高齢者がぬいぐるみから得られる効果は？選び方や注意点も紹介

「高齢者がぬいぐるみから得られる効果は？」

「ぬいぐるみの種類によって効果が違う？」

高齢者がぬいぐるみから得られる効果について気になっている方も多いでしょう。

高齢者がぬいぐるみを使用することで、寂しさの軽減・認知症予防・ストレス軽減・コミュニケーション能力の向上などの効果を得られます。

本記事では、高齢者がぬいぐるみから得られる効果を詳しく解説していきます。

ぬいぐるみの選び方や使用する際の注意点も紹介しているので、参考にしてください。

高齢者がぬいぐるみから得られる効果4選

高齢者がぬいぐるみから得られる効果として、以下の4つがあります。

• 寂しさを感じづらくなる
• 認知症を予防できる
• ストレスを軽減できる
• コミュニケーション能力が上がる

それぞれの効果を詳しく解説していきます。

高齢者がぬいぐるみを使用することで、どのような効果が得られるか気になっている方は、参考にしてください。

寂しさを感じづらくなる

高齢者がぬいぐるみから得られる効果の1つ目は、寂しさを感じづらくなることです。

高齢者は、自分でできることが減ったり、趣味がなかったりすることで孤独感を感じやすい傾向にあります。

孤独感が続くと心だけではなく、身体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、寂しさへの対策は重要です。

