高齢者が幸せを感じる時！老年的超越と8つの特徴を解説

高齢になってくると、心身の衰えから幸せを感じる時が減少してしまうのではないかと心配になってきますね。

ところが、高齢者の多くは生きがいや幸福を感じている人が、意外と多いという調査結果がでています。

実は高齢になって幸せを感じることには、老齢的超越という心の変化が関係しているのです。

本記事は高齢者が幸せを感じる時とは具体的にどんな時なのか？

また老年的超越とはどういった心の状態を指すのか、そして9つの特徴について解説していきます。

高齢者で幸せを感じている人の割合

高齢者で幸せを感じている人の割合はどれくらいでしょうか。
内閣府によると、60歳以上の高齢者のうち3人に2人が、幸福感を抱いて生活しているという調査報告があります。

また「自分の生活に満足している」という人は75.8％に及ぶという回答が得られており、高齢者でも喜びを抱いて人生を楽しんでいる人が多い結果がでています。

高齢者の一人暮らしに生きがいが重要であることについて書かれた記事です。参考に読んでみてください。

高齢者が幸せを感じる時とは？

・美味しいものを食べている時
・新たな知識を得て、自分の知識を深めた時
・趣味に打ち込んでいる時
・部屋でリラックスしている時
・家族や友人、親しい人たちとの団らん
・国内宿泊の旅行
・読書や音楽鑑賞

上記のように幸せを感じる時の一番にも挙げられている「美味しいものを食べている時」に関しては、10年前に比べると15％増加している結果もあります。たしかに人生の喜びの一つと言えますね。

参考：内閣府「令和３年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」

しかし高齢者が幸せを感じる時には、上に挙げられている外因的な要因だけではなく、内面的な要素が深く関係しています。
それは「老年的超越」と呼ばれる心理的な特徴が、高齢者の心に変化や成長をもたらしているからです。

では、老年的超越とはどういった状態のことでしょうか？次に分かりやすく解説していきます。

高齢者が幸せを感じる時と関係ある老年的超越とは？

老年的超越（ろうねんてきちょうえつ）とは、1989年にスウェーデンの社会学者ラルス・トルンスタム教授が提唱した心理学理論です。高齢期になって世界観や考え方が変化していくことで、「心が成長し幸福感をもたらすようになる」という考え方です。

たとえば、それまで自己中心だった思考を超越し、他者を重んじて役に立ちたいという傾向に変わり、地位や金銭にこだわらなくなるため、俗世間の煩わしさから自由になれます。

老年的超越を体験していくことで、本来マイナスなことと受け取られがちな加齢も、自然なことと受け止めこれまで歩んできた人生を納得し、年齢相応の暮らしをポジティブに送っていけるように変化を遂げ、幸福感につながっていきます。

老年的超越とはどんな特徴があるでしょうか。以下の章で解説します。

一人暮らしの高齢者の支援について書かれた記事も参考にしてください。

高齢者に幸せを感じさせる老年的超越の8つの特徴

この章では老年的超越が高齢者にどのように幸せを感じさせる時になるかについて、噛み砕いて解説します。

他人の評価が気にならず人間関係も選択でき心が平穏になる

若い時には仕事上の付き合いの幅も広かったかもしれません。ですが無理な人付き合いも多かったことでしょう。当然他人の評価も気にしなくてはなりません。
ですが、そうしたことから解放され、人間関係の質を重要視した本当に気の合う少数の人を選択でき深い付き合いができます。
現役時代のように他人と比べられるストレスもなく評価を気にすることもなく、マイペースで過ごしていけるのは、心に平穏と幸せを感じる時となるのではないでしょうか。

社会貢献や趣味など新たな居場所を見つけられる

現役を引退することで、時間も精神も余裕ができ新しい趣味に挑戦することで、新たな人とのつながりを築く楽しみもできます。
また今までの人生での経験を活用して社会貢献することで、自分らしさを生かした新たな居場所を見つけられるかもしれません。
こうして残りの人生を他者のために費やすことで、人との関わり方に一層深い価値を見出せるようになります。

自己中心的な考えを超越することで、自分より他の人の幸せを考える歓びに浸れるのは、高齢者が幸せを感じる時といえるでしょう。

挑戦する楽しさを知り、上手くいかなくても自己否定しない

高齢者の中には「若い人に負けない」ことを自慢する人もいます。
ですが多くの人は年相応という現実を受け入れ、今の自分に合った目標に向かって焦らずゆっくりと進む楽しみ方を見つける人も多いことでしょう。
また老齢的超越ができた人は、たとえ思うような結果がでなくても、自己否定しないで挑戦できたことに幸せを感じられます。

