デイサービスとは？内容・メリット・選び方まで徹底解説

高齢の家族を介護していると、「一人で抱えきれない」「日中だけでもサポートしてほしい」と思うことはありませんか。

そんな時に役立つのがデイサービスです。

デイサービスは、送迎付きで日中に介護・食事・入浴・レクリエーションなどを提供する介護保険サービスの一つです。

本記事では、デイサービスの内容を詳しく解説します。

メリット・デメリット・選び方も合わせて紹介しているので、デイサービスを検討の際はぜひ参考にしてみてください。

デイサービスとは

デイサービスとは、高齢者が日中だけ施設に通い、食事・入浴・機能訓練・レクリエーションなどのサービスを受けられる介護保険制度に基づく通所介護のことです。

利用者は朝に送迎車で施設へ向かい、夕方には自宅に戻るため、在宅生活を続けながら必要なケアを受けられます。

在宅介護との違いは、施設に集まることで同世代との交流や多様な活動が可能になる点です。

孤立感の軽減や身体機能の維持・向上に役立ちます。

デイサービスの対象者は要介護認定を受けた高齢者が中心ですが、要支援認定の方も「介護予防通所介護」として利用できます。

介護保険を使わない自費利用も一部の施設で可能です。

参考：介護保険制度について

デイサービスで受けられる内容

デイサービスでは日常生活を支える基本的な介護から、健康維持や交流の機会まで、幅広いサービスが提供されています。

ここでは、代表的な内容を紹介します。

送迎サービス

デイサービスでは、自宅と施設の間を送迎してくれるサービスが含まれています。

車いす対応の送迎車を用意している施設も多く、歩行が不安な方でも安心して通えます。

送迎時間は利用者の生活リズムに合わせて設定されるため、無理なく日中の活動に参加できるでしょう。

また、送迎時にはスタッフが安全面をしっかり確認するため、事故や転倒のリスクも最小限に抑えられます。

入浴サポート

デイサービスでは、入浴が自宅で難しい方でも、安全に入浴できる設備とスタッフのサポートが整っています。

個浴や機械浴を導入している施設もあり、身体の状態に応じた入浴が可能です。

介助が必要な場合でも、スタッフが丁寧にサポートしてくれるので、安心して清潔を保つことができます。

入浴中は体調の変化にも注意してもらえるため、健康管理の面でもメリットがあります。

食事の提供

施設では、栄養バランスを考えた食事が提供されます。

嚥下が難しい方には刻み食やとろみ食、糖尿病や腎臓病など特定の食事制限が必要な方には治療食も対応可能です。

食事の時間は交流の場にもなり、同年代の方との会話やコミュニケーションを楽しめるため、心の健康にもつながります。

また、スタッフが食事量や体調の変化を観察してくれるため、日々の健康管理にも役立ちます。

機能訓練（リハビリ）

デイサービスでは、理学療法士や作業療法士による運動や生活動作の訓練が行われます。

筋力維持や関節の柔軟性を高める運動、歩行や立ち上がりなど日常動作をサポートするリハビリを実施しているのです。

定期的な訓練を行うことで、転倒リスクの軽減や自立した生活の維持につながります。

また、個別プログラムが用意されている施設もあり、一人ひとりの身体の状態に合わせたケアが受けられます。

健康チェック

デイサービスでは、日々の健康チェックが行われます。

血圧・体温・脈拍などの測定に加え、体調の変化や異常の有無をスタッフが観察します。

異常があった場合は、家族や主治医へ速やかに報告されるため、健康トラブルの早期発見にも繋がるでしょう。

定期的な健康チェックで安心して日常生活を送れるだけでなく、医療・介護サービスとの連携もスムーズになります。

デイサービスのメリット

デイサービスを利用することで、高齢者本人だけでなく家族の生活にも大きなプラスがあります。

ここでは、特に家族介護者にとって実感しやすいメリットを具体的に紹介します。

日中の介護負担が軽減できる

デイサービスを利用すると、日中の介護を施設に任せられるため、家族の負担が大きく軽減されます。

入浴や食事、排泄の介助、見守りなど日常的に必要なサポートをスタッフが対応してくれます。

そのため、「ずっと付きっきりで介護しなければならない」という状況から解放されるのです。

特に高齢者の介護は体力的にも精神的にも負担が大きいため、日中だけでも安心して任せられる場所があることは家族にとって大きな助けになるでしょう。

以下の記事では、介護によるストレスについて解説しているので、合わせて参考にしてください。

専門職に相談できる安心感がある