ぬいぐるみを家族のように扱うことで愛着が生まれ、孤独感の軽減につながります。

特に一人暮らしの高齢者は、ぬいぐるみを身近な存在として接することで、寂しさを和らげられます。

また、ぬいぐるみ以外で高齢者の孤独感を解消したい方は、以下の記事もご覧ください。

認知症を予防できる

高齢者がぬいぐるみから得られる効果の2つ目は、認知症の予防です。

ひきこもりがちな高齢者が増加している現代では、脳が活性化する機会が減少しており、認知症になりやすい傾向にあります。

しかし、高齢者がぬいぐるみを使用すれば、脳の活性化に必要な刺激を得られるため、認知症予防の効果が得られる可能性があります。

例えば、過去の思い出をぬいぐるみに結び付ければ、記憶を司る海馬を刺激することが可能です。

そのほか、ぬいぐるみに服を着せたり撫でたりする行動は、脳の運動野を刺激するため、認知症予防に効果があります。

高齢者が認知症かもしれないと感じている方は、以下の記事も参考にしてください。

ストレスを軽減できる

高齢者がぬいぐるみから得られる効果の3つ目は、ストレスの軽減です。

ぬいぐるみと接触することでストレスの緩和効果がある「オキシトシン」が分泌されるため、ストレスを軽減できることが研究で明らかになっています。

特に柔らかいものに触れた際に、ストレスの軽減効果が大きくなるとされているため、ぬいぐるみは高齢者のストレス軽減に効果的です。

また、ぬいぐるみは否定をせずに受け入れてくれる存在として重要です。

前頭葉の機能低下やホルモンバランスの乱れなどによって、イライラしてしまう高齢者も少なくありません。

すべてを受け入れてくれる存在のぬいぐるみは、ストレスを抱えがちな高齢者にとって、精神的な安定をもたらします。

また、高齢者がイライラする原因や対策方法が気になる方は、以下の記事も参考にしてください。

参考：短期的なふれあいにおけるロボット介在活動とぬいぐるみ介在活動の ストレス緩和効果の比較

コミュニケーション能力が上がる

高齢者がぬいぐるみから得られる効果の4つ目は、コミュニケーション能力の向上です。

普段の生活で話す機会が減少してしまうと、言語能力が低下して他人とコミュニケーションが取りづらくなるケースも少なくありません。

高齢者がぬいぐるみに話しかけることで、言葉を引き出しやすくなり、円滑な会話ができるようになります。

また、ぬいぐるみが会話をするきっかけになる場合もあります。

「可愛いぬいぐるみですね」「どこで購入しましたか？」など、家族や友人だけではなく、介護施設の入居者同士で会話をする機会を増やす効果も得られるでしょう。

高齢者にとってコミュニケーションは重要であり、寂しさを軽減したり認知症を予防したりする効果も期待できます。

高齢者とのコミュニケーションについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

高齢者におすすめのぬいぐるみの選び方

高齢者におすすめのぬいぐるみの選び方として、以下の3つがあります。

• ぬいぐるみの形を決める
• 触り心地の良さを比べる
• おしゃべり機能の有無を決める

ぬいぐるみの種類によって、得られる効果が異なる場合もあるため、しっかりと比較しておくことをおすすめします。

ぬいぐるみの種類を決める

高齢者におすすめのぬいぐるみの選び方1つ目は、ぬいぐるみの種類を決めることです。

ぬいぐるみには、以下のようにさまざまな種類があります。

• 人型
• 犬型
• 猫型
• クマ型
• うさぎ型
• サル型
• リス型
• キャラクター型

人型のぬいぐるみであれば、服を着替えさせたりアクセサリーを付けさせたりするなどの楽しみ方ができます。

また、人の形をしているため、親近感が湧きやすい点も特徴です。

そのほか、猫や犬、クマなどの動物型であれば、ペットのように可愛がることができます。

ペットを飼えない高齢者は、ぬいぐるみで疑似的に世話をしてみることもおすすめです。

名前を決めたり、首輪を付けたりしながら、ペットとの生活を再現できます。

また、高齢者が好きなキャラクターがある場合は、ゆるキャラやアニメのキャラなどの形をしたぬいぐるみも良いでしょう。

触り心地の良さを比べる

高齢者におすすめのぬいぐるみの選び方2つ目は、触り心地の良さを比べる方法です。

ロボット・セラピーにおける研究結果によると、柔らかさが心理的・生理的ストレスの改善効果が高いとされています。

ぬいぐるみでストレス軽減の効果を求める場合は、柔らかいものを選ぶのがおすすめです。

また、中綿の量が多いぬいぐるみであれば、抱いているときに形を保ちやすいです。

さらに、重みのあるぬいぐるみの場合は、本当に抱いているような感覚を得られるため、満足感が高まります。

触り心地や重量感などを比較して、高齢者の好みに合わせたぬいぐるみを選びましょう。

参考：ロボット・セラピーにおける柔らかい触感の重要性

おしゃべり機能の有無を決める

高齢者におすすめのぬいぐるみの選び方3つ目は、おしゃべり機能の有無を決めることです。

おしゃべり機能があるぬいぐるみであれば、実際に会話をしているような気分になれるため、高齢者の寂しさを軽減できる効果が高まります。

おしゃべりをするぬいぐるみへの返答を考える機会も生まれるため、認知症予防などの効果も期待できます。

また、おしゃべり機能がないぬいぐるみは、自分の好きなように話しかけられる点がメリットです。

高齢者が自由に話しかけられるため、自分の思いを伝えやすく、ストレスの軽減効果が得やすいです。

もしおしゃべり機能付きのぬいぐるみを選ぶ際には、音量調整や電池交換のしやすさなどを確認しておきましょう。

高齢者がぬいぐるみを使う際の注意点

高齢者がぬいぐるみを使うことでさまざまな効果を得られますが、注意点もあります。

動物型のぬいぐるみをペットのように扱っている場合、ぬいぐるみが壊れたりなくなったりすると、ペットロスのような症状が出る可能性があります。

ペットロスが原因で、かえって高齢者にストレスを与えてしまう場合があるため、予備のぬいぐるみを準備しておきましょう。

また、認知症の高齢者などを対象に、ドールセラピーとしてぬいぐるみが使用されるケースも多いです。

ドールセラピーを行う際には、周囲の人もぬいぐるみの扱い方に注意する必要があります。

ぬいぐるみを「モノ」として扱ってしまうのではなく、「ヒト」として丁寧に接するようにしましょう。

高齢者はぬいぐるみからさまざまな効果を得られる！

本記事では、高齢者がぬいぐるみから得られる効果について詳しく解説しました。

高齢者がぬいぐるみを手にすることで、寂しさやストレスの軽減・認知症の予防・コミュニケーション能力の向上などの効果が期待できます。

また、触り心地やおしゃべり機能の有無によっても得られる効果が変わるため、しっかりと比較したうえでぬいぐるみを選ぶのがおすすめです。

高齢者がぬいぐるみを使う際の注意点も参考にしながら、ぬいぐるみから得られるさまざまな効果を活かしていきましょう。