デイサービスとデイケアの違いとは？特徴・選び方・メリットデメリットを解説

「デイサービスとデイケアの違いを知りたい」

「それぞれメリットやデメリットはある？」

高齢者や介護が必要な方の生活を支える「デイサービス」と「デイケア」。

どちらも日中に通う施設ですが、目的やサービス内容には大きな違いがあります。

デイサービスは生活支援や交流を中心に、日常リズムの維持や趣味の時間を楽しみたい方に向いています。

一方、デイケアは医療的リハビリや健康管理が中心で、病気やケガの回復、退院後の生活に不安がある方に適しているのです。

本記事では両者の特徴や比較、向いている人のタイプ、メリット・デメリットまで詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

デイサービスとデイケアの違い

デイサービスとデイケアと名前は似ていますが、目的や体制に大きな違いがあります。

主な目的やサービス内容の違いは、以下の通りです。

	デイサービス	デイケア
主目的	生活支援・交流	医療的リハビリ
スタッフ	介護職員・看護師	医師・リハビリ専門職・看護師
サービス内容	入浴・食事・レクリエーション	リハビリ・健康管理・食事・入浴
利用者の傾向	生活リズムを整えたい人・交流したい人	回復訓練が必要な人・医療的サポートが欲しい人

デイサービスとデイケアは、どちらも通所型の介護サービスですが、目的やスタッフ体制が大きく異なります。

デイサービスは「生活の支援や交流」が中心で、安心して過ごせる環境づくりに重きを置いています。

一方、デイケアは「医療的なリハビリ」が軸となっており、専門職による機能回復や健康管理を受けられる点が特徴です。

どちらを利用するかは、「生活サポートを優先するのか」「医療的リハビリを必要とするのか」 が判断の目安になります。

デイサービスとは？

デイサービスとは、介護保険制度における「通所介護サービス」のことを指します。

利用者が日中に施設へ通い、入浴・食事の介助・健康チェック・レクリエーションなどを受けられるサービスです。

自宅で生活を続けながら、日常生活に必要な支援を受けられるのが大きな特徴といえます。

デイサービスの主な目的は、利用者ができるだけ自立した生活を送れるようにサポートし、介護を担う家族の負担を軽減することです。

施設で過ごす時間を通じて生活リズムが整い、閉じこもりや孤独感の予防にもつながります。

提供されるサービスは施設によって異なりますが、一般的には以下のような内容があります。

• 食事や入浴など日常生活の介助
• 血圧測定や体温測定などの健康チェック
• 機能訓練指導員による簡単な体操や運動
• ゲーム・手工芸・歌などのレクリエーション活動
• 他の利用者との交流によるコミュニケーションの促進

このように、デイサービスは「日常生活のサポート」と「社会的な交流」の両方を重視したサービスであり、介護度の高低に関わらず様々な方々に利用されているのです。

以下の記事で、デイサービスについて詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。

デイケアとは？

デイケアとは、正式には「通所リハビリテーション」と呼ばれる介護保険サービスのひとつです。

医師の指示のもとで、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職が中心となり、身体機能の維持や回復を目的とした支援を行います。

デイケアの最大の特徴は、医療とリハビリに重点を置いたサービスである点です。

病気やケガの後遺症が残っている方、退院後の生活に不安がある方などに向いています。

具体的なサービス内容には、以下があります。

• 理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリ（歩行訓練・筋力トレーニング・関節可動域の改善など）
• 医師や看護師による健康チェックや医学的管理
• 食事や入浴の介助（必要に応じて提供）
• 日常生活動作（着替え・トイレ動作・料理など）の訓練