たとえ悪いことがあっても気分まで悪くせず、ポジティブに受け止めていけるのも幸せのカギといえます。つまり出来事と感情を結びつけない知恵を持っているので、幸福感まで失うことがないというわけです。

現実をありのままに受け入れ精神的な安定を得る

加齢による衰えを感じるのは誰でも辛いことでしょう。
ですが老齢的超越を経験している人は、物事をあれこれ考えず、ありのままを自然体で受け止め穏やかに平然としています。
「諦め」にも似ているかもしれませんが、ネガティブ感情ではなくポジティブです。

また年齢と上手に折り合いをつけ「人は誰でも老いる」という現実を素直に受け入れられてきます。
そのため加齢からくる焦りや不安から解放された状態が得られ、高齢になった今現在を楽しむことに集中できるようになれるのです。

さらに自分の人生の集大成といえる今を充実させる大切さを悟っていますので、自分の感情を上手に扱いながら日々を暮らせます。したがって精神的に安定しやすく幸福感も増すことでしょう。

判断基準が明確になり迷いから解放される

若いころは未経験のことに対処しなければならず、悩んだり迷ったりしながら人生の岐路を乗り越えてこなければなりません。
そうして悩んできたことで自己が確立でき、後悔の少ない決定をするための判断基準が明確になります。
ですから高齢になってくると再び悩まなくて良くなり、時間の無駄を省けて有意義に使えるので、精神的なストレスが軽減されます。
迷いや悩みから解放される状態は、それだけ幸福感も増す結果となるでしょう。

物欲が減り必要なものだけで満足できる

最近でこそ「ミニマリスト」という言葉が聞かれるようになり、若い人の間でも不必要なものを持たない傾向が増えてきました。

ですが誰でも一度はおしゃれのために流行を追ったり、子どもたちに必要なものを買いそろえて物が増えて、整理するのも一苦労だった時期を経験していることでしょう。

ですが年齢を増すごとに生活状況が変化していき、自分の生活に必要なものを厳選して身軽ですっきりしたいと願う傾向が強くなります。
金銭へのこだわりや物欲から解放されることで、表面的なことより物事の本質に目が行き、本当の幸福を感じる時も増えてくるでしょう。

他の人の価値観を広い心で受け止められる

若いころは自分の価値観が先行し、違う意見に直面すると分かってもらえないことで、悲しくなったり苛ついたりする傾向があります。
しかし色んな人と出会い会話をすることで、人にはそれぞれに言い分があり、正解も一つとは限らないことを悟ってきます。

やがて違う意見や価値観に遭遇しても、感情的になって否定する気持ちを抑え、互いの理解を深めようとする姿勢に変わっていきます。

そうした姿勢は、高齢者が持つ長い社会経験からくる心の広さと余裕であり、他の人との不必要なストレスを防ぎ、幸福に役立つものとなるでしょう。

幸せを感じる高齢者に「安心」をプラス

幸福な高齢者にも、もしもの時に備えた安心のサポートがあればいいのではないでしょうか。
一人暮らしなら一層そうしたサポートは必要です。プライバシーも保たれたサポートで気軽に利用できます。

日々使う電球のオンとオフで、異常を検知するシンプルなシステムでハローライトといいます。
年金暮らしが多い高齢者にうれしい料金で、月々の費用は1078円で初期費用は無料。
なにか異常があればメールで緊急連絡先にお知らせしてくれます。

幸福に安心をプラスしたシンプルなハローライトの見守りサポートを、この機会にご検討されるのはいかがでしょうか。

幸せを感じる高齢者のまとめ

幸福感と満足感に満たされて人生を楽しむ高齢者が意外に多いということは若い人の安心感につながります。
そして老齢的超越で幸せを感じる時を増やしている高齢者は尊敬に値しますね。

8つの特徴から加齢などの厳しい現実に対処し、マイナス面を超越した人生から教訓を学べるのではないでしょうか。

そうした高齢者に近づき、その人生経験から学ばせてもらえるかもしれませんね。
しかし高齢者には支援の必要な場面もありますから、できることが何かないかをお節介にならない範囲で探って、互いに協力しあっていきましょう。