デイサービスには、介護職員だけでなく、看護師や理学療法士、ケアマネジャーなどの専門職が在籍している施設も多くあります。

日常の健康管理やリハビリの相談、介護に関する不安や疑問を気軽に相談できるため、家族だけで抱え込む必要がありません。

専門職のアドバイスを受けることで、安心して在宅介護を続けられる環境が整います。

デイサービスのデメリット

デイサービスは多くのメリットがありますが、利用にあたっては注意したい点もあります。

ここからは、家族や本人が事前に知っておくと安心なデメリットについて説明します。

他利用者との相性が合わない場合がある

デイサービスでは多くの高齢者が一緒に過ごすため、性格や生活習慣の違いから、他利用者との相性が合わないことがあります。

特に初めて利用する場合は、雰囲気や活動スタイルが自分に合わないと感じることもあるかもしれません。

ただし、スタッフが状況を把握して配慮してくれる施設も多く、利用者同士のトラブルを未然に防ぐ工夫がされています。

施設選びの段階で見学や体験をすることが、安心して通うポイントになるでしょう。

送迎時間に生活リズムを合わせる必要がある

デイサービスでは送迎サービスが基本ですが、その時間に生活リズムを合わせる必要があります。

朝早くの送迎や、夕方の帰宅時間が固定されている施設もあるため、日常の活動や趣味の時間に影響することがあります。

送迎時間が合わない場合は、施設に相談して柔軟に対応してもらえるかを確認することが大切です。

施設によってサービス内容や質に差がある

デイサービスは以下のように、施設によって提供されるサービス内容や質に差が出てくる傾向にあります。

• リハビリ設備が充実している
• 食事サービスが手厚い
• スタッフの人数や経験に差がある

そのため事前に見学や体験利用を行い、家族や本人の希望に合った施設を選ぶことが重要です。

質の違いを理解して選ぶことで、満足度の高い利用が可能になります。

デイサービスの選び方

デイサービスを選ぶ際は、施設の特徴やサービス内容を比較しながら、自分や家族の生活スタイルに合ったところを見つけることが大切です。

ここでは、選ぶときに注目すべきポイントを順に紹介します。

見学して選ぶ

デイサービスを選ぶ際は、実際に施設を見学することが大切です。

見学することで施設の雰囲気や清潔さ、利用者同士やスタッフの様子を確認できます。

見学時には、以下のことをチェックしましょう。

• 活動内容
• 食事
• リハビリ設備
• レクリエーションの様子

上記をチェックしておくことで、安心して利用できる施設かどうかを判断しやすくなります。

スタッフの声がけやサポートで選ぶ

施設を選ぶときは、スタッフの声がけやサポートの質も重要です。

利用者一人ひとりに丁寧に対応してくれるか、体調や気持ちに配慮した声がけをしてくれるかをチェックしましょう。

親身な対応がある施設は、安心して預けられるだけでなく、高齢者本人も快適に過ごすことができます。

スタッフの対応は、施設全体の雰囲気を知る上でも大きな判断材料となるのです。

送迎エリアや日数で選ぶ

デイサービスの利用にあたっては、送迎エリアや利用可能な日数も重要な選択基準です。

自宅から遠い施設は通う負担が大きくなり、希望する曜日に利用できるかどうかも確認が必要です。

送迎範囲やサービス提供日を事前に把握することで、日常生活に無理なく組み込むことができ、介護者と利用者双方にとって利用しやすい環境を選べます。

費用とサービスのバランスで選ぶ

デイサービスを選ぶ際は、費用とサービス内容のバランスも確認しましょう。

料金は施設によって異なり、食事・入浴・リハビリの充実度によって変動します。

費用が高いほどサービスが手厚いとは限らないため、希望するサービスが適切に提供されているかをチェックすることが大切です。

事前に見積もりを取り、家計に無理なく利用できる施設を選ぶことが、長期的な利用の満足度につながります。

デイサービスはサービスのバランスを見て検討しよう

デイサービスは、高齢者が日中だけ施設に通い、食事・入浴・リハビリ・レクリエーションなどを受けられる介護保険サービスです。

利用することで、在宅生活を続けながら身体機能の維持や社会的交流が可能になり、家族の介護負担も軽減できます。

選ぶ際は、施設見学で雰囲気や設備を確認し、スタッフの対応・送迎範囲・利用日数・費用とサービスのバランスを比較することが大切です。

事前にポイントを押さえて選ぶことで、安心して長く利用できる施設を見つけられます。

また、日中の見守りサービスを活用すれば、外出中や仕事中も高齢者の安全をしっかりサポートでき、家族も安心です。