免許返納の年齢の目安を知りたい！返納のメリットやデメリットも解説

「親が高齢になっているけれど免許返納をした方が良い？」

「返納する年齢の目安はどれくらい？」

上記のようにお悩みではありませんか？

運転に自信がなくなってきたら、免許返納を考えるタイミングかもしれません。

返納することで事故のリスクを減らし、車の維持費を節約することもできます。

今回の記事では、免許返納のメリット・デメリット、運転経歴証明書の特典を解説します。

これからの暮らしをより安心・快適にするために、ぜひ参考にしてみてください。

運転免許証は何歳で返納するべき？

免許の返納に年齢制限はなく、運転しなくなったとしても必ず返納しなければならないわけではありません。

運転免許証の返納は、人それぞれの状況に応じて判断することが大切です。

返納を考える際は、生活環境が変わり車を使う機会が減ったときや、年齢とともに身体機能が低下し運転に不安を感じるようになったときが挙げられます。

最近では高齢者による交通事故のニュースを目にすることも多く、免許を返納すべきか悩んでいる方もいるでしょう。

警察庁の統計（令和4年版）によると、実際に自主返納する人は65歳以上から75歳以上の年齢層が多くなっています。

ただし、一度返納すると取り消すことはできません。

「やっぱり運転したい」と思っても、再び免許を取得するには試験や講習を受ける必要があり、時間も費用もかかります。

そのため本当に返納しても問題ないか、慎重に考えてから手続きを進めるようにしましょう。

免許返納のタイミング

運転を続けるかどうかを判断するには、自分の体調や運転技術の変化に気づくことが大切です。

特に注意力や視力の低下、運転ミスの増加などが見られる場合、安全のために返納を検討する必要があるかもしれません。

ここでは、免許返納を考える主なタイミングについて解説します。

注意力や集中力が衰えてきたとき

親が高齢になり「最近、運転大丈夫？」と注意を受けることが増えたり、親自身が集中力の低下を感じ始めたりした場合は、免許返納を真剣に考えたほうが良いかもしれません。

集中力の低下は、加齢によって誰にでも起こり得ることです。

「自分の親はまだ大丈夫だ」と過信せず、免許返納について家族で話し合って検討してみましょう。

視力・聴力・反射能力が衰えたとき

視力や聴力、反射能力などの身体的な機能が衰えてきたと感じたとき、免許返納を考える時期かもしれません。

これらの能力は運転に直結する重要な要素です。

例えば視力が低下すると標識や信号が見えづらくなり、聴力の低下は周囲の音に気づきにくくなるため、事故のリスクが高まります。

さらに、身体能力の低下には認知機能の衰えも関わってきます。

認知機能の衰えは、判断力や記憶力の低下を含み、運転においては特に重要です。

しかし、この認知機能の衰えは高齢者自身が気づきにくいことが多く、実際には周囲の人々の方が気づきやすいことがあります。

本人が「まだ大丈夫」と感じている場合でも、家族で運転の不安や危険性について話し合うことが非常に重要です。

認知症について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせて参考にしてください。

運転中のミスが増えたとき

「運転中にミスが増えてきた」と感じた場合、免許返納を考えるタイミングかもしれません。

ウインカーを出し忘れたり、ミラーの確認を怠ったり、さらにはアクセルとブレーキを踏み間違えたりするような大きなミスが増えることがあります。

これらのミスは一瞬で大きな事故につながり、最悪の場合、自分や他の人の命を奪うことにもなりかねません。

悲しい事故を防ぐためにも、運転中のミスを気にし始めたら、免許返納を真剣に考える必要があります。

家族として、安全を守るために本人としっかり話し合い、サポートすることが大切です。

以下の記事では「80歳を超えた高齢者の運転のやめさせ方」を詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

