元を保護するなど、日常生活での工夫も重要です。

高齢者の体を守る冬の健康管理のポイント4選

寒さが厳しい冬は、高齢者の体に負担がかかりやすく、転倒や風邪、ヒートショックのリスクも高まります。

ここからは、住環境・衣服・食事・運動など、日常でできる冬の健康管理のポイントを紹介します。

1.室温と湿度を保つ

室温は18〜22℃、湿度は50〜60％を目安にしましょう。

エアコンだけでなく、加湿器やサーキュレーターを併用して空気を循環させてください。

トイレや脱衣所など、急激な温度差が生じやすい場所には小型ヒーターを設置すると安心です。

冷えを防ぐ衣服と寝具選びも高齢者の体を守るうえで大切です。

2.冷えを防ぐ衣服と寝具を選ぶ

三首（首・手首・足首）を冷やさないようにして、重ね着を工夫し、保温性の高い下着や靴下を選びましょう。

寝具は電気毛布や湯たんぽを上手に使うと、就寝時の冷えを防げます。

3. 冬の食事と栄養バランスを意識する

冬は食欲が落ちやすく、栄養不足になりがちです。

体を温める根菜類、免疫を支えるたんぱく質やビタミンを意識的に摂りましょう。

特に鍋料理やスープは消化がよく、栄養と水分を同時に補えます。

4. 適度な運動で体力を維持する

寒さで動かなくなると筋肉や関節が硬くなり、転倒リスクが上がります。

外出が難しい日も、室内でできるストレッチやラジオ体操を行いましょう。

1日10分の運動を続けるだけで、体も心も温まります。

心の健康を守るメンタルケア

冬は外出や人との交流が減り、高齢者は孤独感や気分の落ち込みを感じやすくなります。

ここからは、生活習慣や家族の関わり、笑顔の習慣を通して、心の健康を守るポイントを紹介します。

日光と小さな習慣で気分を整える

朝の光を浴びることは、心のリズムを整える最も簡単な方法です。

カーテンを開けて日差しを感じるだけでも体内時計が整い、気分が前向きになります。

日中は無理のない範囲で散歩をしたり、手仕事や園芸などに打ち込む時間を持つと、達成感や安心感が得られるでしょう。

話す・笑う・感謝するといった小さな行動の積み重ねが、心の安定を支える力になります。

家族とのつながりが心の支えに

離れて暮らす家族とのコミュニケーションは、孤独を和らげる何よりの薬です。

短い時間でも、電話やビデオ通話で顔を見て話すことで安心感が生まれます。

「最近どう？」という一言で、高齢者は自分を気にかけてくれていると感じ、心が温まるでしょう。

定期的な連絡を習慣にすることも、冬のメンタルケアにつながります。

笑顔で免疫を高める

笑うことには、ストレスを軽減し免疫機能を高める効果があります。

好きなテレビ番組や落語を見たり、孫の写真を眺めたり、心から笑える時間を増やしましょう。

笑顔は周囲にも伝わり、家族全体の雰囲気を明るくします。

気持ちが前向きになると、体調にも良い影響が表れるかもしれません。

離れて暮らす家族もできる冬の健康管理とは

冬は寒さで高齢者の体調リスクが高まる季節です。

家族が離れて暮らす場合は、住環境の整備や見守りグッズの活用、帰省時の直接観察を通して、安全と安心を支えることができます。

住環境の整備

住環境の整備は高齢者が一人暮らしをするうえで、とても大切なことです。

暖房器具の点検やフィルター清掃を行い、寝室・廊下・トイレ・脱衣所の温度を確認してください。

脱衣所には小型ヒーターや断熱マットを設置して温度差を緩和し、転倒やヒートショックのリスクを減らしましょう。

厚手のカーテンや窓の断熱シートも併用すると、室内全体の冷えを防ぎ、快適で安全な環境を保てます。

見守りグッズの活用

以下のような見守りグッズの活用は、離れて暮らしている家族にとって、さらに安心できるでしょう。

• 電球タイプ
• 冷蔵庫センサー
• カメラタイプ
• ペンダントタイプ
• 乾電池型見守り

電球タイプは電気のON/OFFだけで安否確認でき、長時間の使用状況に応じて通知が届きます。生活必需品なので自然に見守りができ、カメラのように目立たない点も魅力です。

電球タイプの見守りサービスには、当社の「ハローライト」があります。以下で詳しく記載しているので、気になる方はぜひご覧ください。

テクノロジーを組み合わせ、高齢者の生活スタイルに合った見守りを導入しましょう。

見守りグッズに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ｜高齢者が冬を快適に過ごすためには心と体の健康管理が大切

冬は寒さや乾燥、日照不足によって高齢者の体や心に負担がかかる季節です。

まずは、温度管理を徹底することが大切です。室内外や浴室・トイレの急激な温度差を減らし、冷えやヒートショックを防ぎましょう。

また、朝の光を浴びたり、会話や笑顔で気分を整えたりすることも大切です。

見守りサービスや帰省時の観察、電話やビデオ通話で定期的に声をかけることで、高齢者の安心と生きがいを支えられます。

小さな工夫を積み重ねて、冬を安全で快適に過ごしましょう。