一人暮らしの高齢者におすすめの暇つぶし10選｜寂しさを感じる理由や選び方を解説

「一人の時間が増えたけれど、何をしていいかわからない…」
「テレビをぼーっと見て過ごす毎日が虚しく感じる…」
このように同じ毎日の繰り返しで、お悩みではありませんか？

特に定年退職し仕事や子育てを終えた高齢者にとって、時間があるのは嬉しい反面、「暇を持て余す」という新たな悩みに直面することも少なくありません。

総務省統計局の「国勢調査」によれば、65歳以上の一人暮らし高齢者は年々増加しており、2020年では全体の約13％を占めています。

一人暮らしで「何をして過ごせばよいのか」という時間を持て余す状態は、心身の健康に大きく影響します。

本記事では、誰かと一緒でなくても楽しめたり、続けることで心が豊かになったりする一人暮らしの高齢者におすすめの10個の暇つぶしを紹介します。

さらに、なぜ高齢者が暇をつらく感じやすいのかという背景や、自分に合った趣味の選び方についても解説します。

一人暮らしの高齢者におすすめの暇つぶし10選

一人暮らしの高齢者におすすめの暇つぶしとして、以下の10種類が挙げられます。

• ベランダガーデニングや家庭菜園
• 100均アイテムできる簡単DIY
• オンラインによる将棋
• オンライン料理教室
• 映画鑑賞
• 青春時代の音楽鑑賞
• 簡単ストレッチで健康維持
• 写真を撮ってアルバム作成
• 音声読書（オーディオブック）
• 連用日記

