見守りIoTサービスの種類｜重要性についても解説

「親が実家で一人暮らししているので、何かあったら心配…」このように思っていませんか？

遠方で暮らしている両親にもしものことがあっても、すぐに対応できません。

そこで近年注目されているのが、当事者に代わって高齢者を確認する見守りサービスです。最近ではIoTを駆使した見守りサービスも登場して、注目を集めています。

見守りIoTサービスの重要性

見守りサービスの需要が高まっているのには、背景があります。

高齢者のみの世帯が増加し、介護する人材が不足していて、IoTによる見守りが求められているからです。

高齢者のみの世帯が増加

IoTによる見守りサービスの必要性が高まっている背景として大きいのは、高齢者のみ世帯の増加です。厚生労働省が2021年に発表した「国民生活基礎調査」によると、65歳以上の高齢者世帯の全世帯に占める割合が29％と過去最高になりました。

子供としては高齢の親を見守りたいけれども仕事の関係で離れたところで暮らさないといけない場合もあるでしょう。そこで自分に成り代わって、誰かに両親の見守りをお願いしたいと思っている人が増加しています。

介護人材の不足

自分で親の面倒が見られない場合でも、介護サービスを利用すれば常時見守ることは可能です。ところが介護人材が不足していて、十分にサービス提供できていないのもIoTによる見守りサービスの必要性が高まっている理由の一つです。

介護人材が不足している背景にも、少子高齢化が関係しています。現役世代の数が少なくなっていて、どの業種でも人材不足が問題になっています。

もちろん介護分野も例外ではありません。そこで見守りサービスの需要が高まっているのです。見守りサービスを活用すれば、離れた場所でも常時被介護者の状況を確認できます。いちいち現場を訪れる必要もなくなり、介護スタッフの負担を軽減できるわけです。

IoTの普及で見守りサービスが多様化

IoTとはInternet of Thingsの略称です。さまざまなものをインターネットにつなぐことでサービス提供するアプローチです。IoTを駆使した高齢者の見守りサービスが樹内視されているのは、IoTにおける技術革新が関係しています。

家電などをインターネットにつなぐことで、遠方から高齢者の様子を常時確認できます。とくに一人暮らしの高齢者の場合、容体が急変しても気づかれず、孤独死するリスクが高いです。しかしIoTによる見守りをしていれば、高齢者の異変にもいち早く気づけます。

また普段使っている家電の見守りサービスであれば、高齢者側もカメラのように常時監視されている感じがありません。プライバシーにも配慮したうえで、しっかり高齢者の状態を確認できるので需要が高まっているわけです。

見守りIoTサービスの種類

見守りIoTサービスは増加する高齢者世帯と慢性的な介護人材不足の両方の問題を解決できる可能性があります。

では具体的にどのような見守りIoTサービスがあるのか、いくつか種類があります。以下で紹介するので、導入する際の参考にしてください。

見守りカメラ

見守りカメラは、部屋のどこかにカメラを設置してモニタリングするサービスの一種です。カメラの画像や動画は、お手持ちのスマホでいつでも視聴できます。もし高齢者が苦しそうにしていたり、倒れたりしたらすぐに異変に気づけ、救急車を呼ぶなどの対処が可能です。

見守りカメラはバラエティに富んでいるのがおすすめポイントです。シンプルなものもあれば、かわいらしいなどデザイン性にこだわったカメラも出ています。また確度を自由に調整できたり、高齢者に直接声掛けできたりなどの機能性も充実しています。高齢者のほかにも、共働きなどで家で留守番している子供やペットの見守りのために、カメラを自宅に設置している世帯も少なくありません。

見守りセンサー

見守りセンサーは、人の動きに合わせて機械が作動したり、通知が届いたりする見守りサービスのことです。人感センサーや開閉センサーの搭載されている機種が主流です。

見守りセンサーは、トイレや寝室の扉、家電のオンオフを感知して反応する仕組みになっています。センサーが反応することで、いつも通りの生活リズムで暮らせているかどうか確認できます。もし一定期間以上、全くセンサーが反応していなければ、異変に気づけるわけです。

カメラの場合、高齢者によっては常に監視されていて落ち着かないと思う人もいるでしょう。しかしセンサーであれば、カメラで監視されているわけではありません。プライバシーにも配慮した見守りサービスなので、導入に対する抵抗感はあまりないでしょう。

見守りGPS

GPS機能を使って、高齢者の様子についてスマホで確認できる見守りサービスです。GPS端末はコンパクトなつくりになっているので、カバンなどに入れて持ち運びも容易です。自宅の中だけでなく、どこか外出した際にどこに行っているのかスマホなどで常時特定できます。

外出中に何らかのアクシデントに巻き込まれることも十分考えられます。また高齢者の場合、認知症リスクに関しても配慮しなければなりません。認知症で徘徊しだした場合でもGPS端末を体に取り付けておけば、どこにいるのかリアルタイムで確認できます。行方不明になるリスクを低減できるわけです。

見守り家電

普段利用している家電とスマホを連携させることで、高齢者の見守りができるサービスです。家電を操作すると、その履歴がスマホに登録されます。もし長期間家電が操作されていない場合でも、通知が届きます。

いろいろな家電を使った見守りサービスがありますが、代表的なのは電球です。暗くなったら照明をつけ、眠るときには照明を消すでしょう。もし長時間照明の操作が行われていなければ、操作のできない状況、すなわち倒れてしまっている恐れがあります。このようにスマート家電を使って、高齢者の様子をモニタリングするサービスもあります。こちらもカメラで監視されているわけではないので、プライバシーの侵害を心配する必要がありません。

まとめ

少子高齢化が今後ますます進んでいくとみられる中で、高齢者の一人暮らしや夫婦世帯の見守りをどうするかは大きな課題になります。介護人材も今後ますます不足すると見られているので、インターネットを駆使したIoTサービスは今後ますます必要性が高まるでしょう。

もし両親との同居が難しければ、見守りサービスの導入も検討すべきです。両親とも話し合って、どのような形で見守りするのがベストなのか早めに考えておきましょう。