デイケアは単なる介護の場ではなく、医療的なアプローチを伴うため、体の機能を維持・改善しながら自宅生活を続けられるようにサポートしてくれます。

参考：介護予防通所リハビリテーション（デイケア）とは | 健康長寿ネット

デイサービスとデイケアの選び方

ここからは、デイサービスとデイケアの選び方を解説していきます。

デイサービスが向いてる人

デイサービスは生活の支援や交流を中心としたサービスであるため、利用者の状態や目的によって、向き不向きがあります。

どのような人に向いているのかを詳しく見ていきましょう。

家での生活リズムを整えたい

家での生活リズムを整えたい人に、デイサービスは向いています。

高齢になると、昼夜逆転や生活のリズムが乱れやすくなるからです。

デイサービスに通うことで以下のような流れが生まれ、生活リズムが整います。

• 朝起きて準備をする
• 日中は施設で過ごす
• 夕方に帰宅する

これにより、健康的で規則正しい毎日を送れるようになるでしょう。

一人での生活に不安がある

デイサービスは、一人での生活に不安がある方にもおすすめです。

日中一人で過ごす時間が長いと、転倒や体調の急変などに不安を感じる方も少なくありません。

デイサービスではスタッフが見守ってくれるため安心です。

また、利用者同士の交流もあり、孤独感の解消にもつながるでしょう。

家族の介護負担を軽減したい

デイサービスを利用することで、家族の介護負担を軽減できます。

自宅で介護をしている家族にとって、休息時間を持てることは大きなメリットです。

デイサービスを利用すれば、家族が仕事や用事を済ませたり、心身をリフレッシュしたりする時間を確保できます。

以下の記事では、介護疲れとストレスについて解説しているので、合わせて参考にしてください。

趣味や交流を楽しみたい

デイサービスでは、ゲーム・手工芸・音楽活動など、さまざまなレクリエーションが行われます。

同世代の仲間と交流しながら趣味を楽しむことで、心の張り合いや生きがいを感じられるのも大きな魅力です。

デイケアが向いてる人

デイケアは、医療的リハビリや健康管理を中心としたサービスです。

そのため、身体機能の維持や回復、医学的なサポートを必要とする方に向いています。

病気やケガのリハビリが必要

デイケアは、病気やケガのリハビリが必要な方に向いています。

病気やケガの後は、筋力や関節の動きが低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。

デイケアでは、理学療法士や作業療法士によるリハビリを受けられるため、無理のない範囲で体力や機能の回復を目指せるのです。

早期に適切な訓練を行うことで、回復がスムーズになるのも大きなメリットです。

専門的なリハビリで機能回復を目指したい

デイケアでは、リハビリの専門スタッフが個人の体の状態に合わせてリハビリプログラムを作成します。

歩行訓練や筋力トレーニング、関節可動域の改善など、専門的なアプローチを受けられるため、より効率的に身体機能の回復や維持が可能です。

医師や看護師の健康管理を受けたい

医師や看護師の健康管理を受けたい方にも、デイケアはおすすめです。

高齢者や持病を持つ方は、体調の変化に早く対応することが重要です。

デイケアでは医師や看護師による血圧測定や体温チェック、服薬管理などの健康管理が行われます。

日常生活での不安を軽減し、安全に自宅生活を続けられる環境を提供してくれます。

退院後の生活に不安がある

退院後の生活に不安がある方も、デイケアの利用を検討しましょう。

病院を退院した直後は、体力の低下や生活動作への不安から、自宅での生活に不安を感じる方も少なくありません。

デイケアを利用すれば、リハビリや健康管理を受けながら徐々に自宅での生活に慣れていけるため、安心して生活を再開できます。

デイサービスとデイケアのメリットとデメリット

デイサービスとデイケアは、それぞれ特徴や目的が異なるため、利用する際にはメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

どちらも生活を支える重要なサービスですが、向き不向きや日常生活への影響には違いがあります。

ここからは、それぞれのサービスの利点と注意点を整理して紹介します。

デイサービスのメリット

デイサービスのメリットには、主に以下があります。

• 生活リズムが整う
• 交流の場が増える
• 家族の介護負担を軽減できる

デイサービスでは、施設での規則正しい活動を通して生活リズムを整えられ、同世代との交流やスタッフの見守りで孤独感や不安を軽減できます。

また、日中預けることで家族の休息や用事の時間も確保できるのが大きなメリットです。

デイサービスのデメリット

デイサービスにはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

• 医療的ケアは限定的
• リハビリ効果は低め
• 混雑時は希望の活動ができない場合も

デイサービスでは、専門的な医療やリハビリは提供されないため、病気やケガの回復を目的とする方には十分な対応ができません。

また、人気の時間帯やプログラムでは希望の活動が制限されることもあります。

デイケアのメリット

デイケアのメリットは、以下の通りです。

• 専門的なリハビリが受けられる
• 健康管理が手厚い
• 退院後の生活を安心して再開できる
• 介護負担を軽減できる

デイケアでは、理学療法士や作業療法士による個別リハビリが受けられるほか、医師・看護師による健康チェックも行われます。

そのため退院後や体力低下時でも安全に自宅生活を再開でき、家族の負担も軽減されます。

デイケアのデメリット

デイケアにも、以下のようなデメリットが挙げられます。

• 生活支援や交流の機会は限定的
• 利用対象が限定される
• 費用がやや高め

医療やリハビリに重点を置いているため、趣味や交流の機会はデイサービスほど充実していません。

また、体力や健康状態によって利用対象が限られることや、専門スタッフの関与によって費用がやや高めになる点にも考慮が必要です。

デイサービスとデイケアの違いを理解してサービスを活用しよう

デイサービスとデイケアは、目的やサービス内容が異なるため、自分や家族の状況に合わせて選ぶことが大切です。

生活リズムを整えたり、交流や趣味を楽しんだりしたい場合はデイサービス、病気やケガのリハビリや医療的サポートが必要な場合はデイケアが適しています。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、比較内容や利用目的を参考に、無理なく安心して通える施設を選んでみましょう。