それぞれの暇つぶしが高齢者に向いている理由を一つずつ紹介するので、参考にしてください。

ベランダガーデニングや家庭菜園

一人暮らしの高齢者におすすめの暇つぶしの1つ目は、ベランダガーデニングや家庭菜園です。

植物を育てることは、日々の生活に小さな喜びと達成感をもたらします。

ベランダでのプランター栽培なら、土いじりの楽しさを手軽に味わえるでしょう。

家庭菜園で育てやすい野菜は、以下の通りです。

• ミニトマト
• ピーマン
• オクラ
• バジル
• シソ

さらに、自分で育てた野菜を食べることで、食生活の改善や収穫の喜びも得られます。

毎日の水やりや手入れが適度な運動になり、植物の成長を観察する楽しみが脳の活性化にもつながるのです。

100均アイテムできる簡単DIY

一人暮らしの高齢者におすすめの暇つぶしには、簡単なDIYもあります。

DIYとは「Do It Yourself」の略で、ものづくりを自分自身で行うことです。

100円ショップのアイテムを活用したものづくりは、材料調達も簡単かつ低コストで始められるのでおすすめです。

収納ボックスの装飾やフォトフレーム作りなど、初心者でも取り組みやすいDIYから始めてみましょう。

高齢者が手先を使う作業を行うと、脳トレ効果があります。

さらに両手を使う作業は、左右の脳を活性化させる効果に期待できるのです。

完成品を部屋に飾ることで、達成感を得られるだけでなく、毎日の生活空間も明るくなります。

以下の記事では、高齢者の脳トレについても詳しく紹介しているので、あわせて読んでみてください。

オンラインによる将棋

高齢者の一人暮らしにおすすめの暇つぶし3つ目は、オンラインでの将棋です。

スマートフォンやタブレットの普及により、将棋のような伝統的な遊びもオンラインで楽しめるようになりました。

将棋アプリは、難易度のレベル設定があり、コンピューターとの対局で基本から学ぶことも可能です。

また、全国の登録者とマッチングして対局を楽しめる機能もあります。

認知症予防の観点からも、将棋のような思考を凝らすゲームは効果的です。

一人暮らしの高齢者の認知症については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

オンライン料理教室

高齢者の一人暮らしにおすすめの暇つぶし4つ目は、オンライン料理教室です。

コロナ禍を機に普及したオンライン料理教室は、家にいながら新しい料理を学べる場として定着しています。

自治体や民間企業が高齢者向けに開催するものも増えており、参加しやすくなってきています。

一人暮らしだと「作っても食べる人がいない」と料理へのモチベーションが下がりがちです。

オンライン料理教室は、同じ状況の仲間と一緒に料理を楽しめる場となるでしょう。

映画鑑賞

映画鑑賞も、高齢者におすすめの暇つぶしの1つです。

近年は動画配信サービスの普及により、自宅でも簡単に映画を鑑賞できるようになりました。

映画鑑賞はリラックス効果だけでなく、さまざまな知識や視点を得られます。

また全国の映画館では、指定の曜日や日にちにチケットを安く購入できる『シニア割』の利用がおすすめです。

青春時代の音楽鑑賞

一人暮らしの高齢者におすすめの暇つぶし6つ目は、青春時代の音楽に触れることです。

音楽療法の研究によれば、若い頃に親しんだ音楽を聴くことで、脳内でドーパミンが分泌され、気分が向上するとされています。

好きな音楽を定期的に楽しむことは、脳の活性化と心の安定につながる良質な暇つぶしと言えるでしょう。

簡単ストレッチで健康維持

高齢者の一人暮らしにおすすめの暇つぶし7つ目は、簡単なストレッチです。

家の中で気軽にできるストレッチは、運動習慣のない高齢者でも取り入れやすいでしょう。

朝起きたとき、テレビを見るときなど、日常生活に小さなストレッチの習慣を組み込むことで、無理なく継続できます。

特に、お手本の映像を見ながら行うストレッチは、正しいフォームで安全に行える利点があります。

高齢者におすすめの運動については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

写真を撮ってアルバム作成

写真を取ってアルバムを作成することも、高齢者におすすめの暇つぶしの1つです。

スマートフォンのカメラ機能の向上により、誰でも手軽に写真が撮れるようになりました。

散歩中の風景・季節の花・料理の出来栄えなど、日常の小さな発見を写真に収めることで、日々の生活に新たな視点が生まれます。

撮影した写真は、デジタルアルバムとしてスマートフォンで整理するだけでなく、プリントしてアルバムにまとめる楽しみ方も可能です。

写真の配置を考えたり、手先を使って貼ったりする作業は、脳の活性化につながります。

また実際に手元に残るアルバムは、完成後の達成感や満足感があるでしょう。

音声読書（オーディオブック）

一人暮らしの高齢者におすすめの9つ目の暇つぶしは、音声読書（オーディオブック）です。

音声読書とは、本を「聴く」という新しい読書スタイルで、高齢者の間でも人気を集めています。

家事・ウォーキング中・就寝前のリラックスタイムなどさまざまなシーンで本を楽しめるのが人気の理由です。

また視力の低下が気になる方や、長時間の読書で疲れを感じる方におすすめです。

連用日記

一人暮らしの高齢者におすすめの暇つぶし10個目は、連用日記です。

連用日記とは、年単位で毎日少しずつ書き込める日記のことです。

市販の連用日記帳には、3・5・10年間などの年数で分けられたものが販売されています。

数年にわたって同じ日のページに記入し、行動や感情の記録を比較できるため、自分の変化や成長を実感しやすいです。

日々の出来事や感情を書き留めることは、精神的な安定にもつながるでしょう。

一人暮らしの高齢者が暇と孤独を感じる理由

一人暮らしの高齢者は以下の3つが原因で、暇や孤独を感じる場合があります。

• 急に忙しさがなくなった
• パートナーとお別れした
• 同じ毎日の繰り返しで「楽しい」と思えることが減った

ここで一つずつ解説します。

急に忙しさがなくなった

高齢者は退職や子どもの独立などで、忙しい日々から一転し、暮らしに余白が生まれます。

誰かのために行動してきた日々から、自分のために行動するという変化に心が追いつかず、「暇」と感じることがあるでしょう。

この時期を乗り越えるためには、新たな日課や楽しみを見つけることが重要です。

もし高齢者が「何もすることがない」と感じている場合は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

パートナーとお別れした

配偶者との死別は、高齢期の最も大きな出来事の一つです。

長年共に過ごしてきたパートナーがいなくなると、日常会話の減少、共有していた趣味の継続困難など、さまざまな寂しい瞬間が現れます。

また「誰かのために生きる」という目的意識の喪失も、孤独感を深める要因となるでしょう。

社会とのつながりを維持する活動や、心の支えとなる趣味を持つことが重要です。

同じ毎日の繰り返しで「楽しい」と思えることが減った

高齢期に入ると生活に変化がなく、「楽しい」と思えることが減少します。

同じ毎日の繰り返しは、脳の活性化の頻度が減り、認知機能の低下を早める可能性があります。

特に視力や聴力などの低下や外出機会の減少によって、新しい体験が制限されると、同じ日常を繰り返している感覚も強まるでしょう。

高齢者にとって新しい体験や変化を意識的に日常に取り入れることは、心身の健康維持に不可欠です。

一人暮らしでも楽しめる高齢者向け暇つぶしの3つの選び方

一人暮らしの高齢者向けに暇つぶしを紹介しましたが、自分に合った選び方として以下の3つがあります。

• 興味関心のある分野から選ぶ
• 体力的に無理のないものを選ぶ
• お金をかけすぎず気軽にできるものを選ぶ

3つの選ぶ基準をもとに、新しい暇つぶしを見つけましょう。

興味関心のある分野から選ぶ

高齢者の暇つぶしの選び方として、興味関心のある分野から選ぶのがおすすめです。

若い頃から続けてきた趣味や、「いつかやってみたい」と考えていた活動なら、一歩踏み出しやすいでしょう。

興味のある分野は、継続や熱中しやすく、暇つぶしの満足度も高くなります。

体力的に無理のないものを選ぶ

高齢者は、体力に影響が出ない暇つぶしを選びましょう。

年齢を重ねると体力や身体機能の個人差が大きくなるため、自分の体調や体力に合わせた活動選びが重要です。

無理な活動は続かないだけでなく、健康リスクにもつながります。

選び方としては室内でできるものと、外出を伴う活動をバランスよく組み合わせるのが理想的です。

天候や体調が優れない日は室内活動、調子の良い日は外出にするなど、柔軟に調整すると良いでしょう。

高齢者の活動は、体の負担にならないよう無理なく続けられることを最優先してください。

お金をかけすぎず気軽にできるものを選ぶ

年金生活ではお金をかけすぎず気軽にできる暇つぶしを選ぶと、経済的な負担を減らせます。

初期投資と活動費が高額なものは、途中で断念せざるを得なくなるケースも少なくありません。

もし初期投資が必要な場合も、月々の維持費が低く抑えられる活動が理想的です。

また、地域の公民館活動や図書館の無料講座、自治体の高齢者向け教室など、公共サービスを活用する方法もあります。

これらは費用負担が少ないだけでなく、同世代との交流機会にもなり、一石二鳥の効果があります。

高齢者の暇な時間は人生を楽しむ時間に変わる

一人暮らしの高齢者にとって暇な時間は、これからの人生を楽しむ時間に変えられます。

本記事で紹介したさまざまな活動は、高齢者に豊かな価値を提供することが可能です。

今後は自分のための時間として、さまざまなことに挑戦してみてください。

自分の興味や体力に合った暇つぶしと出会い、一人暮らしの毎日をより豊かなものにして、充実した時間に変えていきましょう。