車を運転する機会が減ったとき

身体に特に変化を感じていなくても、車に乗る機会が減ったときは免許返納を考える良いタイミングかもしれません。

例えば、家族が車を運転するようになったり、交通の便利な場所に引っ越したりすることで、車を運転せずに生活できるようになることがあります。

こうした生活環境の変化があった時も、免許返納を考えるべきタイミングです。

実際に、運転をしばらくしていないと、久しぶりに車を運転するのが少し怖く感じることもあります。

「車に乗らなくても生活に困らない」と思った時は、免許返納を真剣に考えてみても良いかもしれません。

免許返納によるメリット

免許を返納すると、安全面や経済面での改善が期待できたり、返納後に受けられるサポートや特典を得られたりするメリットが得られます。

それぞれの内容を、詳しく解説していきます。

事故を起こす心配が少なくなる

免許を返納すると、事故を起こすリスクを減らせます。

高齢者の運転による事故が増えている中、免許返納は加害者になるリスクを抑える有効な手段です。

加齢に伴う認知機能や運動能力の低下が原因で、運転中に周囲の車や歩行者を巻き込む事故が発生する恐れがあるかもしれません。

「自分はまだ大丈夫」と思っている高齢者も多いですが、家族や近しい人から運転について指摘された場合は、免許返納を真剣に考える必要があるでしょう。

車の維持費がかからなくなる

車を所有している場合、免許返納後は車を運転しなくなるため、車にかかる維持費を大幅に減らせます。

車を持つ場合、以下のような多くの維持費がかかります。

• 駐車場代
• 自動車税
• ガソリン代
• 車検代
• 定期点検費用
• メンテナンス費用
• 保険代

また車を売却することで、その販売価格を利益として得られる可能性もあるため、免許返納と合わせて車を手放すことでさらに経済的なメリットが得られるでしょう。

運転経歴証明書を受け取れる

免許を返納すると「運転経歴証明書」を受け取ることができます。

この証明書は、免許を返納した日または、免許の有効期限が切れた日から過去5年間の運転歴を証明するものです。

参考：運転経歴証明書の各種手続きについて｜神奈川県警察

運転経歴証明書は、免許証と同じように身分証明書として使用できます。

免許返納と同時に発行手続きを行いますが、返納から5年以上経過すると取得できなくなるので注意が必要です。

さらに一部の機関では、運転経歴証明書を身分証として認めていないことがあるため、使用前に確認しておくようにしましょう。

免許返納によるデメリット

免許返納にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。

返納を決める前に、どんなデメリットがあるのかを理解しておくことが大切です。

ここでは、免許返納後に考慮すべきデメリットについて紹介します。

免許を再度取得することが困難になる

免許を返納した後に再度取得することは難しいでしょう。

免許を返納した後、再度車を運転したい場合には、免許を取り直さなければなりません。

再取得する場合は簡単な手続きではなく、学科試験や技能試験をクリアし、教習所に通う必要があります。

そのため免許を返納する際には、再度車を運転することがないと決めたうえで手続きを進めるようにしましょう。

スムーズに移動できなくる

免許を返納すると、移動が不便になることがあります。

車を運転できなくなることで、タクシーや公共交通機関など他の移動手段を使わなければならなくなります。

特に交通機関が整備されていない地域では、不便を感じるかもしれません。

例えばバスや電車の停留所や駅が遠い場合、移動に時間がかかり、生活に不便を感じることがあります。

また大量の買い物をした場合、自転車や徒歩では荷物を運ぶのが大変です。

免許返納を決める前に「移動に支障がないか、他の方法で問題が解決できるか」をしっかり考えてから行動することをおすすめします。

免許返納の年齢の目安は人それぞれ

免許返納は、高齢者や運転に不安を感じる方にとって重要な選択です。

返納により事故リスクを減らせたり、経済的な負担軽減が期待できたりできます。

しかし返納後は再取得が難しく、移動の不便さも伴うため、返納を検討する際は自身の運転技術や生活環境を考慮し、慎重に決断することが大切です。

家族との話し合いを重ね、安全で快適な生活を支える方法を選びましょう。

また、大切な家族が運転を卒業した後も安心して過ごせるように、見守りサービスもご検討ください。

見守りサービスを活用すれば、離れていても体調の変化や外出の状況を確認でき、いつでもそばにいるような安心感を得られます。

「ちゃんと暮らせているかな？」「何か困っていないかな？」そんな心配を少しでも減らし、家族の安全と快適な生活を見守りませんか？